医療的ケア児の保育について保育士の方々の研修を聴講させていただきました

保育所における医療的ケア児への対応についてもNurse Fightにご相談をいただく事があります。私自身は保育所で勤務をした経験はありませんが、前職で小学校での医療的ケアの業務を担当していた時には、保育所との連携はとてもとても重要な業務だと捉えていましたので、その時の経験を元に、一緒に考えさせていただいています。

今回、医療的ケア児の保育について保育士の方々の研修会を聴講させていただく機会があり、保育士の皆さんの専門性について、ほんの一部ではありますが、学ばせていただきました。

目次

医療的ケア児にとっての「保育所」と「学校」の違い

「保育所」と「学校」の違い、と一口に言っても、沢山あると思います。それは医療的ケア児に限らず、どの子どもにとっても同様ですが、医療的ケアを実施するという部分においては、医療的ケア児特有の「保育所と学校では違う」という部分はあると思います。私は、その違いのひとつに、子ども達の「生活の場」の違いがあると思っています。

保育所では医療的ケア児と他の子ども達は同じ空間で生活をしています。もちろんその日の医療的ケア児の体調や、保育内容によっては、別の場所で過ごす場面もあるとは思いますが、基本、同学年の子ども達は医療的ケア児も含めて、同じ場所で一日を過ごしていると思います。

それに対して、学校は医療的ケア児と他の子どもが別々の場所で学ぶ時もあります。学校においては、子ども達の学びの場(生活の場)はその子の個別の教育的ニーズに合わせて、他の子ども達と分かれる場合があります。もちろん、他の子ども達と同じ場所で学ぶ時間もありますが、小学校の特別支援学級や、特別支援学校の小学部で学ぶ場合は、子ども毎に学びの場が設定されますので、学ぶ内容によっては同学年の他の子ども達とは別の場所で過ごす場面もあるので、おそらくこの部分が保育所と学校の違いのひとつではないかなと思います。

今回の研修会で、保育士さんの医療的ケア児の保育についての考え方を伺っていると、保育士さんは常に医療的ケア児も含めた子ども達を集団全体として捉えている、という事が良くわかりました。医療的ケア児の個別性について、周りの子ども達がどのように受け止めるか?子ども達の疑問に大人はどのように対応するか?周りの子ども達の気持ちを大人としてどう受け止めるか?というお話を私は大変興味深く聞かせていただきました。

保育士の専門性は教員の専門性と共通する部分がある

学校で働く看護師と保育所で働く看護師にはおそらく共通する役割があると思います。もしかするとその課題についても共通する部分が多いのではないかな、とも思っています。学校の看護師と保育所の看護師は共に、日々多職種と連携し、互いの専門性を活かして子ども達のケアに当たっている、という部分が共通する部分ではないでしょうか。

更に、今回保育士さんの研修を聴講させていただいた事で、保育士の専門性と教員の専門性にも共通する部分がある事に気づきました。

保育士さんも学校の教員と同様に、自分のクラスの子ども達一人一人のニーズを捉え、個別での対応も考えるとともに、それぞれにニーズが異なる子ども達を、「クラス」という複数の子ども達が一緒に過ごす集団の中に位置づけて、子ども達を集団の中で育てる、という視点で保育をしておられる事もわかりました。

「子ども達は一人だとできない事もあるけど、みんなと一緒だとできる事もあります」という保育士さんのお話はとても印象に残りました。「一人だとできない」ことが「みんなと一緒だとできる」という、大人の感覚だと普通は逆じゃないのかな?と思うような子どもの姿や、一人一人の気持ちを丁寧に見極めて、集団の中で子ども達を育てておられるという事が伝わってくる言葉だと思います。

目の前の子ども達が成長し保育所を修了する時には、保育士さんは「この子にはこんな姿になって保育所を巣立って欲しい!」「こんな力をつけて小学生になって欲しい」という、子ども達の到達目標に向かって日々の保育をしておられるという事は、まさに学校の教員と同じだと思います。子ども同士の集団の中で子ども達は成長していくという視点で保育をしておられるという事がわかったことは、私にとって大きな収穫でした。

研修会ではこのようなイメージの資料を使って説明をしてくださいました

まとめ

医療的ケア児の保育においては、子どもにこんな姿に成長して欲しい、というイメージを保育士は看護師と共有し、お互いの役割と専門性をキチンと理解した上で、同じ方向を向いて協働している、という事例発表も聞かせていただく事ができました。

保育士が考える保育プランや子どもの到達目標を看護師が共有する事で、看護師は保育のどこを、どのように支えたらいいのか?どうすれば、子どもは目標に近づく事ができるのか?を看護の専門性を活かして一緒に考えて取り組む、という事は、まさに学校で働く看護師の「子ども達の学びを支える看護の実践」と同じだという事が今回の研修を聴講させていただき理解する事ができたので、本当に貴重な機会になりました。

近い未来で、保育所で働く看護師と学校で働く看護師の「看看連携」が日常的に当たり前に行っているという状況が現実になっていて欲しいと強く思います。

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