今月も月イチ開催の つながるかい ビデオミーティングを先日行いました。
つながるかい ビデオミーティングのトークテーマは毎月、学校で働く看護師だからこそわかる「狭くて深い」テーマを取り上げています。
今月は「学校での“与薬”のことあれこれ」をテーマにしてみました。
このテーマで話してみたら、色々なパターンについて情報交換ができました。
学校での与薬の事ならこの資料は要チェックです!
「与薬」とは「病気の程度やその症状に合わせて薬を与えること」で、 看護師の役割は「医薬品を医師の指示のもと正しく与薬するための確認や管理、服薬指導、直接的な与薬の実施、実施後の観察など」になります。
これは主には医療機関や施設で働く看護師の与薬のイメージですが、学校においても「医師の指示により処方された医薬品」を「直接的な与薬の実施」として行う事が必要となる場面があります。
もちろん学校では児童生徒が自分で服薬するケースも沢山あって、この場合は「直接的な与薬の実施」には該当しません。
直接的な与薬を実施する場所が「学校」の場合は、看護師としてはいくつかの資料をチェックしておくべきだと私は思っています。
それをまず会員の皆さんとシェアしたいと思い、資料を示しながらまずは私から説明をさせていただきました。
文科省のホームページから「医師法第17条、歯科医師法第17条及び保健師助産師看護師法第31条の解釈について」に書かれている内容を一緒に確認してみました。
行政文書なので馴染みのない言葉が並んでいますが、法律の解釈や通知文の内容を知っておく事は学校で働く看護師としては大事な準備だと思います。
では、こういった通知文を根拠に学校現場ではどのように運用していくのか?
参考になる資料としては岐阜県教育委員会が作成する「特別支援学校における 薬の取り扱いの手引き」はとてもわかやすいので、この内容を皆さんと一緒に確認してみました。
皆さんの職場ではどうです?
こういった資料をチェックした上で、皆さんの職場ではどういった運用になっていますか?という事をそれぞれに紹介していただきました。
会員さんは皆さんニックネームで つながるかい に参加しているので、ご自分の勤務校や自治体名は伏せて意見交換をする、というルールを私から会員さんにお願いしています。
そして、つながるかい の意見交換では、話している内容について「正しい」とか「間違っている」というような判断するものではないし、回答を導き出すものでもない、という事も確認した上で、皆さんと色々な話をしています。
こういったお約束を踏まえておいて、今回の学校での「与薬」について皆さんの職場での決まりごとを紹介していただきました。
皆さんの「与薬」の話はそれぞれに細かい部分まで微妙に違いがあって、学校の数だけ異なるルールがある、という感じです。
大きく分類すると、特別支援学校と小・中学校では「与薬」の運用にかなり違いがあります。
そして対象が看護師が関わっている「医療的ケア児」か、そうではないか、あるいは、「与薬」の頻度が「毎日」なのか、あるいは「臨時」や「必要時」なのか、といった事でもルールには違いがあるようです。
学校においては「与薬」する人が教員の場合、養護教諭の場合、看護師の場合など、それぞれに細かく分かれていて、それまでの様々な経緯や背景が、その学校のルールの根拠や理由となっている事が想像できます。
つながるかい の皆さんが今後それぞれの職場で看護師業務について考える際には、こういった構築までのプロセスや根拠を知った上で検討したり、話し合ったりする事が大事だなと感じました。
まとめ
学校で働く看護師は「医療的ケアの実施」を主な業務として学校で勤務しています。
そして各地の学校現場では、日々の看護師の業務については細かい運用のルールがあります。
特に学校での「薬」の取り扱いについては、看護師が捉える医療機関での「与薬」の感覚をそのまま学校に持ち込んでしまうと「違和感」になってしまう事もあります。
「薬」の事は学校では当然医療的ケア児ではない児童生徒についても関連する内容で、法律の解釈や国の通知文は特別支援学校だけなく、小・中学校の児童生徒においても共通なので、それぞれの学校には「今までのルール」があります。
いずれにしても医療的ケアの有無に関わらず「子ども達を中心に置いた学校らしいルール」に整備されていく事が理想ですね、というまとめをして今月のビデオミーティングを終了しました。
今回のビデオミーティングも会員さんはアーカイブ動画の視聴が可能なので、引き続きグループチャットのほうでも「学校での“与薬”のことあれこれ」についての意見交換を続けていきたいと思います。