一般社団法人日本難病看護学会は、難病看護を中心とするケア、ケアシステム、福祉の研究を推進し、これにより、国民の健康な生活の確保に貢献することを目的とした学会です。過去の学術集会では、難病や障害のある子どもの看護について様々なテーマが取り上げられています。そして、今回は「子どもの学び」に焦点を当てた意見交換をされるとの事で、大阪信愛学院大学看護学部の阪上先生が私に声をかけてくださり、大阪大学大学院医学系研究科の研究室から、交流会に参加させていただく事ができました。
交流会のテーマは子どもの”学ぶ”を考える
今回私が参加させていただいた交流会のテーマは「地域で暮らす難病と障害のある子どもの”学ぶ”を考える~学校における医療的ケアの現状と課題~」です。コーディネーターの先生方より、今までの本学会での取組の流れについてのご説明があり、今回は、昨年度の医療的ケア児支援法(医療的ケア児及びその家族に対する支援に関する法律)の施行を受けて、学校に焦点をあてたという、今回の企画の意図についてお話がありました。
子ども達の学びを支えている看護師の役割の重要性
今回の私の役割は、学校で働く看護師の存在を知っていただく事だと考えましたので、まずは、映像で見ていただいた方がイメージがしやすいかなと思い、学校で働く看護師の事が紹介されている動画を冒頭に見ていただきました。その後に、国が示す通知文や法律の文言等を通して、全国での学校への看護師配置状況や、学校の看護師の役割について紹介をさせていただきました。特に今後の課題の部分では、学校で働く看護師の人材育成システムの構築が急務である事を述べさせていただきました。
次に、お母様からのお話がありました。地域の子ども達と一緒に学ぶ意義や、親としての思いや願いについて、地域の小中学校を卒業し、現在は高等学校に在籍しておられる医療的ケアを必要とするお子様のお母様です。特に、学校の看護師の存在を頼りにしてくださっている、というお話には、私自身とても嬉しく思いましたし、あらためて、学校で働く看護師の役割は重要で、子どもの学びを支える看護は、医療的ケア児だけなく、その子の周りにいる子ども達の学びにとっても、とても意義のある看護を実践している、という事を再認識する事ができました。お母様は、ご自分のお子様を通して、お子様の周りにいる、同じクラスの子ども達の様子や気持ちに寄り添った視点でお話しをしてくださいました。これは障害のある、なしに関わらず、子どもを育てる、どの親にとっても、とても大事なメッセージになっているなと感じました。大変貴重なお話を聞かせてくださり、本当にありがとうございました。
まとめ
オンライン開催という事で、聞いてくださった方々の様子は十分には把握できませんでしたが、学校で看護師が何をしているのか良くわからなかった方がおられたとしたら、ひとりでも、今回の交流会を通して、学校で働く看護師の存在を知っていただく機会になっていればいいなと思っています。
今後もこういった機会がありましたら、積極的に参加していきたいと思います。
日本難病看護学会ホームページ👉https://nambyokango.jp/