医療的ケアに関する研修会や講演会などを受講できる機会がだんだん増えてきたように感じています。
職場研修として勤務時間の中で受講するものもありますが、自己研鑽として土日や夜間に個人の時間で受講するものなど色々な研修会が開催されています。
開催方法についても会場での集合研修もあればオンライン参加も可能となっているハイブリッド研修や、あるいはオンデマンド配信で各自が都合の良い時に視聴できるものもあります。
私は今月は受講者や開催方法がそれぞれに異なる4か所の研修会を担当させていただき、参加者の方々と意見交換をさせていただく事ができました。
福岡県医療的ケア児支援センター[Slope~子どもの育ちと学びを支える看護師の会]
福岡県医療的ケア児支援センターのSlopeという研修会は年間3回予定されていて、前回7月の第1回に続いて今回は第2回でした。
前回は会場参加とオンライン参加両方のハイブリッド開催でしたが、今回はグループワークを研修のメインとしたので会場での集合研修となりました。
受講対象は福岡県内の保育所、幼稚園、小・中学校、特別支援学校で働く看護師さんです。
今回は皆さんの職場で日々使っている「記録用紙」についてグループに分かれて意見交換をしていただきました。
どんな内容を書くのか?何故この内容を書くのか?あるいは書かないのか?
読みやすさは?保管方法は?などなど、それぞれの職場で使っている記録用紙について、他の職場の人に説明したり質問に答えたりする事で、今までは何となく?記録していた内容も、他の人に説明するとなるとあらためてその理由を考えたと思います。
「看護記録」としての機能を果たしているかな?教員や保育士という医療職ではない先生方が読んで理解できるかな?などをグループ内でしっかりと意見交換をしていいただく事ができたと思います。
日本訪問看護財団[小児訪問看護強化セミナー]
公益財団法人 日本訪問看護財団のオンライン研修「小児訪問看護強化セミナー~未来につながる医療と教育~」にも講師の一人として参加をさせていただきました。
これは主には訪問看護に携わっている看護職の方々が、全国からオンラインで受講できる研修です。
参加を申し込んだ方は当日ライブ参加もできるし、後日のオンデマンド配信も視聴できます。
朝から夕方までの一日研修にも関わらす、全国各地からライブで参加をしておられました。
私からは学校で働く看護師の役割や、学校の組織体制などを説明させていただき、訪問看護ステーションと学校とが組織的に連携していく事が、子ども達の学びを継続的に支える事になるというようなお話をさせていただきました。
石川県小児等在宅医療連携プロジェクト・いしかわ医療的ケア児支援センター合同研修会
石川県小児等在宅医療連携プロジェクト・いしかわ医療的ケア児支援センター合同研修会「医療的ケア児の育ちを支える~教育と看護の協働~」というテーマの研修会にも参加をさせていただきました。
これは石川県の小児科医療に携わる医師や病院看護師、訪問看護師、そして学校の看護師や教員、保育士、相談支援員さんなど医療的ケア児に関わる多職種が参加できる研修です。
こちらは会場参加とオンライン参加のハイブリッド開催でした。
看護師と教員が連携するための「個別の教育支援計画」の共有について、担任と看護師でどういった視点で意見交換をすればいいのか?という事を、会場で具体的な事例を通して特別支援学校の担任の先生と看護師さんから私に質問をしていただくというワークショップ形式で取り組んでみました。
準備の段階から石川県教育委員会の担当の方も関わってくださいました。
そして当日は「個別の教育支援計画」についての解説もしてくださった事で、医師からは教員の教育的な視点を始めて知る機会となったという感想もありました。
多職種の方々が学校教育について関心を持っていただく貴重な機会になったと思います。
西宮市教育委員会主催[看護師研修]
西宮市立の特別支援学校と小・中学校で働く看護師さんの研修会については昨年度に続いて今年度も講師を担当させていただく事ができました。
西宮市は市立の特別支援学校があり、看護師研修会には小・中学校で働く看護師さんと特別支援学校で働く看護師さんが一緒に参加をしてくださいます。
この研修会は職場研修なので勤務時間の中で開催され、タイトルのとおり看護師ための研修です。
昨年度に続いて2回目の参加の方と、今年度採用された方は初めて私の話を聞いてくださる方もいました。
始めに昨年度の復習を少ししてから、今年度の研修テーマとして教員と看護師との連携について日々の業務の中で具体的にどうすればいいだろうか?という事をここでも深掘りしてみました。
西宮市でも準備の段階から教育委員会の担当の方と相談する事ができたので、具体的な事例を作って話し合うこ事ができました。
まとめ
学校での医療的ケアや、学校の看護師について関心を示してくださる方がだんだん増えているように感じます。
今月私の話を聞いてくださった方々は、当たり前ですがおおざっぱに分けると「学校の中の人」と「学校の外の人」という事になります。
「学校の中の事」を「知らなかった…」「初めて知った…」という感想やご意見を伺うと「学校の中の事」を「学校の外の人」にもっと発信すべきだと感じます。
研修に参加をしてくださった「学校の中の人」も「学校の外の人」も職種が違っていても「学校の中」では医療的ケアのある、なしに関わらず、どの子も「担任の授業を受ける」という当たり前の事を中心に置いて、それぞれの職場で議論をしていただけるといいなと思います。