今年度から学校でのお仕事を始めた看護師さんは全国で沢山おられると思います。
特に医療的ケア児の対応を初めて経験する小学校に、たった一人で配属された看護師さんはきっと着任当初は仕事を構築するところからスタートしたと思いますので、模索と不安の連続だっただろうと思います。
今回はまさにそういいった状況の中で担任の先生と相談しながら看護師の役割を見出してこられた看護師さんからお話を伺う事ができました。
小児科経験がないのでお子さんに会うまでは色々不安でしたよ💦
「はじめに採用担当の方から入学予定のお子さんの情報を聞いた時は、聞けば聞くほど自分にできるかな💦と不安になりました。でも実際にお子さんに会うと、それまでのイメージとは全然違って子どもらしい活気のあるお子さんだったので、この仕事をやってみようかな💪と思いました」
多くの自治体や学校において看護師の採用担当者さんは当然医療職ではありません。
看護師の多くが「担当する医療的ケア児の状態」について採用担当者に質問をすると思いますが、看護師が望むような表現や観点での説明を求める事は当然無理です。
それはやむを得ない事です。
この方も実際にお子さんに会うまでは「小児科経験のない自分にできるのかな~」とネガティブな方に気持ちが傾ていたそうなのです。
しかし!そこで終了しないで「実際に会う」というところまでたどり着いてくださったから「就職しよう!」という気持ちに変わる事ができたようです。
でも実際には採用担当者の話を聞いた時点で「私には無理です」と決めてしまう看護師さんも多いと思います。
今回お話を聞かせてくださった看護師さんも、この仕事に就くまでは学校で看護師が働いているという事を全く知らなかったので、仕事についての予備知識がなく想像もできなかった事も不安の理由となっていたそうです。
あたらめて同業者である看護師業界で学校で看護師が働いている事が周知されていかないといけない‼と感じました。
担任をリーダーとした学級の雰囲気に馴染んできました💕
とはいっても、この方も学校の一日の流れをどんな感じで組み立てればいいのか?保護者が持参する物品以外に何が必要なのか?などなど4月から色々な事を考え、主治医をはじめ様々な方々に相談してきた事で、2か月経ってやっと基本形は何とか作る事ができたそうです。
試行錯誤しながら作成された写真付のマニュアルや、医療機器の教室内での配置図なども見せてくださいました。
また子ども自身の変化や成長も自分のモチベーションになっているともおっしゃっていました。
「その子が担任の方をじっと見て話しを聞く事に集中している姿を見ていると、担任をリーダーとして1日が流れていくこの学級では、看護師は授業の邪魔をしてはいけない、という事を感じます」
「学校は授業をするところだ、という事が担任と子どもの様子を見るなかで実感しました」
学校とは子ども達が担任が行う授業を受けるところ、という事はみんな知っている事です。
でもこれは病院や訪問看護とは全く異なる環境での看護の提供です。
これに早い段階で気づくかどうか?がこの仕事をポジティブに捉えられるかどうか?の鍵になっているように感じます…
まとめ
以前のブログでも書いていますが小中学校への看護師の配置はひとり配置になりがちです。
特に小学校の場合は学校も医療的ケアの対応自体が初めて、看護師も学校で働くのが初めて、という組み合わせでスタートする、という状況になりがちです。
そこで鍵になるのは「経験者からの助言」です。
今回お話を聞かせてくださった小学校の自治体においては、医療的ケア実施体制構築について県教育委員会が県内の市町村教育委員会を支援する体制の中で、県立特別支援学校で働くベテラン看護師さんが小学校で働く看護師さんの相談にも対応しています。
伺った小学校でもすでに1学期早々に相談をされたそうで「あの時はとても不安だったので話を聞いてくださった事でホッとしたんですよ…」とおっしゃっておられました。
とても素晴らしい!!事業です。
前回のブログにも書きましたが、こういった事業が早急に各地で広がって欲しいな~と感じました。