今年の夏に担当させていただいた職場研修については前回のブログで私自身の感想を簡単にまとめてみました。
7月と8月を振り返ると私は今年の夏は14か所の自治体教育委員会主催の職場研修を担当させていただく事ができました。
そして、多くの自治体では研修後に事後アンケートを取っておられ、私にも結果の一部を共有してくださる自治体もあります。
今回は事後アンケートを共有してくださった自治体のうち、私が「教員と看護師との連携体制」に関する内容でお話しさせていただいた5か所の自治体において、そのアンケートへの記載内容から現場の皆さんの研修ニーズについて考えてみました。
教員と看護師との連携をテーマとした研修を受けての感想
私の講義に対する事後アンケートを共有してくださった5か所の自治体では「教員と看護師との連携体制」について講義をさせていただきました。
それぞれに事前の研修企画担当者様と打ち合わせをさせていただきましたが「安定的な連携体制を構築するにはどうすればいいか…」をテーマにしたいという点が共通していたので、私からお話しさせていただいいた内容も概ね共通のものとなりました。
当然、自治体毎に策定されている「ガイドライン」や「運用マニュアル」も講義の中で使ったので、全てが同じ内容ではありませんが、私が伝えたい内容は共通していました。
受講対象者は自治体毎に違いがあって【看護師】【教員及び養護教諭】【看護師と教員と養護教諭及び管理職】という3パターンがあったので、当然、事後アンケートの内容は職種によって違いがあると感じます。
今回の研修内容が今後の仕事の役に立つと感じてくださった方はその理由も書いてくださっています。
【看護師】今までは学校での看護師の立ち位置がわからなかったのだが、今回の研修を受けてわかったので、教員との連携方法について理解ができた。
【看護師】病院での勤務が長かったので、学校で勤務を始めてからも病院看護師と学校看護師との違いがよくわからなかったが、説明を聞いてその違いがわかった。
【看護師】研修を受けて看護師は問題を解決する思考パターンである事に気づいた。自分も問題を速やかに解決すべきと考えてきたので、学校では日々のケアに追われて「早く、早く」と思っていた。学校は教育の場だと理解できたので、今回の学びを2学期からの業務につなげていきたい。
以上のように、そもそも学校という職場は医療現場と「どこがどのように違うのか」という事を知らされないままでは、教員と連携する方法もわからない…という状況の看護師もいる事がわかります。
一方で看護師と共に研修に参加した教員からは
【教員】専門性が違う立場で同じ子どもに向き合って、子どもが安全に過ごせるために互いに知恵を出し合う事が重要だとわかった。
【教員】(研修内で行ったグループ協議について)立場の違う方々からの意見が聞けた事は自分にとって貴重な機会となった。
【教員】看護師と目標を共有する事は大切だと日頃から考えているので、今回の研修に参加し一緒に働く看護師には自分が自立活動について取り組んでいる事は既に伝わっていると実感できた。
教員としては、当然看護師と教員は専門性が異なる事は分かっておられるので、研修を通して看護師と意見交換する事の意義を理解してくださった事がわかります。
こういった方々は早速日々の業務に取り入れてくださっているだろうと思います。
研修に参加している時間そのものが「教員と看護師が互いに相手の考えを知る機会」になる事も職場研修へのニーズのひとつであるように感じます。
日頃の職場内では教員も看護師もお互いに慌ただしく動き回っているので、話す時間を生み出しにくいのだと思います。
そこで研修の時間では落ち着いて聞いたり話したりができる、という意味では、専門性が異なる教員と看護師がどうすれば上手く連携できるか…を考える機会になっていると感じます。
実践事例が参考になるという感想は教員も看護師も同じ
今回私が「教員と看護師との連携体制」に関するテーマで研修をさせていただき、そして事後アンケートを私にも共有してくださった5か所の自治体では、その自治体においての「実践事例」も紹介していただく事ができました。
実践事例の紹介の仕方や内容はそれぞれ色々なパターンがありましたが、現場ではあるあるの「教員と看護師との連携に関する実践事例」でした。
実践事例についても事後アンケートに書かれています。
【看護師】具体的な事例の紹介があったので、理解が深まった。
【看護師】今後も様々な学校からの事例を聞きたいし、勤務校でも事例検討に取り組んでいきたい。
【教員】実践事例の紹介はとても興味深く聞くことができた。自校での取り組みを振り返る良いきっかけとなった。
【教員】自校の児童は周りの友人や大人からの支援に慣れてしまい、してもらう事が当たり前に感じているのでは?と思っていたが、実践事例を聞いた事で、自立活動として自立に向けた教育目標を設定したいと思う。
具体的な事例を聞く事で、受講者は勤務校での取り組みの参考にできると感じている事が伺えます。
一方で…
【教員】障害の種別が異なる様々なパターンの実践事例も紹介して欲しい。
【看護師】医療的ケア児の在籍人数が多く、ケアの内容も多い学校においての取組事例も知りたい。
というように、教員と看護師との連携に関する実践事例の紹介は、学校種や障害の種別の違い、あるいは学校の規模等の違いによって当然校内体制も違ってくるので、様々なパターンについてもっと知りたい、という要望への対応も必要なのだと感じます。
今後に向けて
受講者のご意見や感想には大事なヒントが詰まっていると感じます。
私自身の話の進め方や資料の使い方など自分自身をチェックする意味でも皆さんからのご意見や感想はとても大事です。
加えて複数年に渡って職場研修を担当させていただいている自治体での受講者の感想では…
【看護師】毎年「教員と看護師の連携の重要性」を聞いていて同じ内容になっている…教員と看護師の連携が大事だという事は十分わかった…が、自分の学校での具体的な方法につながらない。
【看護師】医療的ケアを自立活動の指導で考えるのは、正直「こじつけ」だと感じる。しかし今まで医療的ケアを「看護師の処置」としてきた事で、医療的ケアに対して教員の関心が薄いと感じるのも事実で、とても難しい事だと思う。
【教員】医療的ケアを自立活動の指導で考えていく事については、「医療的ケアの実施そのものが自立活動だ」と勘違いしてしまう教員もいるのではないかという懸念を感じる。そういう事ではなく、医療的ケアという場面を通して子どもが困難を克服する指導(教員の役割)と、それを安全に支える専門的なケア(看護師の役割)という役割の違いについて、現場できちんと整理し理解を深めていく事が大事だと思う。
という現場の現実についての大事なご意見もいただきました。
とても重要な点を指摘してくださっています。
皆さまそれぞれに貴重な時間を使って職場研修に参加をしてくださるので、日々の実践につなげられる内容にブラッシュアップをしていかなければならない、と事後アンケートを読んで感じています。
いただいたご意見や感想を踏まえて、今後はそれぞれの自治体の研修企画担当者様としっかりと打ち合わせをし、今後はより具体的な実践事例をお示しできるように私自身が丁寧に現場の情報取集に取り組んでいきたいと思います。
お忙しい中、研修終了後の感想やご意見を提出してくださり本当にありがとうございました。
Nurse Fightブログ2026.8.30「夏の職場研修を通して沢山の気づきがありました(2026)」👉https://nurse-fight.com/nurse-2026natu/






