2学期の最終日に、西宮市教育委員会が主催する学校の看護師研修会で講義と意見交換をさせていただきました。
看護師の皆さんは今学期が無事に終了してホッとしておられたと思いますが、午後には研修会場に集合し、市の教育委員会が企画した研修会に参加する事も業務となっていました。短い冬休みを挟んですぐに3学期が始まるので、3学期に向かって少しでも前向きに業務に取り組める気持ちになっていただきたいと思い、資料を準備して研修に臨みました。
市立特別支援学校の看護師さんと市立小中学校の看護師さんの合同研修
西宮市には市立の特別支援学校と、小中学校と両方に看護師が勤務している自治体です。なので、今回も合同の研修会という事で、どちらの働き方にも共通する内容にしたいと考えました。
文科省が示す医療的ケアに関する通知文や資料関係は「学校」という表記で特別支援学校と小中学校の両方を指す内容が多いです。そこで、そのような資料を用い、特別支援学校と小中学校で共通する看護師の役割を中心に、実際に学校で実施している内容なども途中で皆さんから具体的に聞かせていただきながら、説明を進めました。
特別支援学校と小中学校、それぞれ働く場所は異なりますが、同じ西宮市で働く看護師同士です。しかし日常的に交流する機会はないようでしたので、今回の合同研修会でお互いのお仕事の違いや、あるいは共通する事などをあらためて知っていただく機会になればいいなと考えました。文科省が示す看護師の役割を説明させていただく際には、例えば「ヒヤリハット等の事例の蓄積と予防対策」という業務であれば、教員を含む校内組織での事例の共有や予防対策の検討の方法について、特別支援学校の看護師さんと、小中学校の看護師さんの両方に私から質問をさせていただき、実際の現場での流れについてそれぞれにお話を聞かせてくださいました。
特別支援学校と小中学校では、子ども達の学び方が異なりますし、1校で働く看護師の人数も違うので、当然、特別支援学校での運用がそのまま小中学校でも使えるという訳ではありません。しかし、そもそも交流がないと、お互いに「違う」という事さえ知らないままという可能性もあるので、折角同じ市で働く看護師同士ですから、この研修会で学校によって「違うね~」という事を知る事ができる、というだけでも研修に来た成果となればいいなと思いました。
「子どもの学びを中心にした看護」を皆さん既に実践中
看護師として学校で勤務する目的や意義は「子どもの学びを支える看護を実践する」事、というお話をさせていただく中で、実際に現場で看護を実践しておられる皆さんから「子どもが学ぶ」という事を実感する場面や体験について話していただきました。特別支援学校の看護師さんも、小中学校の看護師さんも両者とも、もちろん具体的な内容や場面は異なりますが、「子どもの成長」や「教員が子どもを導く様子」などに気づく場面を実感していました。まさに「子どもの学びを中心にした看護」を既に実践しておられました。
学校教育における「子どもの学び」を看護師が捉えるには、様々なパターンがあると思います。教員はその子の「教育的ニーズ」を捉えてその子らしい豊かな学びになるように、指導計画を立てている、という事を看護師が実感するためには、看護師側も教員が捉える「教育的ニーズ」とはなんぞや?という事をちょっとでいいので知識として知っておく事も有効だと思っています。
私からは文科省が示す「障害のある子供の教育支援の手引き~子供一人一人の教育的ニーズを踏まえた学びの充実に向けて~」という資料と、そして今回は西宮市の学校で働く看護師さんへの研修なので、西宮市が作成している「西宮市就学支援ガイド」を使って説明をさせていただきました。
まとめ
2学期が終わってお疲れのところ研修会に参加していただきましたので、何かひとつでも3学期からのお仕事のヒントになる事を持ち帰っていただけるような内容にしたいと思いながら講義しました。
校内で、あるいは自治体として看護師の業務をどのように「見える化」していくか?そして、中身をブラッシュアップしながら、どのように次の世代に業務を「引き継いで」いくか?そういった事は、どこ自治体や学校においても今後取り組むべき課題だと思います。
3学期はあっという間に過ぎて行きますが、この視点も日々のお仕事の中に少しでも取り入れて3学期を迎えていただけるといいなと思います。
西宮市就学支援ガイド(外面)👉https://www.nishi.or.jp/kosodate/kyoiku/kyoikuiinkai/tetsuzuki/shuensodan.files/R4syugaku-guide2022gaimen.pdf
西宮市就学支援ガイド(内面)👉https://www.nishi.or.jp/kosodate/kyoiku/kyoikuiinkai/tetsuzuki/shuensodan.files/R4syugaku-guide2022naimen.pdf