先日、札幌市教育委員会が主催する特別支援学校の看護師研修に伺いました。
今回の札幌市の研修は夏休みに担当させていただいた研修の続きと言う事で、冬休み期間の研修になります。
冬の札幌は当然夏の景色とは全く違って全てが真っ白で、北海道の学校の冬休み期間は他の地域よりは長めです。
今回は札幌市立の特別支援学校で働く看護師さんを中心に３学期のお仕事の準備につながるよう夏季研修の内容を踏まえた内容で冬季研修をさせていただきました。
２学期のお仕事はいかがでしたか？
前回の夏季研修では学校での医療的ケアに関連するインシデント・アクシデントをテーマとしてグループワークをしていただきました。
特に前回は「記録」の重要性についてグループ内で話し合ってくださいましたので、あの研修の後「２学期のお仕事はいかがでしたか？」という質問から今回はスタートしてみました。
すると「やっぱり記録は意識しましたよ～」と反応してくださいました。
「必要な事が正確に書かれているか？」を職場内で意識し合ったとの事です。
研修で得た情報が、ただ個人個人の理解にとどまったり自分の納得だけで終わってしまうのではなく、職場に戻った時に部分的にでも同僚同士でシェアをしたり、業務の中で意識的に取り入れてみようというキカッケとなっていればいいなと思って毎回研修をしています。
なので今回のように研修で得た知識を実際の現場で使っているよ、というお話を聞かせていただけた事は本当にありがたいです💕
事例を通して教員との連携をイメージしよう！
事故を防止するという取り組みについては、いくら看護師だけが色々な手段を考え対応の流れをシミュレーションしたとても、現場は学校ですから当然教員と一緒に取り組まなければ意味がありません。
今回は前回の研修の続きとして、教員と看護師の連携協働を具体的にイメージしていただくために、学校あるあるな感じの架空の看護師と架空の教員を設定し、ありそうな事例を用意する事にしてみました。
どんなパターンがイメージしていただきやすいか？については札幌市教育委員会の担当の方と一緒に考えました。
そして研修担当の方に協力していただき、担任と看護師の考えの違いが浮き彫りになる場面をロールプレイで実演してみました。
担任は、その子（医療的ケア児）の担任としての考えや、今までの教員経験の中で関わってきた子ども達への効果的な指導の中から取り組みたい事があるのですが、看護師としては、担任の考えは安全面で不安がある！と考えている設定です。
お互いにその子の事を考え、その子にとって最も良いと思う事をそれぞれが説明していますが、結局折り合うところにたどりつかず、双方がもやもやしているという場面をロールプレイで見ていただきました。
皆さんからは「実際にはここまで自分の意見を担任に言ってないね…」と言いつつ「看護師の気持ちはわかるわ～！でも、担任の気持ちもわかるね…」という意見が出ていました。
私からは、看護師としての視点を整理して担任に伝える事を提案させていただきました。
例えば看護師が提供している（提供したい）看護を「看護計画」として文字にする事、そして看護目標については担任が立てている「教育目標」を共有させていただく事などを提案させていただきました。
まとめ
今回研修に参加をしてくださった看護師さんは皆さん「担任の思いや意図を引き出す」というスキルを既に持っておられる方ばかりです。
学校は教育の場だから子どもが学ぶ事を中心に考える、という事をきちんと理解しておられる事がグループワークの中であつーく意見交換をしている様子から伝わってきました。
札幌市は来週から３学期が始まるとの事ですが、おそらく今回研修に参加してくださった皆さんは担任と同じ目標に向かってお仕事に取り組まれると思います。
「学校らしいアセスメント」については十分理解しておられる看護師さん達ですから、子どもの学びを中心とした皆さんの看護を今後も引き続き支援させていただきたいと思っています。
