今回は特別支援学校で働き始めて4年目となる看護師さんにお目にかかりました。
色々な思いを聞かせてくださいましたが、特に1年目の時に「学校で働く」という事を自分なりに捉えようと努力してこられた時のお話しは大変興味深い内容でした。
1年目はとにかく色々不安な事もあったけれど、「きっと担任の先生も気になる事や不安に感じる事もあるんだろうなと思ったので、ちょっとした事でも担任が気軽に看護師に話してくれる雰囲気を作ろうと思いました」と話してくださいました。
そこから今までの4年間で、少しずつ教員と看護師が上手く連携できる方法を工夫してこられたそうです。
「学校には子どもは教育を受けに来ているんだ」と理解できました
学校に入職当初は、今までの勤務経験とは全く違う職場に驚く事や、不安に感じる事の連続だったけれど、「ここは学校で、子どもが教育を受けるところなんだ」という事は1年目の時から自分の中では「早い時期にハッキリと理解できた」そうです。
看護師が「医療機関と学校とは目的が違う」という事を理解し、それを受け入れる、という事は、それまで医療機関で勤務をしてきた看護師にとっては、結構ハードルが高く感じる部分です。
しかし、今回お話を聞かせてくださった看護師さんは1年目の時から、担任との情報共有を繰り返す中で「子ども達は担任の指導を受けるために学校に来ているのであって、私(看護師)にケアをしてもらうために学校に来ている訳じゃない」という事がわかった、との事でした。
つまり、主役は担任と子どもなんだと気づき、そこから「担任に何でも聞くようにした」や、「担任からも何でも気になる事がある時は気軽に看護師に話してくれる雰囲気をつくるようにした」という行動をしていったそうです。
担任が安心して指導ができるように「看護師はちょこっと支える感じ、というイメージですね」と話してくださいました。
この方は1年目は学校にひとり勤務だったそうなのですが、「学校で働くコツ」を独自に獲得しておられていて、お話を伺いながら、本当にスゴイ方だと思いました。
だんだんとチームワークが良くなってきたように思います
学校勤務1年目で担任との風通しの良い関係性を作ってきたところから、2年目3年目と関わる教員も増え、養護教諭も異動で入れ替わる中で、それぞれの役割や立ち位置がだんだんと整理が出来てきたそうです。
新しく医療的ケアが開始される時の手続きの順番や流れ、あるいは主治医や学校医や保護者と連携する際の情報共有の仕方など、1年目の時は、どこまでが看護師の役割で、どこからから教員の役割なのか、ハッキリしないままお互いに探りながらやっていたけれど、振り返ると、今はそれぞれの役割や立ち位置がわかった状態で仕事ができるようになってきたと思う、とおっしゃっていました。
教員と看護師が、それぞれの役割を果たす事ができた時は「チームワークが上手くいった!」と感じる瞬間もある、との事で、ここが、学校で働く自分の「やりがい」に繋がっているとの事です。
学校での仕事には、子どもの成長を実感する場面や、あるいは行事に取り組む時間などを通して「教員と看護師の連携プレーが上手くいったね💕」と感じる瞬間がある、という事は、他の地域でもベテラン看護師さんからのお話にも出てきます。
始めは教員と看護師が上手くかみ合わない状況もあったとは思いますが、時間の経過と共にだんだんとチームが進化し、上手く「連携プレー」ができるところまでチームが成長してきたという事だと思います。
これは、おそらく、教員の方々も経験を通して看護師との連携のコツを掴んで来られた事も沢山あると想像します。
やはり、学校においてはどちらか一方だけが頑張るのではなく、教員と看護師は一緒に取り組む、という事がポイントなんだな~とお話を伺う中であらためて実感する事ができました。
まとめ
今回お話を聞かせてくださいった看護師さんご自身は、日々ひとつひとつの仕事を丁寧にやっておられます。
「体制を整備しよう!」とか「仕組みを作ろう!」というような目標を立てて取り組んでいる、という感じではなくて、日々の仕事の中で、「子どもを中心に」「教育を受ける」という事を意識して、教員と話し合いながら、コツコツと取り組んできた事が、結果的には時間と共に積み上がっていって「体制が進化している」という結果に繋がっているように感じます。
なので、ご本人は私と色々話す中で1年目と今を比較すると「そういえば私達は進化していますね!」と気づいた様子でした。
学校で働く看護師については、まだまだ解決すべき課題はあるとは思いますが、時々過去を振り返る機会を持つ事も大事かなと今回看護師さんと話した事で感じました。
年度末に向かって今までを振り返ってみたら、もしかすると新しい課題に取り組む時のヒントに気づく、というような事もあるかも知れないな、とも感じました。