保育所や幼稚園で働く看護師さんのお話を伺う機会がだんだんと増えてきているように感じています。
先日も公立保育所で働く看護師さんにお目にかかる機会がありました。
その保育所がある自治体では医療的ケア児の在籍の有無に関わらず保育所に看護師を配置していて、主には養護教諭的な役割を部分的に担当しているそうです。。
今回お話を聞かせてくださった看護師さんも保育所での保健室業務に加えて医療的ケア児への医療的ケアの実施を担当しているとの事でした。
子ども達全員の保健管理の一部に医療的ケアの実施がある感じです
保育所や幼稚園での医療的ケアの実施体制は自治体毎に異なります。
今回お目にかかった看護師さんが勤務する自治体では、保育所での看護師の役割として保健室業務がもともと設定されているそうです。
そのため医療的ケア児への対応はもともとの看護師業務の一部という捉えになっているようでした。
医療的ケア児に限らず、他にも様々な個別の配慮や支援が必要な子どもがいるので、それぞれの担任と情報共有を丁寧に行いながら、個々に応じた健康管理をしているとの事です。
もちろん医療的ケアの実施の部分については主治医からの指示に基づき看護師として実施しておられますが、保護者との情報共有や連絡相談などは基本は担任を窓口としていく事で、子ども達全体への関わりができているようでした。
幼稚園は養護教諭が配置されている場合もあると思いますが、保育所においては看護師を配置し養護教諭的な業務を担う体制をとっている自治体は他にもあります。
そして、今回お話を聞かせてくださった看護師さんが勤務する自治体のように、配置している看護師が医療的ケア児への対応も加えて担当しているというパターンもありますし、自治体によっては医療的ケア児への対応が加わる事をキッカケに看護師を増員するパターンもあります。
通常の保健室の業務に加えて、毎日確実に実施する医療的ケアへの対応は看護師一人でも可能なのかどうか？については、保育所の規模や、子ども達の総人数、あるいは他の子ども達への個別の配慮や支援の内容などなどを総合的に考えた上で、自治体毎に看護師の配置人数が検討されていると思います。
学校においては養護教諭の職務内容は非常に多岐にわたる上に、一般的には子どもの人数も保育所より学校の方が多く、また校内の施設面積も広いため、学校での医療的ケアの実施については養護教諭とは別に看護師を配置する、という体制になっています。
他の保育所の看護師とも情報交換しています
この自治体では保育所配置の看護師同士が定期的に集合して研修を行ったり情報交換をしているとの事でした。
今回お話を聞かせてくださった看護師さんも他の保育所の看護師との情報交換の中で、医療的ケア児への対応方法や、保育所内の体制を整えていったとおっしゃっていました。
公立・私立に関係なく、保育所で働く看護師同士が情報交換ができる場として随分以前から実施されているそうです。
そこでは流行している感染症の事や嘱託医さんとの連携の事なども話題になるようです。
同じ立場の看護師同士が横に繋がっている体制がある事は保育所で働く看護師にとっては大変心強いと思います。
その看護師さんは、今後医療的ケア児が増えていった時の事などもイメージして情報収集もしておられるとの事で、先を見通したお仕事をしておられました。
まとめ
今回お目にかかった看護師さんからお話を聞かせていただいた事で気づく事がありました。
まずは、もともと保育所には看護師が配置されている自治体である事により、園長先生を含む保育士の皆さんは看護師と一緒に勤務をする事に慣れた状態だった、という事が、看護師と保育士との連携が上手くいった理由のひとつだろうと感じました。
さらには、この看護師さんは他の子どもにも対応する日々の一部に医療的ケアの実施がある、という捉えになっているので「保育所の対応としての妥当性」を考える時には、保育所全体のバランスを考えながら保育士さんと一緒にアセスメントができている、という事がこの方の素晴らしいところだと感じました。
まさに保育所の中に病院の看護をそのまま持ち込むのではなく、保育所らしいアセスメントが自然にできているスゴイ看護師さんに出会う事ができました。
保育所や幼稚園で働く看護師関係の過去のブログ👇
👉「幼稚園の中にも医療的ケア児の成長を支える看護師さんがいます」https://nurse-fight.com/nurse-youtien/
👉「公立の保育所で働く看護師の方々と意見交換をしました」https://nurse-fight.com/nurse-hoikusho2/
