コミュニケーションの極意は押したり引いたり

 特別支援学校2校に続けて伺わせていただき、それぞれの学校で働くベテラン看護師さんからお話を聞かせていただくことができました。学校で働く看護師に求められる様々な力の中で一番大事なのは、コミュニケーション能力じゃないかな…という点が両校の看護師さんに共通していました。

 限られた勤務時間の中で、効率的に看護師同士や、看護師と教員が情報を共有するには、日常的な会話の中でも情報を伝え合うことを、看護師みんなが意識している、という点は両校の看護師の方々に共通していることでした。更に、翌日の勤務者と会えない場合であっても、記録から速やかに、そして確実に必要な情報を得ることができるよう、記録を書く側も、読む側も、負担にならない記録様式を工夫し、みんなが少しでも楽に取り組めるような配慮も意識しておられました。

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うちの看護師はみんな高いコミュニケーション能力をもっているんです!

 教員とのコミュニケーションを上手く行えるよう「看護師が教員の指導のじゃまをしない」「教員の指導計画を尊重した看護を実践する」という看護師の思いを教員側に伝えているとおっしゃっておられました。養護教諭や医ケア担当教員とともに、担任教員の指導を支える方法を一緒に考えるようにしている、とのことです。A校とB校、別々の学校で働く看護師さんなのに、教員が行う指導を大切にしておられるお考えはバッチリ共通していました。

 A校のベテラン看護師さんは「うちの看護師は全員高いコミュにエーション能力をもっているので、ほんとにみんな上手くやってくれるんですよー」と誇らしげな表情で話しておられたのが印象的でした。

A校ベテラン看護師さんは「話す相手や、話す内容によって、微妙に押したり、引いたりしながらのコミュニケーションは、マニュアルを読めばわかる、というものでもないですし…」

またB校ベテラン看護師さんも「教員とコミュニケーションをとっていくには、教員の指導の様子を見ると上手くいくこともあるんですよね…」

この微妙な押したり引いたり、きっかけを捉えたりする事が「うちの看護師はみんな出来るんです。凄いんです。」とのことです。ほんとにスゴイです。

もちろん、もともとコミュニケーション能力が高い方々だと思います。が、おそらく学校に入職してから、学校という職場でのコミュニケーションのとり方を知っていく時に、看護師皆さんが、そのベテラン看護師さんの「押したり引いたり」という匠の技を近くで見ているから、皆さんもその技を身につけることができたのだろうな、と私はお話を聞いていて感じました。

時々冗談も交えながら色んな事が話せる職場の雰囲気づくりが大事

 A校のベテラン看護師さんは、穏やかな話し方と落ち着いた雰囲気の方です。私は短時間お話をさせていただいただけですが、私自身も何となく気持ちが落ち着いたような感じになりました。きっと、この学校で一緒に働く皆さんも同じ感覚ではないかな、と想像します。

「時々冗談も交えながら、仕事の話だけに限らず、色々な話を日常的にしておく事が大事だと考えています」とベテランならではのコツを教えてくださいました。これは、急にやって出来ることではないと思います。日常の取り組みを積み重ね、時間をかけて、そういった職場の雰囲気を作ってこられた事は、素晴らしいと思います。私自身も自治体在職時の自分の仕事を振り返ると、反省させられる部分です…

担任との連携でケアのタイミングを決めます
短時間でも看護師同士の打ち合わせが大事です

教員の考えを上手く引き出し看護師間で共有することがリーダー看護師の大事な役割

 おそらく学校で働く看護師の中には「学校に入職した時には先輩看護師もいたけど、学校には看護師業務マニュアルがなかった」「以前からマニュアルはあるけど、改善されないまま何年も経っているので使えないマニュアルになっている」という方もいるのではないでしょうか。このように学校で働く看護師は、様々な課題に日々直面し、その都度、課題を整理し工夫を重ねていくなど、安定的に子ども達の学びを支える看護が実践できるように試行錯誤を繰り返していると思います。

しかし、人と人とのコミュニケーションについては、マニュアルやルールを整理するだけでは必ずしも上手くいかない部分もあると思います。

もちろんマニュアルやルールは必要ですし、その整備も大切な看護師業務ですが、マニュアルがあってもマニュアル通りしていない、などなど、次々と課題が増えていく場合もあります。

コミュニケーションは実際に様々な立場の人と話をしていくことで、そのスキルが身につく部分も多いと思います。学校という職場で働く看護師は、看護師の考えを教員に一方的に伝えるだけではなく、教員の考えを引き出すことや、聞き取った教員の考えを看護師同士で共有することを繰り返すことで、この微妙な「押し引き」のコツが習得されていく私は考えます。

 B校のベテラン看護師さんは、自分達看護師同士のチームワークの良さを嬉しそうな表情で私に話してくださいました。教員の取り組みを理解しようとする姿勢をどの看護師も持っていることで、子どもの達成感を教員ととも共有できていることが自分達の仕事のモチベーションに繋がっているとおっしゃっておられました。これは本当にスゴイ事だと思います。

まとめ

 今回お話を伺ったA校、B校のような風通しの良い職場の雰囲気は、マニュアルを準備するだけでは網羅しきれない「押したり引いたりのコミュニケーション」という匠のワザがあるから成立していると思います。こういったリーダー的な役割のベテラン看護師のワザを、今後どのように次の世代に引き継いでいくかも、これからの課題になってくるのではないでしょうか。

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