先週も引き続き学校での医療的ケアに関する研修を担当させていただきました。
年々プログラムの構成が工夫されてきているように感じます。
講義と実技の組み合わせや、教員・養護教諭と看護師が互いに考えや意見を述べ合うグループワークなど印象に残る体験を取り入れたプログラムとなっています。
皆さんが熱心に研修に取り組む様子やご意見を伺う中から私も沢山の刺激をいただいています。
多機関と連携した研修
新潟県医療的ケア児支援センターで開催された市町村立の学校で働く看護師対象の研修に伺いました。
午前午後と一日を通した研修です。
午前は私が講義を担当させていただきましたが、午後は実技研修というプログラムです。
実技研修は新潟県医療的ケア児支援センターを運営している長岡療育園の看護師さんと、長岡崇徳大学看護学部小児看護学の先生方が丁寧にご指導してくださいました。
長岡崇徳大学の実習室に移動し看護技術練習用シミュレーターを使って講義と実技を組み合わせた研修となっていました。
学校で勤務をしている看護師は医療的ケアについては保護者さんの手順を引き継ぐ形で学校で対応をしている事が多いです。
しかしこういった研修の機会に基本的な看護手順を再確認できる事で、学校での手順が個別性の高い手順である事を再認識する機会となり非常に貴重な研修になったと思います。
大学の小児看護学の先生や療育園の皆さんが準備の段階から学校の看護師研修に関わってくださっている事も非常にありがたい事だと思います。
教員・養護教諭と看護師が一緒に参加する研修
今回担当させていただいた自治体教育委員会や学校が主催する研修では、教員・養護教諭と看護師が一緒に参加をする研修となっていました。
岡山県立岡山支援学校の校内研修では事例を元に、自立に向けた教員の指導計画と教育目標を看護師が共有し、具体的な看護計画を書いてみる、というワークにトライしていただきました。
グループワーク中は看護師から教員に質問したり、教員からも子どもの目指す姿を話してくださったり「なるほどね~」とか「へーそうなんですね~」という声も聞こえていたので、お互いが新しい気づきがある機会となっていたように感じました。
島根県教育庁主催の研修も担当させていただきました。
島根県では島根県用の自立活動シートを使って架空の医療的ケア児の指導計画を用意してくださったので、教員・養護教諭と看護師の混合グループを設定し看護師の役割や担任の役割、養護教諭の役割など様々な視点で意見交換をしていただきました。
大阪府教育庁主催の研修会も担当させていただきました。
大阪府立の支援学校で働く教員・養護教諭と看護師が一緒に参加をしてくださったので、学校が異なるグループを設定し教員と看護師の連携について工夫している事や養護教諭が調整している内容などをグループワークの中で共有していただきました。
教員も養護教諭も看護師も日々子ども達に丁寧に関わっておられるからこそ、いざ研修の中で意見交換を始めると経験豊富な方のお話しには引き込まれるし、学校によって違いがある事など新しい視点や考えにも触れる事ができると思います。
意見交換やグループワークのまとめとして皆さんが話してくださる意見は非常に深くて濃い内容ばかりです。
まとめ
学校での医療的ケアの研修については、看護師だけでなく教員も養護教諭も研修を受けています。
もちろんそれぞれが別々に受ける研修もあると思いますが、一緒に同じ研修を受けるという設定も大事だなと感じます。
同じ研修を受けてみてお互いの受け止めはどうだったか?同じ受け止めだったかな?あるいはちょっと違う捉え方だったかな?などなど、職場に戻ってからお互いの感想を確認してみるのもコミュニケーションのキカッケになるのではないかな思います。
加えて研修で模擬的に体験した意見交換や話し合いを、時間を取るのは難しいとは思いますが是非職場に戻って実践いただきたいな~と思います。
新潟県医療的ケア児支援センター👉https://www.pref.niigata.lg.jp/sec/shougaifukushi/ikea2022330.html
長岡崇徳大学看護学部看護学科👉https://sutoku-u.ac.jp/