昨日は練馬区学童クラブの職員さんへの研修を担当させていただきました。
練馬区の子育て支援課より研修のご依頼をいただくのは昨年度に続いて2回目です。
医療的ケアについて知っていただく事と、学童クラブにおける多職種連携での課題などを一緒に考える事が目的です。
医療的ケア児への対応の経験がない職員さんが多いとの事で、今後に向けて知識を広げて欲しいという研修担当者さんのご意向があったので、小学校での医療的ケアの内容等についてお話しをさせていただきました。
小学校で実施件数が多い医療的ケアを中心に
練馬区のホームページには学童クラブ事業として「学童クラブ・ねりっこ学童クラブは、保護者の就労などにより主に放課後の時間帯に保育を必要とする児童が、専門の職員の支援のもと、学年を越えて仲間となって楽しく遊び共に過ごしながら豊かに育つための事業です。」と書かれています。
今回の研修受講対象は学童クラブで子ども達に対応する職員さんです。
すでにいくつかの学童クラブでは医療的ケアを必要とする児童も入会しているとの事だったので、今回の研修では小学校で実施件数が多い医療的ケアについて、ケアの内容や実施している様子などを広く浅く知っていただきたいと思い資料を準備しました。
文科省がホームページで公開している調査結果では幼・小・中・高等学校で実施されている医療的ケアとしては「導尿」と「血糖測定・インスリン注射」が割合として多いという結果が示されているので、この二つのケアを中心に医療的ケア関連のテキストやYouTube動画で公開されている資料などを使って説明しました。
また日本訪問看護財団作成「学校における教職員によるたんの吸引等(特定の者対象)研修テキスト」で書かれている「新生児医療の進歩に伴い大きく変化した障害児の様相」として「動く医療的ケア児」の部分も紹介し、全国に視野を広げると小学校には導尿や血糖測定・インスリン注射を必要とする児童以外にも、例えば人工呼吸器を使用する「動く医療的ケア児」も在籍している事をお話ししました。
在宅医療で使用する医療機器はドンドン進化していますので、新しい情報を知っていただく事で今後の皆さんの業務に関連してきた時に今回の研修内容も活用して欲しいと思います。
学童クラブでも子どもの「自立と社会参加」に向けて
学童クラブは小学校下校後の放課後の時間を「学年を越えて仲間となって楽しく遊び共に過ごしながら豊かに育つ」事業ですから、子ども達にとっては仲間と過ごす時間がとても大切です。
これは小学校における子ども達の過ごし方とも共通する部分だと思います。
例えば小学校では医療的ケア児も休み時間に友達としっかりと遊ぶ時間を確保するなど、医療的ケアを実施する場所や時刻を教育活動を中心において検討します。
あるいは自分でできる事は自分でケアを行うなど医療的ケアに子ども自身が参画する指導を学級担任を中心に行うなど、子ども達の「自立と社会参加」を目指した指導を教員が行っている、という事も学童クラブの職員さんに説明をしました。
学童クラブにおいてもこういった小学校の教員が実践している自立に向けた指導の流れを多職種連携として共有していただき、小学校と同じ方向性で医療的ケアについても関わっていただきたい事もお話ししました。
看護師が配置されている場合は、看護師がどういったケアを実施しているのか?子ども自身が自分で実施している部分はあるか?看護師はどこにポイントを置いて何を観察しているのか?看護師とも様々な情報を共有していただくと共に、疑問があれば看護師にも質問してみると理解が深まるので、是非積極的に看護師ともコミュニケーションを取る事もおすすめしました。
まとめ
練馬区学童クラブで子ども達が過ごしている様子はYouTube動画で紹介されているので私も視聴させていただきました。
学年を越えて子ども達が一緒に過ごしている様子がよくわかり、今回研修に参加をしてくださった職員さんのお仕事の様子も理解できました。
もちろん医療的ケアの内容によって違いがあるとは思いますが、医療的ケアが必要な子もそうではない子も一緒にこういった放課後の場所で仲間と共に過ごしながら豊かに育つことを目的としている場ですから、看護師が配置されている場合は看護師だけが関わっている(知っている)部分は出来るだけ減らしていき、他の職員さんと情報を共有していく事が重要だと思います。
看護師自身も日常的に多職種連携を意識することが大事だと感じました。
練馬区学童クラブ事業👉https://www.city.nerima.tokyo.jp/kosodatekyoiku/kodomo/gakudo/gakudo_gaiyou_2404.html
練馬区立児童館・学童クラブチャンネル👉https://www.youtube.com/channel/UCmcG8Jc5-q13ogNZW7UbiOg