【指導的な役割を担う看護師】に求められる役割は?

今回も学校での医療的ケア実施体制における、指導的な役割を担う看護師について取り上げます。

指導的な役割(リーダー的な役割)を担っている看護師は、校内での様々な「困り事」に対して、看護師や教員から判断を求められる場合があります。

今回は、判断が難しい事例についても、丁寧に聞き取りをし、対応の方向性を示しておられる、実際に指導的な役割の看護師として活躍している方の、学校への巡回訪問業務に同行をさせていただく事が出来ました。

目次

指導的な役割を担う看護師とは?

そもそもこの「指導的な役割を担う看護師」とは何なのか?文科省の平成31年3月の通知文に記載されているという事は以前のブログでも紹介しました。

文科省が示す「指導的な役割を担う看護師の役割」については5項目示されています。

文科省ホームページ👉https://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/tokubetu/material/__icsFiles/afieldfile/2019/03/22/1414596_001_1.pdf

★外部関係機関との連絡調整★看護師等の業務調整★看護師等の相談、指導、カンファレンスの開催★研修会の企画、運営★医療的ケアに関する教員からの相談

こういった業務を行う看護師を、日々のケアを行う看護師とは別に配置した方が良い、という考えです。

医学的な内容だけでなく保護者への対応についてなど具体的な相談も受ける

今回、私が巡回訪問に同行させていただいた指導的な役割を担う看護師の方は、校内で勤務する看護師さんではなく、外部からのアドバイザーとして、学校からの求めに応じて活動をする、という運用方法でこの業務を担当している看護師さんです。そういった方法で指導的な役割の看護師を派遣しているところは、いくつかの地域で行われています。

私が同行させていただいた日も、学校からの依頼を受けての訪問なので、学校の医療的ケア担当教員や養護教諭、看護師が助言を受けたい内容について予め準備をしておられました。教員や看護師はそれぞれにメモなどを見ながら、順番待ちをしています。指導的な役割を担う看護師の到着を本当に心待ちにしておられる事が良くわかります。

質問内容も非常に具体的で詳細な内容でした。「こういった場面では、どうする?もし、こうなったら、これでいい?」「こういう返事だったら次はどう返す?」など、主治医や保護者に伝わりやすい説明のしかたなど、様々な内容を具体的に相談しておられます。

主治医にどのような言い方で質問すればいいか?というような、細かい文言まで一緒に考えて提案するなど、指導的な役割の看護師として、教員や養護教諭の相談内容をまずは傾聴し、共感しながら、提案できる内容を非常に丁寧に説明しておられる対様子には、私自身が学ばせていただく部分が多く大変勉強になりました。

校内体制やルールの見直しに関する相談も

校内の体制やルールは当然学校によって、それぞれに異なっています。その自治体のルールを基準に、学校のルールを作成し運用しているところが多いと思います。しかし、その年の校内の人員体制や、あるいは人事異動などをきっかけとして、見直しをしたい、という要望が教員や看護師から出てくる事もあると思います。

そういった、校内事情も含んだ内容についても、巡回訪問事業として来校する指導的な役割の看護師への相談となっているようです。

校内体制の見直しに関連する相談は、校内の組織や、それぞれの役割分担、他の教員への周知方法など、学校という組織や文化を理解した上でのアドバイスが必要になってきます。

教員の人事異動がきっかけで役割や体制の見直しの話が出てくる場合は、医療的ケア関連業務だけに限った事ではなく、職員同士の関係性など複合的な理由が根底にある時もあります。

そういった学校の体制やルールに関する相談の場合は、短時間の相談を受けた部分だけで行う助言だけでは限界がある、という場合もあると思います。

学校の文化や学校教育を踏まえた助言が必要

私自身の経験からも、教員からの相談については、その背景には学校という職場の文化が影響しているものもありました。そういった内容に指導的な役割を担う看護師としてアドバイスをする場合は、学校の文化や学校教育の意義などを理解した上で提案する必要があります。医療職の価値感のみでアドバイスをしても、教育現場においては現実的ではない提案になってしまう可能性があります。

そういった場合は、良く似た事例に対して、教員は通常などのように判断し対応をしているのか?などを逆に教員から情報をもらい、いわゆる学校という文化の中で良く行われる解決の仕方を、指導的な役割の看護師が習得していく、という方法もこの役割を担う看護師には必要なスキルだと思います。

教員や看護師が指導的な役割を担う看護師からアドバイスを受けたい内容は、容易に解決できる内容ばかりではありませんし、安易に方向性を示してしまうと、かえって学校の文化に馴染まず、状況がむしろ混乱する原因を作ってしまう危険性もあると思いますので、慎重な判断が必要です。

まとめ

指導的な役割を担う看護師は「医療」と「教育」の間で働く「通訳者」だと私は捉えています。看護師ですから当然「医療職」なのですが、指導的な役割を担う看護師は「学校の文化」や「学校教育」を最も理解している「医療職」であり、教員の言葉を看護師や医師に通訳できる能力が必要だと思います。同時に「医療職」がアセスメントした内容について、教員の理解が得られるように丁寧に説明できる能力も必要です。

子ども達が豊かに学ぶ事ができる環境を作りたいという思いは、看護師も教員も同じです。双方の思いが共通している事を指導的な役割を担う看護師は常に意識しながら、看護師と教員が一緒に働いているからこそ、その効果が単に【 1+1=2 】ではなく、もしかすると【1+1=5】になるくらいの、良い効果を倍以上に増幅させる事ができるスキルを持った、指導的な役割を担う看護師の人材が増えて欲しいと思います。そしてそういった育成が進み、全国の医療的ケア実施校に指導的な役割を担う看護師が隅々まで配置されている未来が来て欲しいです。

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