9月21日(土)に熊本城ホールで開催された日本小児在宅医療支援研究会に参加をしてきました。
様々な立場の方々のご発表を聞かせていただくともに全国でご活躍中の「小児在宅医療」に関わる方々にもお目にかかり大変貴重な機会となりました。
今回は私自身も医療法人財団はるたか会職員として担当させていただいている「松戸市教育委員会医療的ケア看護師アドバイザー」としての取り組みについて発表をさせていただきました。
医療的ケア児に関わる多職種の方々のご発表がありました
会場には医療的ケア児に関わる様々な職種や立場の方々が大勢参加をしていました。
全体的には医師からのご発表が多い印象でしたが、薬剤師や言語聴覚士、理学療法士そして看護師など様々な立場の専門職からも取り組みのご発表がありました。
私は薬剤師さんのご発表を聞く機会が今まではなかったので、特に興味深く聞かせていただきました。
与薬の際に経管栄養の方法で薬剤を注入している子どもについては「処方された薬の溶けやすさ」は大変重要ですが、薬剤師さんのご発表では新しい薬剤を取り扱う場合は実際にご自分で薬剤の溶けやすさを確認しているとの事で、チューブ内で溶け残りが詰まってしまう事がないように配慮している、という内容でした。
ちょうど今月の つながるかいビデオミーティングでも学校での「与薬」をトークテーマにしましたが、学校では経管栄養の方法で粉薬を溶かして注入する与薬の場合は、溶け残りがないかチューブを詰まらせないか、など慎重に対応します。
薬剤師さんが調剤する段階でそういった配慮をしてくださっているという事を私は初めて知ったのですが、与薬ひとつを取っても様々な人たちの配慮のリレーがあるという事がわかりました。
また、昨年度から私も研修に関わらせていただいている福岡県医療的ケア児支援センターのご担当の方も「こどもの学びと育ちを支える看護師の会Slopeの会」での取り組みを発表しておられたので、こちらも大変興味深く聞かせていただきました。
私も医療法人財団はるたか会の職員として発表をしました
私は医療法人財団はるたか会の職員として2022年度から松戸市教育委員会医療的ケア看護師アドバイザーの業務を担当しているので、今回はこのアドバイザーとしての取り組みについて「小・中学校において看護師の関わりを卒業する事の教育的意義について」というタイトルで発表をさせていただきました。
私が松戸市で担当している「医療的ケア看護師アドバイザー」は松戸市教育委員会の独自事業で、教育委員会から医療法人財団はるたか会への依頼に基づき委嘱をしていただいています。
教育委員会の体制整備をサポートする事が目的なので、主には教育委員会担当者と一緒に小・中学校を訪問し学校での医療的ケア実施状況の確認や、ケアを担当する看護師との意見交換などを行っています。
担当させていただくようになって3年目になりますが小・中学校への看護師配置事業を安定的に維持継続するために教育委員会と一緒に取り組んだ内容と、取り組みの流れの中で医療的ケア児自身が自分のケアについて「自分の事」として「主体性を持って取り組む姿」が見られるようになったという教育的に意義について報告しました。
子どもの教育目標やねらいを看護師も共有する事で、教員の指導場面によっては看護師が子どもと距離を空けていく「学校らしい看護」について短い時間ではありましたが発表する事ができました。
まとめ
今回は全国各地の様々な実践を知る事ができましたし、会場に行く事で発表を聞いている方々の表情、フロアでの会話や雰囲気なども感じる事ができました。
そしてあらためて「学校で働く看護師」が果たすべき役割とは何か?という事を、学校で働いている看護師自身が「子どもの学び」を中心において「学校教育ベース」で言語化できるようにならないといけないな…と感じました。
学校の外の人には「学校の看護の専門性」は見えていないと言っても決して言い過ぎではないと私は思っています。
学校で看護師はもう何年も看護を実践しているのに未だに「見えない」と言われてしまうのが現実です。
学校の中から看護師自身が学校の外に向かって自分達の専門性を具体的に発信していく必要があると強く感じますし、その前に一緒に働く教員が看護師との協働をどのように捉えているのか?もしかするとまず足元を確認する事が先かも…と思います。
今回日本小児在宅医療研究会に参加した事で私にとっては学校での看護を客観的に捉える貴重な機会となりました。
Nurse Fight2024.8.4ブログ「各地で開催されている研修に参加をさせていただいています」👉https://nurse-fight.com/nurse-natukenshu2024/