学校で働く看護師にとっては医師が作成する「指示書」の存在は非常に重要です。
しかし学校で医療的ケアに関わる方々それぞれの立場や役割が違うと「指示書」の捉え方が違う事があります。
正直、看護師同士であっても全く同じ捉え方ではない…と私は思っています。
「指示書」に関して看護師がモヤモヤを感じる…という話を私はわりと頻回に耳にしますが、それはそれぞれの捉え方の違いに原因があるようにも感じています。
ではどのように違いがあるのか…今月の[つながるかいビデオミーティング]では「指示書」にポイントを絞って掘り下げてみました。
何のための「指示書」なのだろう?
[つながるかい]の皆さんは看護職ですから学校で看護師が医療的ケアを実施する場合は医師の書面による指示が必要という事は共通の認識です。
しかし学校に向けた指示書の捉え方について、それぞれの考えを言葉にしてみると、案外色々な表現が出てきます。
もちろん文科省が平成31年3月の通知文で示しているように学校において医療的ケアを実施する事は「教育的な意義がある」という事の前提において、「指示書」は学校で子ども達が学ぶために作成されているという事は[つながるかい]の皆さんもわかっています。
ですが、実際学校では医師が作成する「指示書」の中の細かい表現や詳細な内容についてなど、いわゆる「書きぶり」については様々なバリエーションが存在している…という事が皆さんの話から伝わってきます。
その日の子どもの体調や学習活動の計画によっては指示書内の文言の捉え方に悩んだり、判断に迷う、という現実があります。
更には指示書を作成する医師は学校にはいないので、判断に迷ってもすぐに医師には確認ができないという組織体制の特徴もあるので、「指示書」を学習活動にフィットする書きぶりに整えるには時間を要してしまう…というのがリアルな学校の状況です。
今回、判断に悩む理由や迷う場面についての意見交換を通して私は「この指示書は誰のための、何のための指示書なのか?」をしっかりと意識して内容を整えていく事が大事だと思いました。
医師の指示書は安全にその子が学校でスムーズに学習活動に参加できるようにするために存在します。
なので、もし判断に迷う場面に遭遇したら、どうすればその子はスムーズに学習活動に参加できるかな??という視点で学校で働く看護師として情報を整理し、教員と一緒に考える事が大事だとあらためて感じます。
「学習活動への参加」を教員と看護師の共通のキーワードにする事で、方向性を見失わずにその子を中心においた判断になっていくはずだと思います。
学校における看護師の専門性
医師はおそらく色々な種類の「指示書」を様々な組織や人に向けて作成していると思います。
指示書ごとにそれぞれの作成の目的が設定されていると思いますが、学校への指示書の目的は「安全に子どもが学習活動に参加するため」です。
という事は、学校での学習活動ってどんな活動なのか…どういった環境で活動するのか…といった学校教育の情報を指示書を作成する医師に学校から丁寧に提供する事は、目的に合った指示書を作成していただくためにはとても重要だと思います。
そして「指示書」を使って看護を実践する看護師として、その子の安全な学びを支えるためにはどのような専門性を発揮できるか、どのように看護の工夫ができるかを看護師が考え、言葉や文字にする事が大事だと思います。
その子の今日の体調について、自分は看護師としてどのようにアセスメントをしているか…教員が準備している学習活動について、その子の今日の体調であればどんな参加の仕方が検討できるか…というような事を、看護師が教員に説明していく時に、医師の「指示書」の内容を踏まえて説明する事が、学校における看護師の専門性だと私は今回のビデオミーティングを通して感じました。
まとめ
今回私は[つながるかい]の皆さんとの意見交換を通して、あたらめて学校における「指示書」の捉え方が、学校毎に、あるいは地域毎にこれまでの様々な出来事や関わる人の影響を受けて変遷していっている事がわかりました。
今後も変わっていく可能性はありますが、学校に向けた「指示書」は子どもが安全に学習活動に参加するために作成されている、というその目的自体は変わらないはずだと私は考えています。
「指示書」は子どもの学びにとって重要な存在だからこそ、私は「指示書」が作成されている目的を踏まえて教員と看護師が自分の考えを言葉にし伝え合う機会を持つ事が「指示書」に対するモヤモヤ感の解消に向けた一歩だろうと思います。






