大阪医療看護専門学校看護学科の3年生が受講する「地域療養を支えるケアマネージメント」という科目において講師のひとりとして3回分の授業を担当させていただくことになりました。
先日1回目の授業を行ってきました。
将来看護職を目指す学生さんに「子ども達の学びを支える看護」のことを伝える貴重な機会なので、まずは興味や関心を持ってもらう方法を色々考え資料を準備して授業に臨みました。
看護師養成課程で「地域・在宅看護論」を学ぶ
看護職を目指す学生が学ぶ科目は時代の変化とともに内容も変更されています。
なので他の職業でもそうだと思いますが看護職においても資格を取得した時期(時代)が違うと学生の時に勉強した内容にも違いがあります。
看護師養成課程においては2022年度にカリキュラムの改正があって「在宅看護論」という科目が「地域・在宅看護論」に名称変更されたそうです。
今回担当の先生からいただいた教科書には「生活モデルかつ地域完結型を見据えた、次世代の看護職の育成に役立てられるよう、地域・在宅看護実践ならではの技術に焦点をあてた…」(メディカ出版:在宅療養を支える技術)と書いてあります。
「次世代の看護職」である学生さんに小児科領域での看護の場面として、小児の場合は地域生活の中に保育所や幼稚園・学校という同年代の子ども達の集団の中で過ごす時間においても看護を必要とする場面がある、ということを伝えるのが私の役割です。
教科書(メディカ出版:在宅療養を支える技術)の「はじめに」のところに「地域・在宅看護論を学ぶ看護学生や、地域で生活・療養する方々への支援に携わる看護職の方々が、社会や時代の変化に対応しながら、多様な看護の場において、看護職ならではの役割や機能を発揮できる一助となれば…」と書かれています。
今回私は学生さんには「多様な看護の場において」活躍できる看護職になって欲しいなと考えながら学生さんの前に立ってお話しさせていただきました。
子ども達にとって学校は地域で普通に生活をする場所
3年生の学生さんの多くは、ほんの10年くらい前は小学生だった方々です。
学生さんにとっては「子ども」としての記憶がまだ十分に残っていると思うので、1回目の授業としては子ども達が「地域で普通に生活をする」という事を自分自身の記憶の中から思い出してみる事で、その時の景色や雰囲気を具体的にイメージできる事を目標にしてみました。
小・中学校の時の事で印象に残っている事を学生さんから話してもらう流れで、なかには障害のある子が同じクラスにいたり一緒に遊んだりした記憶がある学生さんもいました。
授業の後半では、学校で働く看護師を紹介する動画を使って、看護師が学校で関わっている医療的ケアを必要とする子ども達が、学校という地域で普通に生活をしている様子について見ていただきました。
動画からは看護師が仕事をしている様子に注目する学生さんや、ケアを受けている子どもの様子や気持ち、あるいは親の思いに注目する学生さんもいました。
病院実習で学ぶ看護実践の場面とは異なる「学校で学びを支える看護」の場面を見ていただく事で「多様な看護の場」について具体的に知っていただきたいと考えています。
まとめ
あとに続く授業では「学校で働く看護師」の役割や専門性について知っていただくとともに、学生さんからも意見や考えを聞かせていただきたいと思っています。
今回授業を受けている学生さんは特別支援学校での見学実習も経験しているそうです。
特別支援学校や小・中学校など子ども達の多様な学びの中で看護職としての専門性を発揮するとはどういう事か?時代の変化とともに看護師に求められる専門性も多様化している、という事を伝えたいです。
もちろん学生さんが看護師資格取得後すぐに学校で働く看護師になる、という事ではなくて、まずは病院で働くことで入院している子ども達に関わる際には今回の授業の事を思い出していただき、その子の退院後の生活をイメージした看護の実践に繋がって欲しいです。