兼業先の法人のお仕事として「指導的役割を担う看護師研修」のご依頼を自治体の教育委員会の方からいただきましたので、4月に着任されたばかりの看護師さんにお目にかかって色々お話を聞かせていただきました。
3月末まで医療機関で勤務しておられた方だと事前に伺っていたので、職場環境の変化や業務内容の違いをどのように捉えておられるか聞かせていただくところから始めました。
私に依頼をしてくださった教育委員会の担当者様も一緒に今回の研修に参加し「学校の組織」や「担任の役割」などについて説明をしてくださったので、とても中身の濃い研修になりました。
文科省の資料を参考に内容を組み立ててみました
今回ご依頼くださった自治体は指導的役割を担う看護師さんを対象とした研修をはじめて実施するとの事だったので、内容の検討のところからご担当者様と一緒に考えさせていただきました。
こういったご依頼をいただく時は私は文科省ホームページに掲載されている「指導的役割を担う看護師に求められる研修の全体像(案)」を参考に内容を組み立てるようにしています。
指導的役割を担う看護師は校内において看護師チームのリーダーとして体制を整備したり、あるいは多職種・他機関との連絡調整をする事などが役割として求められます。
そういった役割を担うために必要な「能力」がこの資料の中には示されていますので、求められる能力をつけていく事を最終目標として内容を組み立ててみました。
学校の1年間をフォローできるとお互いに安心
教員は医療機関の医療職とは異なり4月から3月までの「1年間」という単位で子供たちの成長を捉えているという事は学校で働く看護師にとっては大事な知識だと思います。
今回、教育委員会の担当者様より「担任の役割」について丁寧に説明をしていただけた事はとても良かったと思います。
「4月の担任は自分のクラスをこれから1年かけてこんなクラスにしたい!と思ってクラスの子供たちを見ています」というお話は、教員の専門性を上手く表現していると思いました。
担任は「子供たちの1年後の姿をイメージしている」という事と「クラスという単位で集団づくりをイメージしている」という事は看護師にとっては新鮮な感覚だと思います。
今回研修を受けてくださった看護師さんははじめは「??」という表情でしたが、教員と看護師では当たり前だと思っている「スピード感」がそれぞれに違うという事は伝わったと思います。
学校の1年間は様々な行事や教育活動が計画されているので、1年を経験してみる事でやっと「学校を一通り体験できたかな」という感覚になります。
指導的役割を担う看護師さんをフォローさせていただく体制は1年間継続するほうが、その看護師さんも私もお互いに安心ですよね…というお話もさせていただきました。
まとめ
指導的役割を担う看護師に対する組織の期待はとても大きいと思います。
私は指導的役割を担う看護師は「医療」と「教育」を繋ぐ通訳的な存在であるべきだと捉えています。
今回関わらせていただく看護師さんが1年かけて学校の中で通訳の役割を果たしていただけるようにしっかりサポートしていきたいと思います。