担任と共に「子どもの育ち」をイメージした看護計画を立案し見通しを持った学校での看護を実践している看護師さんに会いました

今回も特別支援学校で働くスゴイ看護師さんからお話を聞かせていただく事ができました。その学校は医療的ケアの実施については長い歴史があって、歴代の看護師さんの経験やご苦労の積み重ねの中で、「看護師は教員の指導にそったかたちで計画的に看護を実践する」というところまで、看護師業務を進化させていました。

担任がイメージしている「子どもの育ち」を看護師も必ず共有し、そこに向かってそれぞれにやるべき事を話し合いながら進める、という一見シンプルですが、実はなかなかできない事を、学校の中で定着させることに取り組んで来られたスゴイ看護師さん達でした。

目次

年度初めに看護師と担任で計画を伝え合ってます

「うちの学校は、年度初めに担任と看護師とで、それぞれにその子にどう関わるか?について考えを伝えあうんです」と、サラッと言ってくださいました。正直私はビックリしましたし、スゴイな~と思いました💕きっと簡単にできたわけではないだろうな〜と思いながら、そこを掘り下げて聞かせていただくと、やはり、定着するまでには、先代や先々代の看護師さんからの積み重ねの上に、やっと今、ここまできている、というお話しがありました。

年度初めに担任が自分のクラスの医療的ケア児に関する、今年度の指導計画を看護師に説明してくれるそうです。それを看護師が聞いた上で、看護師は看護計画を考えるとのことです。今年度分の「教育目標」や「看護目標」としてキチンと仕上げるのは6月頃になるそうですが、その進捗状況は中間で一緒に評価し、必要に応じて計画を修正、学年末には、看護師は「サマリー」を作成する事で、まとめとしているとの事でした。それを毎年度毎に積み上げ、子ども達の成長を年単位で捉えていく事で、看護師は「教育によって子どもが成長し育っている姿」を通して、実践した看護の意味や意義を捉えやすくなった、とおっしゃっておられました。

「看護の本質」は病院でも学校でも同じなんです

お話を聞かせてくださった看護師さん達は、それぞれに病院での経年数も異なりますが、学校に入職した時は「病院との違い」に戸惑い、病院なら「当たり前」の事が、学校では「当たり前じゃない」という事にひとつひとつぶつかったとの事です。でも「計画的な看護を実践しよう」という歴代の看護師さんの取組から、「看護の本質」は病院にいても学校にいても同じなんだ、という思いになっていった事で、入職当初に受ける「衝撃!」は、前向きな看護の実践に切り替えておられるように見えました。

「計画的に看護を実践する」という捉え方は、多くの看護師に定着している「課題解決思考」だと思います。「現在の姿」から「目指すべき姿」に向かって計画的にアクションを起こしていくという考え方ですから、これを、学校の教育現場に当てはめて、担任の役割と看護師の役割を整理しておられました。

学校は病院ではないので、当然、学校においては「目指す姿」は担任が子どもの教育的ニーズからイメージし、そこに向かって指導をする、というこの柱を、看護師が共有する事で、その中での看護師の役割を見出し、担任とともに計画的に看護を実践していく、という事です。

これは、言うのは簡単ですが、なかなか簡単にはできない事です。この学校で、こういった流れが定着し現在の状況まで成熟させるには、様々なご苦労があっただろうと思いました。

今後は他校とも共有できるような業務の標準化や簡略化という業務改善の視点での進化もできるかも

日々のケアは看護師チーム全員で対応しつつ、子ども毎に看護計画を立案し、評価修正を加えながら、教員と打ち合わせをしていくという、この丁寧なプロセスを実践するには、ケアを行うために必要な時間だけでは足りない日もある、とのことでした。「スキマ時間を使って話し合っているけど、時間の確保は難しいですね~」。その通りだと思います。こういった教員との打ち合わせや話し合うための時間を確保する事ができない、というお悩みは学校で働く多くの看護師さんから出てくる意見です。

限られた時間の中で、効率的に業務を行うには、例えば、こういった計画の立案などを県内で標準化できれば、看護の質を落とさないで業務改善ができ、更に進化できる、という事も考えておられました。今後は、1校だけの取組ではなく、県内の学校の看護師同士でシェアできれば、色々な方法や考え方も取り入れて更に進化できると思うのですが、そこに取り組むと、今の勤務時間内ではおさまらないかも!まだまだ課題はあります💦

まとめ

「以前に関わった子どもで、ネブライザー吸入の時に、全然椅子に座ってくれず、ウロウロしてしまう子がいたのですが、その子の進路の事などもイメージし、担任と一緒に色々考えて、時間をかけて担任が指導をした事で、卒業する時には、その子はじっと座ってネブライザー吸入ができるようになった、というケースもありましたよ」「かなり時間はかかりましたが、担任が考える子どもの目標に子どもが到達できた事を担任と共有できた時は、めちゃくちゃ感動しましたよ〜。決して大きな変化ではないんだけれど、子どもの成長の経過も見られるって、病院での看護では絶対経験できない事ですよね💖

学校で働く看護師ならではの、1番「やりがい」と感じる部分を、今回のスゴイ看護師さん達も実感しておられる事がわかりました。

「そうですよね〜、やっぱり、そういうところが、この仕事のスゴイところですよね~」と話しが盛り上がってしまいました。

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