先週は小学校で働く看護師さんにお話しを聞かせていただく機会がありました。
それぞれ別々の小学校で働く３名の看護師さんにお仕事の内容や工夫している事などを色々聞かせていただきました。
どの学校の看護師さんも学校での勤務は２年目以上の方だった事もあり、担当する医療的ケア児が昨年より成長しているという事を大事にしながら関わっておられる事がしっかり伝わってきました。
昨年度までの事を振り返りながら仕事をしています
看護師としてのお仕事の内容はもちろんそれぞれに違いがありましたが、担当している医療的ケア児は昨年度から同じ児童を担当しているという部分はみなさん共通していました。
学校では子ども達の成長にそって教育活動が変化していくので、当然看護師の仕事についても昨年と今年では一日の流れが変わります。
今回お話しを聞かせてくださった看護師さんはみなさん、昨年の今頃の状況を振り返り必要に応じて比較しながら子どもの成長に合わせて今年度のお仕事の流れを組み立てておられました。
もちろん看護師の仕事としては医療的ケア児への関わり方を中心に考えますが、その子の周りにいる他の子ども達についても気づく事があれば担任に報告するなど担任と上手に連携体制を作っているという方もいました。
どの看護師さんも学校での仕事を始めた直後は、医療的ケア児との関わりについては「どこまで」看護師が関わるべきなのか？「どの部分を」担任と連携すべきなのか？「線引き」というかちょうど良い距離感が分からず、悩んだ時期もあったそうです。
しかし、２年目以降となると皆さん昨年の今ごろはどうだったかな？？という事を振り返りながら、医療的ケア児への関わり方や、他の子ども達との距離感などを今年度バージョンに作り替えておられました。
おそらく「学校あるある」だと思いますが「今年の担任の先生はどんな感じかな～」と看護師は担任の先生について情報収集し、担任も看護師との関わり方を模索すると思います。
イチから組み立てた１年目よりも２年目以降のほうが看護師としては昨年度の経験や基盤があるので、お仕事の流れを組み立てやすくなります。
お話しを聞かせてくださった３校の看護師さんはぞれぞれに医療的ケア児の担任とその子の情報を共有しつつ、看護師が担当すべき業務や担任に託す内容などを養護教諭も含めて丁寧に整理しておられました。
昨年よりも子どもが成長している事を実感します
どの看護師さんも昨年度よりも明らかに子ども達が成長しているという事を実感しておられました。
医療的ケア児に必要なケアの内容は当然それぞれに異なりましたが、どの看護師さんも「その子」の成長を実感し、その成長をとても大事にしておられる事が伝わってきました。
「その子」の成長は「学校」という社会でその子なりの「自立」に向かって成長している姿です。
子どもは短い期間でもドンドン前に進んでいるようです。
その子の何気ない振る舞いや言動や表情にも成長を感じる事があるそうです。
たった１年で自分で自分の体調を看護師に伝える事ができるようになった子もいたり、看護師と駆け引きをするような会話ができる子もいて、子ども達の成長の速さに驚かされるという事を聞かせてくださいました。
まとめ
子ども達は学校教育を受ける事で成長発達が促されていきます。
医療的ケアを必要とする子ども達も当然、学校で教育活動に参加する事で成長発達が促されています。
今回は小学校で働く３名の看護師さんからお話しを聞かせていただきましたが、皆さん医療的ケア児の成長発達を実感するだけでなく、その子の周りにいる子ども達の成長も実感しています。
もちろん看護師にとって医療的ケア児ではない児童については限られた関わりだと思いますが、それでも１年以上同じ場所で過ごしてきたという時間の流れの中で、子ども達みんながドンドン成長している事を学校で感じながらお仕事をしておられる事が良くわかりました。
これが病院の看護の目的とは異なる「学校」ならではの看護の意義や成果を実感する部分だと３名の看護師さんのお話しを聞きながら感じました。
