今週も学校で働く看護師さん達からお話しを聞かせていただきました。
看護師さんに会うために学校に伺った時は、授業の邪魔にならないように廊下から子ども達が学んでいる様子を見学させていただける事もあります。
担任の先生が、その子の好きな事や出来るようになった事を教えてくださる事もあります。
教室に準備されている教材や教具がその子の事を細かく観察した結果で作られているという事や、その子が出来る事が増えていくにしたがってその教材が変化している事なども教えていただき、先生方の観察がすごく細かくて丁寧だなと感じます。
担任の先生の子どもの実態把握はとても細かい!
6月に入るので、特別支援学校や特別支援学級の先生方はそろそろ今年度の「個別の指導計画」を完成させて、計画に沿った指導の実践が始まっていると思います。
先日私が伺った特別支援学校でも、担任の先生が手作りの教材や教具を使って指導をしておられる場面を廊下から見せてくださいました。
担任の先生が子どもの状況をとても細かく観察し、実態を丁寧に把握しているからこそ、個別にカスタマイズされた教材や教具が出来上がっている事がわかります。
色々試しながら、指導のねらいにそったかたちでその教材が絶妙な形や長さになっている、と言う事も教えてくださいました。
担任の先生は、その子が得意な事、好きな事、集中できる事などを非常に細かく観察し丁寧に把握した上で、挑戦させたい事、頑張って欲しい事を目標に設定して指導をしておられる事が、先生のお話しからわかりました。
達成が難しい事をいきなり目標にするのではなく、ちょっとがんばれば出来そうな事を目標にして「出来た!」「出来るようになったね~💕」という成功体験を積み重ねながら、子どもの力を伸ばしていく指導の事を教えていただき、私は具体的にイメージする事ができました。
医療的ケアにつなげられる事もあるかも…
子どもの障害の状況や医療的ケアの内容にもよるとは思いますが、医療的ケアの手順の中には、子どもが教材を使って学んでいる事が応用的に使える事もあるように私は感じます。
例えば導尿であれば、カテーテルを取り出す時に「カテーテルの端っこを持って引っ張る」や「潤滑剤のチューブの蓋を外して転がらないように置く」というような手順の一部は、担任の先生が行う教材や教具での指導とリンクできる事もあるのではないかな…と思います。
おそらく「転がりやすい蓋を慎重にそっとテーブルに置く」のは難しい動作だと思います。
もし、医療的ケアの手順の中にその子への指導で似ている動作が入っているのでは?と気づく事があるなら「医療的ケアにその子自身が関わる」という目標も設定する事ができるのではないでしょうか…
その子が好きな物や得意な事を、部分的にでも医療的ケアの物品や医療的ケアの手順の中にも取り入れられるなら、その子も自分のケアに積極的に参加できている状況と言えると私は思います。
まとめ
朝の登校風景から見学をさせていただける時は、私は子ども達の表情を見るようにしています。
医療的ケアを必要とする子どもについては、授業が始まる前に担任の先生と看護師が一緒に健康観察や持ち物の確認をする時間がある学校もあります。
看護師さんは「おはよー🌞」と子ども達に声をかけテキパキと朝の確認をします。
先生と教室に移動し、クラスのみんなと一緒に朝の会に参加しているその子の表情を見ると、健康観察の時の表情とは微妙に違って「学校の時間が始まったぞ!」という何となくスイッチを入れた表情になっているようにも見えます。
そんな表情を見ていると、やはり先生の指導を受ける時間は子ども達の成長にとってとても大事な時間だと感じます。
担任の先生が細かく観察し、指導に取り入れている事は色々あると思うので、これを看護師にも共有していただき、看護師のアセスメントを更に深め、学校での看護実践にも取り入れていけるといいな…と思います。