各学期末毎に開催しているオンラインセミナー【Nurse@school研究会】を開催しました。今回で５回めで、つながるかい会員限定の研究会です。今回は、前半では1回めの研究会からオブザーバーとしてご助言くださっている国立大学法人宮城教育大学大学院 教育学研究科教授の菅井先生にご講義いただきました。そして後半で会員の皆さんと菅井先生やオブザーバーの先生方とで意見交換をしました。
今回私は宮城教育大学に伺わせていただき、菅井先生の研究室を特設スタジオにして、仙台から全国の会員さんとオンラインでつながりました。
今回は「子どもの気持ち」にフォーカスしました
私は「子どもの気持ち」について、教育の専門的なお話を是非とも聞かせていただきたいと思い、Nurse@school研究会にオブザーバーとして参加してくださっている菅井先生にご相談させていただいたのは、実は前回の研究会が終わってすぐの７月末の事でした。
看護師の養成課程では学ぶ機会がない「障害児教育の歴史」や「自立活動」という学習内容などのお話を、つながるかいの皆さんと共有してから、「子ども達が自分らしい生き方を見つけるために学校で学んでいる事って何だろう？」というような内容で皆さんと意見交換がしたいのです‼️と私は菅井先生にお願いをしました。
このような大きなテーマを、限られた時間でご説明いただきたい‼️という私の無茶なお願いを、菅井先生は受け入れてくださり、当日は資料も使いながらとても丁寧に説明をしてくださいました。
教育活動を通して「子どもの心が育まれる」という事を看護師として理解する
菅井先生のご講義の後、オブザーバーの先生方と会員の皆さんとで、教育活動を通して「子どもの心が育まれる」という事についてそれぞれに思いつく事を色々話してみました。
「子どもの心が育っているな～」と学校現場で働く看護師として感じた場面について、皆さんがいくつか体験を話してくださいました。子ども達が思っている事や感じた事を学校の看護師に対してつぶやく場面や、あるいは、子ども同士で過ごしている様子から、看護師もその子の成長を感じる場面に遭遇する事があります。
そのような場面は、子ども達が確実に学校教育の中で教員の関わりによって成長している場面なのですが、教員のどのような指導によって子どもの心が育まれているのか？という事を、今回、参加してくださった方々は菅井先生のお話を通して色々気づく事があったと思います。
学校教育で捉える「自立」と、医療や看護で捉える「自立」とは、「イメージが異なりますね～」という事も、後半の意見交換の中で出てきました。看護の視点では、自分で自分のケアができるようになる「セルフケア」のような事を自立と捉えますが、学校教育においては、決してそれだけではなく、例えば「自分の意思で選ぶ事ができるようになる」事も自立です。学校教育では「自立活動」という学習の中で、「人間関係」や「コミュニケーション」の観点から子どもの心を育んでいるという事を、意見交換をするの中で、それぞれに日々関わっている子ども達の顔を思い出しながら参加してくださったと思います。
まとめ
学校では看護師は、医療的ケアを確実に実施し、子ども達の安全な教育環境を作る事に専念するのですが、今回は、学校の教育活動を通して、子ども達の心はどのように成長しているのか？について皆さんと意見交換をする事ができたと思います。
子ども達にとって担任の先生は「コミュニケーションパートナー」である、という事を菅井先生が教えてくださいました。担任の先生が医療的ケア児にとってのコミュニケーションパートナーとしての信頼関係を構築していく事を、学校で働く看護師はもちろん、主治医や指導医、病院や施設の看護師もそれぞれの立場で支えていく事が、教育と医療が連携する目的の本質の部分になるのかな、と私は今回の研究会を通して感じました。
菅井先生はじめオブザーバーの先生方が貴重なお話をしてくださった事で、つながるかいの皆さんにとっては大変中身の濃い研究会になったと思います。
そして当日参加が出来なかった会員さんには、会員限定のアーカイブ動画も用意していますので、会員同士で今後もシェアして行こうと思っています。
国立大学法人 宮城教育大学ホームページ👉http://www.miyakyo-u.ac.jp/
