第4回め Nurse@school研究会を開催しました

私がNurse Fightを立ち上げてからは4回めとなりますNurse@school研究会を開催しました。この研究会は学期末の終業式が終わったタイミング毎に年間3回の予定で開催をしています。今回は つながるかい をスタートさせて以来、初のスペシャル企画の研究会です。つながるかい のメンバーの皆さんや、ゲストの先生、オブザーバーの先生方と活発な意見交換をする事ができました。

目次

Nurse@school研究会事務局の四天王寺大学サテライトキャンパスからつながりました

サテライトキャンパスから大阪が遠くまで見えました

Nurse@school研究会はオンラインセミナーというスタイルで実施していますので、今回はお二人のゲストと私の3人が集合して対談する様子を、皆さんにはZOOMで参加をしていただくという計画にしていました。対談会場は、研究会の事務局を担当してくださっています四天王寺大学様より、四天王寺大学あべのハルカスサテライトキャンパスをお借りする事ができました。

今回のスペシャルゲストには、お二人の小児科医をお招きしました!北海道の医療法人 稲生会 理事長の土畠先生と、大阪の医療法人 輝優会 かがやきクリニック院長の南條先生です。

しかし!大阪は急速にコロナが再拡大していますので、北海道の土畠先生には来阪していただく事を断念していただき、ZOOMで対談に入っていただく事にしました。めっちゃくちゃ悔しいし、残念ですが、やむを得ません…

でも土畠先生も南條先生も、「画面越しでも、熱いトークをしますよ!!」と、心強いお言葉をいただき、スタートしました。

ゲストのお二人と私との対談テーマは、これ大丈夫?という感じかもですが「主治医や指導医の取り扱い方」です。学校の看護師の立場からすると「学校の事を理解していない医師とどうつきあえばいいの?」という気持ちになる事があります。私は、いつもそのように感じて仕事をしていました。そういった事を今回はお二人に正直にぶつけさせていただきました。

お二人の役割や活動内容を教えてくださいました

まずは土畠先生からは、北海道教育委員会及び、札幌市教育委員会が体制を作っている「サポート医(指導医)」という役割について紹介してくださいました。実際に何校も学校を訪問し、子ども達が学んでいる様子や、学校でのケアの様子を見た上で、医療的ケア児に関わっている教員や看護師からの相談に対応しておられるお話を聞かせていただきました。

次に南條先生からは、大阪府教育庁が体制を作っている「医師講師(アドバイザーの医師)」という役割について、南條先生自身の具体的な活動を通してお話をしてくださいました。学校の「全体研修」での講師を務める事あるという事で、教員や管理職の先生にも理解を深めていただく役割も担っておられるとの事でした。

お二人とも、とてもわかりやすい資料を使って説明をしてくださいました。特に、「サポート医」「医師講師」の学校や教育委員会など行政との関係性や、学校への訪問が実施されるまでの流れ、など、学校における医療的ケアの実施体制における医師の役割や立ち位置を図で示してくださいました。

「学校で働く看護師」と「学校の外にいる医師」という、互いに所属する組織が異なる、医師と看護師が、一人の子どもを挟んで、どのような経路をたどれば、その子の話ができるのか?については、看護師も医師も、正直あまり良く理解ができていない場合も多いと思います。

今回のように、お二人の先生方から、体制や関係性を整理したお話を聞かせていただけた事は、つながるかい の皆さんには、それぞれ自分の職場の体制や職員同士の関係性と比較しながら整理をするヒントになったのではないかな、と思います。

対談テーマ①指導医には学校の看護師はどう見えているの?

お二人からのご説明をいただいたあとに、いよいよスペシャル対談に移りました。まずは私からテーマを出させていただきました。

一つ目は「指導医には学校の看護師はどう見えているの?」です。医師の先生方からは、学校の看護師はどんな印象なのだろうか?私自身がとても知りたかった事なのでお二人に投げかけてみました。

お二人とも、共通に、学校の看護師は「学校のルール」の中で、看護師としての役割を果たすために、指示書への記載内容を頼りに仕事をしている事が、実際に学校での子ども達の学びの様子や看護師の仕事の様子を見た事で、納得できる部分があったとの事でした。これは主治医として指示書を書いていた時には、全く気づかなかったとの事でした。

外から見ているだけでは、学校の看護師がどういった状況で仕事をしているのかよくわからないけれど、実際に学校で見てみると、「学校のルール」や「学校独特の感じ」が、看護師の仕事に大きく影響をしている事が理解できた、というお話がありました。

対談テーマ②指導医と主治医が意見や方針が異なる時はどうするの?

二つ目のテーマは、医療的ケア児の関係する医師同士の連携について、つっこんで質問をしてみました。

お二人とも、主治医ではない立場では主治医の指示書を書き換える、と言う事は絶対にしてはいけない事だという認識の上で、指示書の内容によっては「これは学校ではちょっと厳しいかも…」と思う部分があれば、状況に応じて学校へのご理解を、自分の役割を主治医に説明した上で、直接お願いする場合もある、との事でした。

南條先生からは、専門医療機関の主治医から在宅医の方に学校への指示書の記載についても、その役割を移行していただけていると、在宅の主治医として学校の状況を理解した上で、指示書作成ができる、と考えている、というお話もありました。

これも、やはり指示書を書く医師が、学校の状況や教育活動の様子についての理解がどの程度あるのか、という事に影響される事だと、私は感じました。指示書を作成する主治医が実際に学校に来ていただき、子どもの様子を見てくだされば、主治医と指導医の意見が異なる、というような事は起きにくいだろう、と思いました。

参加者全体で意見交換もしました

医療的ケア児に関係する医師同士の連携という事では「学校医」も連携の輪に入っていただく事も重要というご意見もあり、そこを受けて南條先生からは、ご自分が担当する学校については学校医の先生とも情報を共有するように心がけている、というお話も聞かせていただきました。

また、土畠先生や南條先生のような役割の医師を、自分達の学校や自治体に、どのようにすれば制度として構築する事ができるのだろうか?というご質問もありました。お金の問題、人材の問題など、自治体によって事情は大きく異なる事なので、ひとつの方法だけで、どこの自治体や学校でも通用する訳ではないですが、先生方のご経験を聞かせていただく事ができ、大変参考になる情報を得る事ができたと思います。

サテライトキャンパスの教室をお借りしました
奥の緑の部分は「てんのうじどうぶつえん」です

まとめ

今回の研究会は当初は2時間30分の予定でしたが、話が盛り上がってしまい、15分終了時刻をオーバーしてしまいました。

しかし、お二人のゲストからは本当に貴重なお話を聞かせていただく事ができましたし、オブザーバーの先生も入っていただいた意見交換では、かなり沢山のヒントが詰まった意見交換になったと思っています。

今回は、北海道と大阪という異なる地域のお二人の小児科医の先生のお話でしたが、私の事前の予想に反して、これだけ距離が離れているにもかかわらず、お二人のご意見には共通する部分が多かった事に、私自身、良い意味で予想が裏切られ、とても学びの多い濃厚な時間になりました。

参加してくださった皆さまも3時間弱という長時間にも関わらず、熱心に意見交換に参加をしてくださいました。

今回は、土畠先生、南條先生のお二人が沢山助けてくださった事で、何とか無事に4回めの研究会を終える事ができました。本当にありがとうございました!

つながるかい のメンバーの皆さんと賛助会員の方々には後日、動画のアーカイブ配信もさせていただきます。

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