既に夏の職場研修の打ち合わせが始まっていて、徐々に準備にとりかかっています。
私は主には「学校で働く看護師の役割」や「教員と看護師との連携」というテーマで職場研修を担当しています。
学校で働く看護師の役割のひとつに「医療的ケア児のアセスメント」がありますが、私は「学校らしいアセスメント」という視点でお話ししています。
これをそれぞれの職場で具体的にイメージしていただけるように、私なりに色々な例を示し研修の流れを考えているので、今年の夏の研修についても「学校らしいアセスメント」の意義について皆さんと掘り下げる予定です。
看護においてのアセスメントとは
「アセスメント」という言葉は一般的には「査定」や「評価」という意味で使われていると思います。
「看護においてのアセスメント」の意味を抑えておく事は大事だと思うので、今回は夏の研修の前に[つながるかい]の皆さんとのビデオミーティングで確認をしました。
[つながるかい]の皆さんも看護師ですから「アセスメント」は日常的に使う言葉ですが、あらためて日本看護科学学会のホームページから「看護におけるアセスメント」の説明を一緒に確認をしてみました。
以下の公益社団法人日本看護科学学会ホームページからの抜粋です。
【看護においてのアセスメント】看護過程の最初の段階として位置づけられ論じられている。看護過程におけるアセスメントは、情報の収集・分析・集約・解釈のプロセスであり、看護の対象となる人々に最適な看護を提供する上で重要な段階である。「情報の収集」では、人間の健康についてのアセスメントの枠組みを用い、コミュニケーション技術を活用して、目的、系統的に身体や心理・社会的な情報を収集する。そして、得られた情報を「分析」し、それらを「集約」して「解釈」を行い、看護の視点から問題(解決を要することがら)や強み(看護活動に活用できるその人の長所)を判別し、最適な看護を導きだす根拠を明示する。アセスメントの「解釈」には、現象を多面的に捉える能力、知識や経験を活用しながらその意味・原因を探求する能力、予測する能力、統合する能力などが必要である。
看護においてアセスメントは「最適な看護を提供する上で重要な段階」なので、アセスメントをせずに看護を提供するという事はないはずです。
そして、最適な看護を導き出すためには「知識や経験を活用しながらその意味や原因を探求する能力」など、様々な能力が必要である、と書かれています。
看護師が当たり前に行っている「アセスメント」についてこういった文章で捉え直すと、「アセスメント」が最適な看護を提供するためには欠かせないプロセスだと再認識ができます。
学校らしいアセスメントとは
では、学校で働く看護師は、どのように最適な看護を導き出しているのか…
研修では「看護師の役割」には「医療的ケア児のアセスメント」があるという事を説明していますが、これは平成31年3月に出された文科省通知「学校における医療的ケアの今後の対応について」の中の看護師等の役割の一つ目に「医療的ケア児のアセスメント」と記載されているからです。


では学校において看護師は具体的にはどのようにアセスメントをするのか…を研修の中で例を示しながらお話しします。
「学校らしいアセスメント」には「学校」に関する情報が絶対に必要です。
学校に関する情報とは、具体的には教育活動に関する情報で、これは教員が看護師に提供してくださいます。
医療的ケアを必要とするその子がどういった教育活動に取り組むのか、スケジュール的な情報だけでなく、その子はどんな教育目標に向かっているのか、といったその子の取組みの教育的な意義やねらいについて、教員が情報を共有してくださる事で、看護師は「学校らしいアセスメント」ができます。
学校で提供する最適な看護を導き出す根拠として、その子が「授業を受ける」「授業に集中できる」「ねらいに向かって課題に取り組む」というような「教育活動にその子が参加する事を中心とした上での最適な看護」が提供できるように、看護師は「学校らしいアセスメント」をしているという事になります。
この「学校らしいアセスメント」ができる事こそが、学校で働く看護師の専門性ですし、医療機関での看護や在宅での看護とは視点が違うところです。
教員からの教育活動に関する情報がない状況では、看護師は「学校らしいアセスメント」ができない…と言っても過言ではないと私は思っています。
今回[つながるかい]の皆さんとは、教員から情報を共有していただく方法についても意見交換しました。
ちょっとした時間での「立ち話」だったり、「校内会議」だったり、「個別の指導計画」を使って文字ベースで共有していたりなど、現場では色々な方法がとられています。
学校で働く看護師は「現象を多面的に捉える能力」「知識や経験を活用しながらその意味・原因を探求する能力」「予測する能力」「統合する能力」といった能力を駆使して、医療的ケアを必要とするその子が教育活動に参加できるための最適な看護を導き出す根拠となる「学校らしいアセスメント」を行っています。
おそらく自然にやっている看護師も多いと思いますが、学校での勤務経験を生かした専門性の高い事ですから、研修の中で取り上げる事で、教員に看護師の専門性を知っていただける機会だと思います。
まとめ
「指示書」に記載された医療的ケアを実施する事だけが学校で働く看護師の役割ではありません。
指示書に基づいた医療的ケアの実施の根底にはその子が「教育活動に参加をするため」という目的があるので、もし教育活動に参加をしていない状況があるなら「学校で提供した看護は最適な看護ではなかった💦」という事になってしまいます。
夏の職場研修では「学校らしいアセスメント」の意義と、その先に繋がる子どもの豊な学びについて皆さんと一緒に考えていきたいと思っています。
公益社団法人日本看護科学学会ホームページ👉https://www.jans.or.jp/glossary/assessment/
平成31年3月文部科学省通知「学校における医療的ケアの今後の対応について」👉https://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/tokubetu/material/__icsFiles/afieldfile/2019/03/22/1414596_001_1.pdf






