先週末、大阪医療看護専門学校での私が担当する授業の最終回が終わりました。
３年生の「地域療養を支えるケアマネージメント」という科目の中の３回分だけですが、学校における医療的ケアに関する事を中心に学生さんにお話しをさせていただきました。
最終回では、グループに分かれて学校で実践する看護について話し合う設定にしたのですが、学校での勤務経験がなくても、学校での場面を想像し、教育の場に応じた看護について具体的に考えた事をしっかりと発表してくれました。
検討する場面は宿泊学習
もし自分が小学校で働く看護師だとしたら…という場面を想定し、担当している医療的ケアを必要とする児童が宿泊学習に参加するための「準備」について検討する、という設定でグループワークをしました。
学生さん自身が小学生の時に体験した景色を思い出し具体的に考えて欲しいので、今回は小学生の事例を作ってみました。
実際は子ども毎に医療的ケアの内容やケアの頻度によって検討すべき事は色々異なるのですが、今回のグループワークでは「学校で気管内吸引を必要とする小学校５年生の児童」についてブレーンストーミングのような感じで意見交換をしてもらいました。
もし自分が宿泊学習に同行する看護師だとしたら、当日までにどんな準備が必要だと考えるか…なぜその準備が必要と考えたのか…教員に依頼したい事は何か…という内容で話し合ってもらいました。
加えて、同行する看護師としてどんな看護を実践したいか…という事も考えてもらいました。
子ども自身の意見をきく
３年生という事もあると思いますが、学生さんの視点は既に看護師の視点になっている…と感じました。
安全に宿泊学習に参加できるように…ケアに使う物品は予備も含めて準備しておく、宿泊する施設について情報収集しておく、などなど、無事に宿泊学習を終えるためには「準備が大事」という事は学生さんも理解できていました。
そして、グループで出た意見がまとまったらGoogleフォームに入力していただき、全員で画面を共有しながら発表していただきました。
意見の中には「医療的ケアを必要するその子の意見を聞く」という内容もありました。
更には「事前の話し合いの場面に子ども達も参加していいのかな…」という意見も出ていました。
教員に依頼したい事の中には「一緒に宿泊学習に参加するほかの子ども達に教員から気管内吸引について説明しておく方が良いのでは…」という意見もありました。
大人が作った段取りで大人だけで進めるのではなく、子ども自身の意見を聞こう…という視点は素晴らしいと思います。
「子ども自身の思いを確認する」「子ども達と共有する」という大事な事を学生さんが捉えてくれた事で、私自身もあらためて「何のために看護師は学校で勤務しているのか…」という本質的な事をしっかりと捉えておきたいと思いました。
まとめ
もし自分が宿泊学習に同行し医療的ケアを必要とする児童を担当するとしたら「どんな看護を実践したいか…」という私から学生さんへの問いかけは、言葉にするのが難しいかも…とも思いましたが、是非学生さん同士で話し合って欲しいと思いました。
学生さんはこの問いかけを素直に受け取ってくれ、感じた事をそのまま言葉にしてくれました。
「子どもの思いに沿った対応を心がける」や「ケアの時間は活動の流れに沿った感じで計画したい」という意見が出ました。
もちろん看護師として「安全である」という事もしっかりと捉えていて、看護師だけでなく教員と一緒に子どもの体調の変化に早く気づけるように情報を共有しておく事で、より安全な教育環境にしたい、という意見もありました。
そして「宿泊学習が子どもにとって楽しい思い出となるような看護を実践したい」という意見は、とても大事な事を言葉にする事ができていると思いました。
きっと学生さんそれぞれに実際に自分が参加した「宿泊学習」を思い出し、その時のポジティブなイメージも一緒に思い出されたからではないかと思います。
「子どもはどう思っているか…」は、学生さんだからこそ素直に言葉にしてくれたように私は感じました。
３年生の皆さんは毎日実習の連続💦との事でしたが、しっかり勉強して看護師資格の取得に向けて引き続き頑張って欲しいです！
Nurse Fight過去のブログ「今年度も大阪医療看護専門学校の授業を担当させていただきます」👉https://nurse-fight.com/nurse-osakakango2025/
