今回は特別支援学校で働くリーダー看護師さんにお目にかかる事ができました。
この方は現在の勤務校でメンバー看護師としての勤務経験を経て今年度からリーダー看護師さんになったとの事で、この1年間を振り返ったお話を聞かせていただきました。
リーダーになった事で他の看護師さんへの支援や助言をする事も自分の役割となり、メンバーの思いを聞いたり、多職種との落としどころを提案するなどの調整は難しいなと感じた1年だったそうです。
関わるところが増えた事で俯瞰した視点で見えるようになりました
今回お話を聞かせてくださった看護師さんの学校では、医療的ケア児にはそれぞれに担当看護師を決めるという運用方法で校内体制を構築しておられるそうです。
複数名の看護師が勤務しているため、日常的なケアは担当外の看護師でも対応できるようにしておられますが、担任との打ち合わせや保護者との連携については主に担当看護師を窓口として対応するそうです。
こういった体制も学校や自治体によって様々な方法がありそれぞれに馴染む方法で運用しています。
リーダー看護師になった事でメンバー看護師の皆さんの担当業務の進捗状況を確認し、場合によっては補佐役をしたり、助言したりする場面もあるそうです。
加えて校外の会議への出席などもリーダー看護師の役割との事で、組織全体に関わるお仕事もあり「結構忙しいんです💦」とおっしゃっておられました。
しかし今までとは視点が異なった事で、校内でも校外でも全体を俯瞰して見られようになったそうです。
関わる人や関係機関が増えた事で考えなければならない内容も増えたので、単純に「大変💦」ではありますが、組織全体が見えるようになった事は今までとは違う感覚との事です。
「やる事が沢山ありますが、皆さんに相談しながらひとつひとつやってます✨」と、落ち着いた雰囲気でお話してくださいました。
教員の専門性と看護師の専門性を上手く生かした調整がしたいです
学校組織全体を俯瞰できる立場になった事で、教員の思いや考えが今まで以上にわかるようになったそうです。
「教員の専門性と看護師の専門性を互いに発揮して児童生徒の成長・発達を最大限に促す」事を具体的に実践していきたいけれど、双方がお互いの専門性を発揮する、というのは実際には簡単ではないですよね…💦とおっしっておられました。
昨年度まではメンバー看護師の立場で担任の思いや考えを聞き、自分の考えも担任に伝えつつ、折り合うところを見出しながら担任の授業を支え、子ども達の学びを支援してきたけれど、リーダー看護師になった事で、メンバー看護師の思いや考えを聞いた上でメンバー看護師に対して担任との調整の仕方を助言する事はリーダーならではの役割であり、苦労しておられると思います。
教員と看護師それぞれの思いも分かるし専門性も理解しているので、1年間リーダー看護師をやってみて、お互いが専門性を発揮する事ができた!と感じるられるような丁度良い感じの調整ができるようになりたい💕という思いに至っているそうです。
これは学校で働くリーダー的な役割の看護師の方々は共通に感じる事だと思います。
メンバー看護師に教員の専門性を伝える事はリーダー看護師としての大事な役割のひとつです。
そして、メンバー看護師が自分の専門性が発揮できているという満足感や達成感も感じて仕事をして欲しいと思うのは、リーダー看護師としては当然の事です。
お話を聞かせてくださったリーダー看護師さんは、1年めの苦労や悩みを一人で抱え込まないで、校内で様々な方々と相談しながら進めています。
「すぐに色々な人に相談しているし、皆さん一緒に考えてくださっています✨」
リーダー看護師になった事で仕事内容は増えたけれど、ひとつひとつ落ち着いて丁寧に取り組んでおられる感じがお話される雰囲気から伝わってきました。
まとめ
今回のリーダー看護師さんのように、教員と看護師を繋ぐ役割は簡単ではないと感じている方は少なくないと思います。
特に今まで長くメンバー看護師として学校で勤務をしてきた方がリーダーになる場合には、学校という職場の風土や教員の文化、あるいは教員の考え方や思いを捉える事については、ご自身の経験の中で蓄積してきたノウハウがあると思います。
しかし、それをメンバーの看護師さんに伝えていくというのは案外苦労する事ですが、ここが大事なポイントです。
今回お話を聞かせてくださった看護師さんには、リーダー看護師として2年めも校内で様々な方々と相談しながら引き続きポジティブに取り組んでいただきたいな、と思いました。