子ども達の夏休み期間は、各地の学校では教職員向けの研修が色々開催されていると思います。学校で働く看護師対象の研修会も夏休み中に実施するところが多いと思います。今回は島根県教育委員会が主催する学校看護師連絡会の研修会に講師として参加させていただきました。ここの研修会も、本来であれば久しぶりの集合での開催予定だったのですが、残念ながら全員がオンラインでの参加に切り替わりました。
この研修会については、私は昨年度に引き続き２回めの参加で、今年こそは皆さんにお目にかかれると思って期待していたのですが、画面越しの再会になってしまいました。しかし、昨年度もお話をさせていただいた方々のお顔と声を、小さくても画面の向こうで確認をする事ができたので、お互い元気に、この１年間お仕事を続ける事ができている事に、まずはホッとした気持ちになりました。
学校における【看護目標】ってどう考える？
この研修会は、県立特別支援学校で働く看護師の皆さんが対象の研修会です。島根県では毎年研修を企画する当番校を決めていて、県の教育委員会担当の方がアシストしながら、当番校の学校の看護師さんを中心に、看護師さん自身で、どんな研修にしたいか？何をテーマにしたいか？という事を考えて取り組んでおられます。
今年度は学校での【看護目標】はどんな感じで考えたらいいの？という事を、みんなでシェアしたい、という皆さんからのご要望をもとに、研修を準備するところから私も一緒に参加させていただきました。
研修会の打ち合わせでは、皆さんから色々なお話を聞かせていただきました。特に【看護目標】については、学校で対応する医ケア児について、看護師としては、その子の疾患から想定される「注意すべき点」を中心に置いて、看護を実践しているけど、学校教育という観点で考えると、そういった捉えだけでいいのかな？という疑問もあり、どんな視点で考えたらいいのか？を学校間での交流の中で情報交換がしたい、というお話がありました。もう、この打ち合わせの段階だけで、良い感じだな～と思いました。
そこで、打ち合わせには県の教育委員会担当の方も参加してくださっているので、私は「学校教育における子どもの学び」についてのお話を教育委員会から聞かせていただくのも、この【看護目標】を考えるには大切な事だと思い、提案をさせていただきました。私にとっては、当番校の看護師さんと、県の教育委員会担当者さんとの打ち合わせだけでもかなり充実した時間になりました。
「自立活動」について理解を深めてから【看護目標】について考えた
研修会には、対象校全ての学校から看護師さんがオンラインで参加してくださいました。おそらく、校内の情報教育担当の先生などに色々助けていただきながら、できるだけ一人１台の端末が用意できるように工夫をしてくださっている感じが、画面越しに伝わってきました。これも県の教育委員会担当の方が前日に接続の練習などをキチンとしておいてくださった事で、本番は上手くできたと思います。
打ち合わせで話したとおり、まずは、県の教育委員会担当の方が「自立活動の指導について」を説明してくださいました。私も一緒に聞かせていただき大変勉強になりました。県として公開している自立活動に関するとてもわかりやすい資料も提示してくださいました。
その後に、私から【看護目標】をどのように考えていけばいいか？を中心に説明をさせていただきました。子どもの疾患だけに集中して考えるのでなく、担任の先生が考える「その子の学びの目標」とリンクさせて【看護目標】を考えていく方が良いのでは？という提案をさせていただきました。
まとめ
特別支援学校で勤務する看護師の皆さんにとっては「自立活動」の事は、既に十分わかっている部分も多いと思います。しかし、今回あらためて、担任である教員が、子ども達の状態を把握し、そこから課題を整理し教育的ニーズを抽出し、具体的な指導内容を設定するまでのプロセスについて説明をしてくださった事は、皆さんにとって大きな収穫になったのではないかなと思います。もしかすると、教員が指導内容を検討するプロセスの途中の段階に、看護師もチームの一員として参画する事ができたら、【看護目標】についても、その子の教育活動に添った形で考える事ができるのはないかな？と感じました。
あらためて、教える内容を一から組み立てていく「自立活動」という指導について理解を深める事は、学校で働く看護師にとっては、意義のある事だなと思いました。
島根県教育センター「自立活動ってなんだろう？」👉https://www.pref.shimane.lg.jp/education/kyoiku/kikan/matsue_ec/kyouiku_soudan/tokubetsushienkyouikusection/tokubetsushien1.data/jiritunandarou.pdf
