先日ある自治体の特別支援学校で働くリーダー看護師さんお二人の研修を担当させていただきました。
今回は研修対象の看護師さんが配属されている学校2校に伺ってお仕事の様子を見学させていただいた後で、それぞれの学校で意見交換と研修をさせていただきました。
お二人とも看護師チームのリーダーであるという意識を持って勤務しておられ、他の看護師さんの動きや全体のケアの流れをきちんと把握しておられました。
学校がリーダー看護師に期待する役割
その自治体では今までもベテラン看護師さんが実質的にはリーダー的な役割は担っておられたのですが、今年度は特別支援学校にリーダー看護師が配置された事でリーダー研修を企画されたそうです。
教育委員会及び学校内で計画されている研修プログラムの一部を担当させていただくというのが私の役割で、「学校がリーダー看護師に期待する役割」を教育委員会とともに整理し、その役割を果たすには具体的にどういった業務を担っていけばいいかを研修対象の看護師さんや管理職の方々と一緒に考え行動に移していく事をお手伝させていただきます。
教育委員会や学校が企画する研修では「教育公務員」としての倫理や服務などについて学ぶ部分もありますし、学校教育や学校組織についても管理職から説明を受ける機会もあるようです。
看護師チームのリーダーとして勤務するわけですから、教育委員会や学校の管理職は看護師の窓口としてチームを取りまとめると共に教員との調整の際には学校の役割や教育の本質を理解した調整ができるようになる事を期待しておられました。
今回伺った学校ではリーダー看護師さんもメンバー看護師さんと一緒に日々のケアの実施を担当しているので、そういった日常業務に加えて全体を「うまく調整する」という役割を実際の業務としてどのように具体化していくか、を今後継続的に関わらせていただく中で一緒に考えていく必要があるなと感じました。
メンバー看護師がリーダー看護師に期待する役割
リーダー看護師が学校に配置された事でメンバーの看護師の皆さんもリーダーに期待する役割があると思います。
具体的な内容は当然その学校での現状の看護師業務の内容によって異なりますが、リーダー看護師が看護師チームをまとめていくにはまずはメンバー看護師ひとりひとりの考えや思いを捉える事が求められる役割になると思います。
これについては今回の研修での私からの提案として、ご自分が学校で実践している看護を「みえる化」してみるという事をお話ししました。
リーダー看護師さんは皆さんすでに日々のお仕事の中で「学校らしいアセスメント」をした上で、担任の考えや授業時間などを意識して業務を組み立てておられました。
いつ吸引するか、どの場所で吸入するか、というような細かい配慮を担任と端的に相談しながら自然に判断しておらるのですが、学校では看護師は個々に校内のあちこちの場所に分かれて対応しているので、看護師同士がお互いのケアの様子や担任とのやり取りを見る機会は案外少ないと思います。
なのでご自分が実践している看護について「学校らしい看護計画」として文字にしてみる事を今回提案させていただきました。
現場は学校ですから教員と看護師が同じ目標に向かってそれぞれの役割を果たしていく事がポイントです。
そのためには「学校らしい看護計画」を作成するにあたって教員が立てている子どもの教育目標を共有する事が大事です。
リーダー看護師が教員と教育目標を共有した上で学校らしい看護を実践している事が「看護計画」を通して「みえる化」されていけば、メンバー看護師にリーダー看護師が実践している看護を知ってもらえると思います。
まとめ
私の肌感覚ではありますが特別支援学校ではリーダー看護師(指導的役割を担う看護師)を配置する学校や自治体が少しずつ増えてきたように感じます。
今回の研修で出会ったリーダー看護師さん達とは今後も継続的に意見交換をさせていただけるので、ご自身の気持ちの変化なども聞く事で具体的で現実的なサポートをさせていただきたいと思っています。
まずはポジティブにお仕事に取り組んでいただけるよう今後もしっかりサポートしたいと思います。