第11回日本小児在宅医療支援研究会に参加をしました。ランチョンセミナーでは、私が兼業で所属している医療法人財団はるたか会での取組みについて紹介させていただきました。限られた時間だったので「学校」というところが看護師が働く職場として当たり前の場所になっている未来を目指して、検討していきたい内容を中心に説明しました。
この研究会では医療的ケア児だけでなく、障害児や、病気とともに生きる子ども達を支援する取組が沢山発表されていて、「学校での医療的ケア」も様々なところで触れられていましたので、学校については、皆さんの関心が高いという事をあたらめて実感しました。
医療的ケア児への支援に関する海外からの発表がありました
午前中のシンポジウムでは、海外での医療的ケア児支援という事で、アメリカ、カナダ、EU(ヨーロッパ)、韓国における支援体制の紹介がありました(日本語通訳があったので助かりました💦)。沢山のデータに基づく説明がありましたが、日本における医療的ケア児を取り巻く環境と、海外の環境とでは、かなり違いがあるという事がわかり、大変に勉強になりました。
私は以前に、日本の新生児医療のレベルは世界一で、海外からも治療を受けるために日本に来る方もいるとどこかで聞いた事があったので、今回のシンポジウムであらためて日本のレベルは高い!という事を実感しました。
どうすれば看護師は学校で安定的に働く事ができるのか?を中心に話しました
看護師を探しているけど、学校で働いてくれる人が見つからない、あるいは看護師が退職してしまった後の欠員が埋まらない、という話を私は良く聞きます。何故見つからないのか?何故定着しないのか?今回私が発表の機会をいただきましたので「どうすれば看護師は学校で安定的に働く事ができるのか?」を柱にして皆さんに発信をしたいと考えていました。
当然、全ての学校で看護師が定着しない訳ではありません。看護師が安定して働いている学校は沢山あります。色々な地域の学校の看護師の皆さんと意見交換をさせていただく中で、看護師が安定的に勤務を続けられている学校には、そうなっている事を裏付けるちゃんとした理由があります。つまりそこに、看護師が学校で安定的に働けるようになるための重要なヒントがあると私は思っています。
今回は私が法人の調査業務として、各地の学校に伺い看護師の皆さんから、学校で働くためのコツや教員との連携方法のスキルを教えていただいく中から、多くの看護師に共通しているスキルについて紹介をささていただきました。この共通するスキルが、看護師が定着するためのヒントにつながると思っています。
研究会後半の市民公開講座では日本看護協会のご発表もありました
医療職や福祉職が中心のご発表が続きましたが、最後には無料の市民公開講座もオンラインとのハイブリッドで行われました。
2023年4月1日にスタートするこども家庭庁の構想について内閣官房の方からの説明もあり、とても勉強になりましたが、私としては、日本看護協会から「医療的ケア児支援における看護師の役割」というご発表があった事は、学校で働く看護師の皆さんにとっては、とても大事な事だと思いました。
看護師の働き方や働く組織や領域が多様化しているという事で、都道府県の看護協会にあるナースセンター事業の周知や活用の推進、そして「小児在宅移行支援指導者育成研修」の取組の紹介、さらには、日本看護協会から文科省への要望書として「学校で医療的ケアに関わる看護師等の確保」に関する要望についての紹介もありました。
日本看護協会広報部 文部科学省初等中等教育局へ要望書を提出👉https://www.nurse.or.jp/up_pdf/20210419102733_f.pdf
まとめ
私は今回この研究会に参加した事で、あらためて、【学校教育】の分野で働く看護師の役割は、医療機関や福祉施設、在宅医療の分野で働く看護師の役割とは異なっている!という事を認識する事ができました。
医療や福祉の制度とは異なり【学校教育】は全ての子ども達が受けます。医療的ケア児だけが学校にいるのではなく、色々な子ども達が学校で学んでいます。子ども達が教師の指導により学び成長していく【学校教育】を支える看護について、その看護の専門性を、これからも色々な場面で発信していきたいとあらためて感じました。