第13回Nurse@school研究会を開催しました

Nurse Fightの「つながるかい」の会員様を対象に開催をしているNurse@school研究会を昨日開催する事ができました。

これは「つながるかい」の会員様のためのオンライン研修で年3回開催しています。

Nurse Fightを応援してくださっている方々のおかげで13回も積み重ねてくる事ができました。

研究会では講師の先生をゲストにお招きしご講義をしていただくとともに、Nurse Fightを応援してくださっているオブザーバーの先生方にもご協力いただき、講師とオブザーバーの先生方と私とで意見交換をしながらテーマを深掘りしていきます。

今回は島根大学教育学部特別支援教育専攻の教授である藤川雅人先生をゲストにお招きし「自立活動の話をしましょう!」というテーマでご講義いただきました。

目次

「自立活動」って何だ?

「自立活動」という言葉は看護師にとっては耳なじみがない言葉です。

特別支援学校で働く看護師であれば勤務校の先生方の会話の中に「自立活動」という言葉が出てきたり、時間割の中に「じかつ」という表示があったりして、何となく知っている看護師もいると思います。

が、ほとんどの看護師は知りません。

平成元年に文科省委託事業として日本訪問看護財団が作成した「学校における医療的ケア実施対応マニュアル」の中に、学校において医療的ケアを実施する意義として「経管栄養や導尿等を通じた生活リズムの形成」や「吸引や姿勢変換の必要性など自分の意思や希望を伝える力の育成」という文言があるので、これを目にした看護師は学校では教育的な視点で医療的ケアを捉えていく事が子どもの成長発達には大事という意味なのかな??と何となく感じている看護師もいるだろうと思います。

ただ、ここには「健康の保持」や「心理的な安定」という記述もあって、これが学習指導要領「自立活動」の区分を例にしている…という書き方に、看護師としてはこれってどういう意味なのかな?となると思います。

この意味がパッと理解できる看護師ももちろんおられますが、おそらくそう多くはおられないだろうとも思います。

日本訪問看護財団「学校における医療的ケア実施対応マニュアル」https://www.jvnf.or.jp/katsudo/kenkyu/2019/caremanual_nurse_all.pdf
日本訪問看護財団「学校における医療的ケア実施対応マニュアル」18ページ

今まで「つながるかい」でも医療的ケアと自立活動の関係性については何度も話題にしてきました。

会員の皆さんが働いているそれぞれの学校現場で、具体的に医療的ケアと自立活動の関係をどのように捉えればいいのか?

会員の皆さんと一緒に「自立活動」に関する色々な資料を確認し意見交換をしてきた中で、藤川先生の「医療的ケア児に対する自立活動と個別の指導計画の活用」というレポートに私が出会った事が、今回ご講義を依頼させていただくきっかけとなりました。

今回の藤川先生の講義内容について会員の皆さまの理解が深まるように、先月のつながるかいビデオミーティングでは「自立活動って何だ!?」というトークテーマを設定し、自立活動に関する基礎的な知識や考え方について私と会員さんとで一緒に予習をしてから今月の藤川先生のご講義に望みました。

「個別の指導計画」を教員と看護師の連携ツールに…

藤川先生は「医療的ケア児に対する自立活動と個別の指導計画の活用」のレポートの中で「医療的ケア児の指導を充実させるには、教師はもちろんのこと、看護師においても自立活動を理解する必要がある。」と書いておられます。

なので、私は「つながるかい」で共有したい!と思い、会員の皆さんと一緒に読み、その後も何度か「つながるかい」の中で話題にしてきました。

今回藤川先生は、先生のご研究の結果に基づき医療的ケア児が在籍する学校においての教員側の自立活動についての認識などを詳しく説明してくださいました。

加えて、医療的ケアを自立活動の観点で捉え、子どもの自立と社会参加を目指した教員の指導内容について、具体的な事例を使って紹介もしてくださいました。

教員が医療的ケアを自立活動の指導として捉え計画的に指導し、スモールステップの目標に向かって子どもが出来る事が増え、自己肯定感や自尊感情が向上し子どもの成長が促される、という教員の指導のプロセスを、看護師が「指導計画」を通して共有する事で、教員も看護師もお互いのアセスメントを伝え合えるようになる事が理想ですね…というお話しもありました。

ただ、実際の学校現場では、教員と看護師が話し合う時間や機会がない…、あるいは、話し合う意義や目的が捉えきれていない…という実態がある事もお話しくださり、現実と理想の間のギャップはまだまだある💦と、あらためて実感できました。

まとめ

今回は私からの質問に対する藤川先生のご回答がとても明確で私自身モヤっとしていた事が晴れた部分があります。

それは、私が学校現場を訪問させていただく時に、学校の管理職あるいは教員から地域を問わず割と頻回に出てくる「医療のことは教員にはわからないから…」というフレーズについてです。

「教員はわからない…」の後には「看護師さんに任せる…」というフレーズが続くのですが、これは「それぞれに役割を果たしましょう」というニュアンスではなく「医療の事はまるっとお任せ」というニュアンスのほうなので、これが出てしまうと「でも連携は大事ですよね…」とは返しにくくなってしまいます…

この流れになってしまった時に「連携」につなげられるような返し方についてアドバイスをください💦と質問させていただいたのですが、藤川先生はシンプルで非常に適格なアドバイスをくださいました。

やはり学校における医療的ケアの事は「学習上・生活上の困難を主体的に改善・克服するために必要な知識や技能、態度及び習慣を養う…」という自立活動の意義や目的に立ち返って考えていく事が大事だと思いました。

今回のNurse@school研究会では、オブザーバーの先生方と講師の藤川先生との意見交換でも内容が更に深まっていきました。

更には会員の皆さんにとっては、それぞれの職場の状況を少し離れた位置から俯瞰して捉えてみる、という気づきにもつながっていて欲しいと思います。

今回の研究会も会員の皆さまには後から繰り返し視聴していただけるアーカイブ動画コンテンツを用意します。

当日ライブで参加をしてくださった会員様だけでなく、アーカイブ動画を視聴してくださった会員様からも感想やご意見をいただき、今後も「つながるかい」の皆さんと一緒に知見を深め合っていきたいと思っています。

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