今回は長野県にあります清泉女学院大学看護学部での、2年生の「小児期看護学演習Ⅰ」という授業の中でゲストスピーカーとして講義をさせていただきました。
80名ほどの学生さんが対象という事で、とても広い教室の中の後ろの方までズラーッと学生さんが並んでいました。
2コマ連続の授業でたっぷりと時間をくださいましたので、学校での医療的ケアについて説明させていただくとともに、学生さんからも自分の小中学校の時の体験や思いなどもたくさん聞かせていただき、私自身がとても貴重な経験ができました。
看護師は病院だけでなく学校でも働いているという事を紹介しました
看護学部の学生さんが学校の医療的ケアについて知る機会は少しずつ増えてきていると思いますが、これだけ沢山の学生さんが履修している科目の中で、学校の看護の事を取り上げていただける、というのは素晴らしい事だと思います。
学生さんの中には当然、医療的ケア児が学校で学ぶという事が全く想像もできない学生さんもおられるので、まずは、実際に特別支援学校や小学校で看護師が働いている様子を、写真や、公開されている動画など見ていただき、学校の雰囲気を感じて欲しいと思いました。
看護師は病院で働くイメージしかなかった学生さんにとっては、学校にも看護師の職場がある事自体はじめて知る機会になったと思います。
また、学生さんにとっては自分が小学生や中学生だった頃はつい最近の事なので、自分の小中学校の時の事も思い出していただき、自分と同じ学校には色々な子がいた事を少し話していただきました。
そして、学校で子ども達が「学ぶ」、という事を中心にして看護師が教員とともに協働している、という事を、いくつかの事例を紹介しながら説明させていただきました。
行政の通知文や法律の文言などは、学生さんにとっては聞き慣れないフレーズもあったと思いますが、学校教育は法律や国の通知文が元になっているという事も知っていただきたいと思い、文科省の資料なども紹介させていただきました。
養護教諭を目指している学生さんもおられました
今回の授業に参加している学生さんの中には養護教諭を目指す方もいるとの事だったので、医療的ケア児についての養護教諭の役割、についても、文科省の通知文を参考にしながら説明をしました。
実際に医療的ケア児が在籍する特別支援学校や小中学校の養護教諭の中には、「教員」と「看護師」の間の「橋渡し役」を担っている方もおられます。
養護教諭を目指す学生さんは、将来の配属校で看護師と共に働く可能性も十分にあると思います。
その時には、今回の授業で聞いた事を少しでも思い出していただけると、何か役に立つ部分もあるだろう思います。
これからの養護教諭の方々は、特別支援学校に限らず、幼稚園や小中学校や高等学校においても医療的ケアを実施している学校で勤務する可能性は今まで以上に高くなってくると思います。
その時のために、看護師と教員をつなぐ「橋渡し役」という役割を果たす事を想定した授業や実習などを、今後は大学教育でも取り入れていただけると良いのではないかと思います。
まとめ
学生さんには、学校で働く看護師と病院で働く看護師とは、看護の目的や役割が違う、という事を少しでも良いので理解して欲しいと思い、今回は学校教育に関する色々な資料を使って説明をさせていただきました。
学生さんの中には、自分が通っていた小学校での、配慮や支援が必要な子ども達と共に過ごした時の事を思い出してくださった方もいて、「その子と一緒に過ごしたから、その子の事が色々わかる事があった」という事を話してくださった方もいました。
医療的ケア児を含む子ども達同士のそういった学びを支えるために、看護の専門性を活かして看護師が学校で働いている、という事が学生さんに少しでも伝わっていればいいなと思います。
学生の皆さんには、大学で学んだ事を活かして、将来は様々な場所で活躍して欲しいと思います。
清泉女学院大学看護学部看護学科👉https://www.seisen-jc.ac.jp/uni/nursing/