10月から11月にかけて私はいくつかの学校を訪問させていただき、そこで働く看護師さんや教員の方々から現場のお話しを聞かせていただいています。
小学校にも特別支援学校にも伺っていますが、看護師の勤務体制や所属先は自治体毎に違いがあります。
「何のために看護師は学校で働いているのか…」をそれぞれがどのように捉えて働いているだろうか…という視点を持って皆さんのお話しを聞いていくと、もしかすると学校内外の医療職は「教員は子ども達にどんな事を教えているのか」についてイマイチ把握できていないのでは?という思いになってきました。
教員が「子ども達に教えたい事」を一緒に働く看護師に発信しているか…
小学校であれば1校に医療的ケア児の在籍は1名か2名で、市内の小学校に看護師は点在するかたちで単独配置をされている自治体が多いかと思います。
特別支援学校では学校規模にもよりますが、通学する医療的ケア児が複数名在籍している場合は看護師も同じ学校に複数名で勤務をしています。
また、小学校への看護師配置の方法は自治体毎に色々な方法がとられていて、私が訪問したいくつかの自治体では、ひとりの看護師が複数の小学校を担当するという方法の自治体もあります。
それぞれに看護師の勤務時間も一日の業務の流れも異なりますが、その学校での今までの経緯やその地域の背景の中に現在の運用ルールに至った理由がある、というところは共通していると感じます。
私が気になっているのは、医療的ケア児に対して「教員が教えたい事」を、看護師は一緒に働く教員と十分に情報共有ができているだろうか…というところです。
もちろんしっかりと情報共有ができている学校もあって、担任の方から看護師に向けて「子どもの成長したところ」や「担任として次に取り組みたい事」の話題が出るので「看護師としては自分の仕事の目的が明確でわかりやすい!」と教えてくださる看護師さんもいます。
一方で「担任の先生によって違うかな💦」というお話しもありました。
「こんな事をやってみたい」という担任からの発信はあるが、「なぜそれをしたいのか…」その「ねらい」や「教育としての目的」まで掘り下げた情報共有は、お互いに忙しくて「時間が取れない…」という声もありました。
教員の方々からは「看護師さんの意見も参考にした上でねらいや取り組み内容を考えたい」という方もいましたが、一方で「看護師とどの内容を話せばいいのか難しいと感じる」「そもそも看護師と共有すべき事なのかどうかわからない」というご意見の方もいました。
また食事や排せつなどの場面も教員にとっては子どもとの大事なコミュニケーションチャンスなんだけど看護師さんの動きとの調整も必要だし色々迷う…という教員のご意見もありました。
「何のために看護師は学校で働いているのか…」は「医療的ケア児が教員の指導によってねらいを達成するため」ですから、看護師は「教員が子どもに教えたい事」が教えられるように看護を提供しないと、医療的ケア児はねらいを達成する事ができない!という事になってしまいます💦
そんな事にならないように、看護師は「教員が教えたい事」について教員の考えを共有しておく事は大事だと思いますし、もし看護師にとって理解が難しい…あるいは安全にできるの?と思う事があれば、そこは諦めないで「もう少し詳しくねらいを教えてください」と看護師のほうから少し踏み込んでみる勇気も必要だと思います。
教員が「子ども達に教えたい事」を学校外の医療職に発信しているか…
学校が医療的ケアの実施体制を維持していくためには学校外の医療職のサポートも必要です。
医療的ケアを学校で実施するために必要となる「指示書」の作成者の多くは学校外の「主治医」が担っています。
他にも医師の立場で教育活動をサポートしてくださる「指導医」や「学校医」もいます。
医療的ケア児によっては家庭で「訪問看護」を利用している場合もあるので訪問看護師も関わっています。
放課後等デイサービスの事業所で働く看護師もいますし、医療機関では外来看護師や病棟看護師も医療的ケア児に関わっています。
他にも理学療法士や作業療法士など様々な医療職が学校の外から学校での医療的ケアに関わっています。
私がお話しを伺った学校の看護師さんや教員の方々からも、学校外の医療職との連携に関するお話しもありますし、特に「指示書」の作成に関する主治医との連携の話は頻回に出てきます。
加えて医療機関の看護師との連携についてのお話しもよく出てきます。
特に入院をしていた医療的ケア児が退院し登校を再開する際には、医療機関の看護師に学校での教育活動の内容や学校の役割などをわかっていただく方法やタイミングについて工夫をしているというお話しもあります。
様々なお話しを聞きながら私は、とにかく学校側から教員が子ども達に「教えたい事」や「教えている事」を学校外の医療職にもしっかりと具体的に説明していく事が重要だろうと感じます。
主治医が「指示書」を作成する事についても、そもそも学校に向けての「指示書」は医療的ケア児が学校教育を受けるために必要不可欠である医療的ケアを学校で合法的に実施できるようにするために必要なものですから「教育活動の内容やねらい」について学校が主治医に具体的に情報提供する事で、その子の教育活動にフィットした「指示書」が作成できる、という事になります。
学校外の医療職にとって「学校の中の事」はわかりにくい…あるいはわからない💦という印象もあるかと思いますが、学校では「教育の目的や意義」にそって教員は子ども達に「教えたい事」を指導計画として準備して子ども達に指導をしてします。
重度重複障害のある児童生徒であってもその子に応じた「学びのねらい」を設定して教員は指導をしているという事を、医療職は教員の方々から詳しく聞いていただくと、教育の印象が変わってくるのではないかな💕と思います。
まとめ
10月・11月の学校では教員の方々は学年末に向かって後半の学校行事の準備や当日の指導、日々の授業の実践などなど「教育目標」に向かって、後半で子ども達が更に目標に近づいていくために、指導の計画にそって細かく指導をしておられ、とても忙しそうです。
そんな忙しい中でも小学校や特別支援学校で私にお話しを聞かせてくださった教員の方々や看護師の皆さんには感謝の気持ちでいっぱいです💕
「教員が子ども達に教えている事」はどんな事なのか?を、医療的ケア児に関わる学校内外の医療職が関心を持つとともに理解をする事は、医療的ケア児の学校での学びを安全で豊かな学びにするためには必要な事だと私は考えます。
当然、医療職と教員は互いに専門性が異なりますが、学校での医療的ケアは医療的ケア児が教育を受けるために行うわけですから、教員の方々から子ども達に教えている事はどんな事なのかを医療職に向けて発信していただかないと、医療職は学校教育にフィットした連携方法がわからないまま…かも知れません。
教員のほうから医療職に向けて「こんな事を教えたいんです!」「今これを教えています!」を是非発信して欲しいです。






