今年も日本看護協会神戸研修センター「小児在宅移行支援指導者育成研修会」の講師を担当させていただきました

私が日本看護協会の「小児在宅移行支援指導者育成研修会」で講師の一人として講義を担当させていただくのは今年で4年めになります。

この研修をはじめて担当させていただいたのは私が前職の自治体職員の時で、Nurse Fightを立ち上げた後も引く続き私に依頼をしてくださっています。

NICUやGCUを退院し自宅に帰る子ども達が成長し就園・就学する時の生活についても、退院を支援する看護師に少しでもイメージしていただく事が私の役割です。

今年の研修には全国各地の専門医療機関でご活躍中の92名の看護師さんがオンラインで受講していました。

目次

日本看護協会による小児在宅移行推進事業としての研修

日本看護協会の小児在宅移行支援指導者研修は2015年度の実態把握、2016年度の検討委員会などでの検討、そして2017年度から2019年度の試行事業を経て現在に至っている研修です。

私がはじめて講義の一部を担当させていただいた2020年度は本格実施の1年めという事になります。

研修の目的は「所属施設においてNICU等に入院する児の在宅移行を推進し、児と家族を支援することができる人材を育成すること。」で、参加している方は、総合周産期母子医療センターまたは地域周産期母子医療センターのNICU/GCU等に勤務している、又は勤務した経験がある5年目以上の看護職です。

プログラムの中には日本看護協会からNICU/GCUの看護職が在宅を具体的にイメージし病棟単位で標準化した退院支援ができるよう「小児在宅移行支援パス」と「(人材育成)教育プログラム」の導入についての講義もありますし、講義の日までにはあらかじめ訪問看護の同行訪問実習も行っておられます。

私にとっては全国の専門医療機関から選ばれた看護職の方々に聞いていただける貴重な機会なので、学校や幼稚園あるいは保育所で働く看護師の存在について毎年アピールをさせていただいています。

地元の看護師同士が横にも縦にもつながって欲しい!

この研修の準備が始まった2015年当時と今を比べると、世の中の状況は大きく変化していると思います。

もちろん新生児医療は年々進歩していると思いますので、人工呼吸器などの医療デバイスも進化し、家庭での暮らし方にも変化があると思います。

そして何より今は医療的ケア児支援法が施行されています。

「医療的ケア児等支援センター」は私が最初に講師を担当した2020年にはどこにも存在していなかった訳ですが、今回の研修に参加された方々は、専門医療機関の看護職として地元の「医療的ケア児等支援センター」に繋がっていく、という手段が増えているという事になります。

今回こども家庭庁からも医療的ケア児とその家族の支援に必要な基礎知識として医療・福祉・教育に関する様々な制度や都道府県・市町村の事業について沢山の資料とともに講義がありました。

世の中の変化に合わせてこういった最新情報について研修を通してアップデートしていく事はめちゃくちゃ大事です。

今は各地に医療的ケア児等支援センターが設置されているので、センターにアクセスする事で地元の最新情報がゲットできたり、あるいは地元の看護師同士が横にも縦にも繋がれるようなハブ的な機能にも期待したいな~と今年の研修を担当しながら感じました。

まとめ

この研修の参加者は日本の最先端の新生児医療が提供されている医療機関で勤務している(していた)方々ばかりです。

そういった専門医療機関から子ども達が退院した後、家庭での生活やその先の社会での生活の中で子ども達に関わる医療機関の外の看護師も今は様々な場所に沢山います。

医療機関の中にいる看護師と、医療機関の外の様々な場所にいる看護師が、子ども達の成長に合わせて必要に応じて対等な立場で横や縦に繋がっている体制があればいいなと感じます。

今回私は自分の講義の中で、医療機関の中にいる皆さんには是非地元の学校にも足を運んでいただき、医療機関を退院した子ども達が学校で学ぶ姿や、看護師が実際に働く様子などを見ていただきたい、とお話させていただきました。

そうする事で顔の見える看護師同士のつながりが生まれ、それぞれの現場で提供している看護についての情報交換を通してお互いの看護の目的について意見交換ができる場になればいいなと思います。

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