在宅医療で看護を実践しておられるベテラン看護師さんの方々と意見交換ができました

病院や施設ではなく、患者さんのご自宅で看護を実践しておられるベテラン看護師さんの方々と意見交換をする事ができました。

患者さんのご自宅で行う看護の制度については大きく分けると「訪問看護」と「訪問診療の同行」があります。今回は小児の受け入れをしている訪問看護ステーションの看護師さんと、小児の訪問診療をしている診療所の看護師さんのお話をそれぞれ聞かせていただきました。

お二人とも学校で働く看護師にとっては同じ地域で働く看護師同士お互いに「顔の見える連絡」が取り合える関係性を構築したいと思う方々です。

目次

小児の訪問看護に携わりたい!と思って入職

訪問看護ステーションの管理者として勤務しておられるSさんは大学病院での勤務を経て、小児の訪問看護に携わりたい!という思いで訪問看護ステーションに入職されたそうです。

学校で働く看護師の中には、訪問看護ステーションの経験がある方もいますし、学校での勤務経験を活かして訪問看護ステーションに転職される方もいるので、学校とは関連のある職域だと思います。

訪問看護ステーション全体の中でも小児に対応しているステーションは徐々に増えているとは思いますが、それでもまだまだ少ないという印象です。

医療的ケア児が学校に安定した体調で登校し教育活動に参加をするためには、家庭で体調を整えていただく事は大変重要な事です。訪問看護師さんが自宅での体調管理に関わってくださる事で、子ども達は安定して登校ができるし、学校ではしっかりと学ぶ事ができると思います。

訪問看護は毎日かなりお忙しいというお話で、看護師確保については学校と同様にかなり厳しい状況である事も伺いました。

今は看護師養成課程の段階で訪問看護ステーションでの実習もあるので、新人看護師の入職も踏まえて小児の訪問看護の魅力を発信したいとおっしゃっていました。

まさに学校での看護も同様で、学校での看護の醍醐味や魅力を発信する事が学校での人材確保につながると考えます。

訪問看護と学校での看護の目的の違いをきちんと整理しつつ、それぞれの立場で学校と在宅の看護師同士が普通に直接連絡が取り合える関係性になればいいな💕と感じました。

訪問診療での看護では地元の様々な関係機関の役割を知っておかないといけない

もうひとり、小児の訪問診療をしている診療所の看護師Hさんからもお話を聞かせていただきました。

医師による自宅への訪問診療に同行し診察の補助をするのが主な業務ですが、患者さんやご家族のお話を聞いて、必要に応じて関係機関に繋げるという事も大事な役割となっているそうです。

その役割を果たすためには、地元の関係機関のそれぞれの役割や互いの関係性などの情報を常にアップデートして持っておく必要があるとの事で、高いマネージメント力が求められるとの事です。

小児の場合は就学前から学校に関する相談を保護者から受ける事も多いそうです。

訪問診療への同行として、医師とともに患者さんの自宅を訪問されるのですが、保護者からの相談に対応する役割は、医師の診察や自宅での治療行為を行う場面の延長線上に生まれるようです。

「小児の場合は保護者さんの話を丁寧に聞いて整理し、そして他の関係機関の人ともうまーくやり取りができる、という事が大事なんですよね…」とおっしゃっておられました。

単なる診療の補助業務だけではなく、診察の中で出てくる大事な話をきちんとキャッチして、的確に繋げていく、というとても高度なマネージメントをしておられるというお話に私もあらためてこの仕事の重要性を知る事ができました。

訪問診療の看護師さんとは本来であれば、自治体の就学相談のしくみや、学校での看護師の役割、さらには学校で子ども達の学び方などについても情報を共有をしていく事が重要だなと感じました。

まとめ

病院や施設以外にも様々な場所で多くの看護師が活躍しているという事は今まで何度も触れてきました。

学校で働く看護師もその中に含まれるのですが、そういった様々な場所で働く看護師同士が横の連絡が取り合える体制ができ上がっている地域は少ないという事も何度か触れました。

場合によってはひとつのケースを通してお互いの存在を知る機会もありますが、そのケースのやり取りがなくなってしまうと連絡を取る理由もなくなってしまう、というのが実態だと思います。

病院や施設あるいは放課後デイサービスも含めて、それぞれの場所で各自が自分の持ち場の看護の目的にそった実践をする事は当然重要な事です。

しかし例えば、たまには同じ地域で働く看護師同士がお互いに「いつもとは違う持ち場」を「ちょっと体験してみる」とか「ちょっと覗いてみる」というような事ができれば、自分の持ち場に戻った時に上手くお互いを活用し連携ができるのではないかな?と今回のお二人のお話から感じました。

もちろん日々の業務が大変忙しいですし、報酬制度に直結する業務が優先なので、そういった事は容易ではないのはわかっていますが…💦

様々な持ち場の看護師同士がお互いの持ち場の魅力を発信しあえるような明るい未来が来て欲しいし、そうなる事で良い感じで地域での看護師同士が横につながれるといいな~✨と思いました

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