12月6日(土)12月7日(日)の2日間は新潟県にある朱鷺メッセで開催された日本看護科学学会学術集会に参加をしてきました。
今回私は名古屋市立大学「なごや保育所・学校看護師エンパワメントセンター」の事業メンバーのひとりとして参加をしました。
1日目は交流集会で、2日目はポスターセッションで大学の先生方と一緒に発信をさせていただきました。
たくさんの講演等が同時開催されている大規模な学術集会
日本看護科学学会の学術集会は毎年度各地で開催されています。
看護系の学会は他にも沢山あって学術集会も一年を通して各地で色々開催されています。
そういった学術集会では小児看護学や精神看護学、老年看護学などの領域ごとに専門的な情報や最新の情報が発信されています。
この日本看護科学学会の学術集会は領域ごとの学会とは異なりあらゆる領域の研究者である看護職が参加する非常に大規模な学術集会です。
今回なごや保育所・学校看護師エンパワメントセンターの発表に参加させていただいいた事は私にとっては貴重な経験でしたが、加えて2日間会場のあちこちで開催されている講演を聴けた事や、会場で出会った方々と情報交換をさせていただけた事も貴重な経験となりました。
今回の学術集会のテーマが「看護科学と尊厳」という事で、基調講演や教育講演のタイトルにも「尊厳」が入っているものが多く、なかには医療職ではない先生のご講演もありました。
私は、1日目は基調講演「ケアと尊厳ー看護科学にとって尊厳は何を意味するか?」で椙山女学園大学の加藤泰史先生のご講演を聴かせていただきました。
2日目は教育講演「<弱いロボット>との共生:尊厳学の視点からインタラクションデザインと社会実装」で筑紫女学園の岡田美智男先生のご講演を聴かせていただきました。
私はNurse Fightで学校で働く看護師さんの支援をさせていただいていますが、障害や病気がある子ども達の学校での学びを支える看護師の役割を考える時には、学校で関わる子どもの思いに触れたり、子どもが見せた表情が何となく気になるという事も現場の看護師さんとの意見交換の中に出てくる事があります。
看護師として何となく「もやもやした感じ」が自分の気持ちのどこかに残っていて、そのもやもや感を残したまま学校では日々の仕事に向き合っていくという、職場が子ども達の教育現場だからこそ感じる独特の感覚や看護師としての体験みたいな事が話題になる事もあります。
今回「尊厳」をテーマとした加藤先生や岡田先生のご講演を聴いて、私はこの何となく「もやもやした感じ」を少し客観的に言語化してくださったような…未だ曖昧ではありますが、はるか遠くの方にヒントの光が出てきたような感覚を持ちました。
こういった感覚はNurse Fightの「つながるかい」の皆さんとも早く共有したいな~💕と会場で講演を聴きながら感じていました。



研究者は学校で働く看護師に関心があります
「なごや保育所・学校看護師エンパワメントセンター」の1日目の発表では今年の3月28日に開催した「第1回エントリー・ベーシックプログラム」について、特に午後に行った「シミュレーション演習&グループワーク」への準備の過程についての発信でした。
「交流集会」という事で60分間を使って発表及び参加者との意見交換を通して交流するという流れです。
「第1回エントリー・ベーシックプログラム」の開催に向けて名古屋市立大学と名古屋葵大学の先生方は沢山の時間をつかって綿密に準備をしてくださった事が、今回の発表を通して私自身もあらためて理解しましたし感謝の気持ちが再度湧いてきました。
病院での看護ではなくて「学校での看護」についてのシミュレーション演習ですから、いかに学校らしい「リアリティのある」設定にするか、ここにかなり苦労はしたけれど、とても大事であるという事、そして、指導する側も学習する側も両者が楽しく取り組める事が大事という事を発表の中で強調してくださいました。
交流会の参加者からも様々なご質問がありました。
シミュレーション演習の手法に関する事もありましたが、中には学校での医療的ケア実施体制や関係者との調整の方法など、具体的な学校現場での看護師業務に関する質問をしてくださった方もいました。
こうった機会を通して学校で看護師が働いているという事の認知度が同業者の中で更に上がって欲しいと思います。



2日目は同じ「第1回エントリー・ベーシックプログラム」の内容について「シミュレーション演習&グループワーク」のグループワークに焦点をあててポスターセッションで名古屋市立大学の大橋先生が発表をしてくださいました。
当日は私も大橋先生と一緒にポスターの前にいましたが、沢山の研究者の方々が足を止めて読んでいましたし、質問もしてくださいました。
「学校での看護」を研究テーマとしている研究者は以前からおられますが、今回実際にポスターの前に立っていると、視点の切り口は様々ではありますが、研究対象として関心を持っている研究者は多いんだな…とあらためて実感しました。


まとめ
今回の学術集会では「なごや保育所・学校看護師エンパワメントセンター」の発表以外にも、学校で働く看護師に焦点を当てたご発表はいくつかありました。
特別支援学校で働く看護師だけでなく、小・中学校で働く看護師を対象とした発表もあったので、私にとっては、学校での看護に関心を持ってくださっている先生方に直接お会いして意見交換をさせていただけた貴重な機会となりました。
そしてあらためて「学校での看護」が今後向かうべき未来の姿についても考える機会となりました。
子ども達は教員の指導を受けるために学校に来ています。
看護師が学校で看護を実践したことで子ども達は教員の指導によりどんな力をつけたのか?
看護師が学校で働くようになって、もう30年近い年数が経過している学校もあります。
もうそろそろ学校で働く看護師は自分達が実践してきた看護を言語化する時期に来ているように私は感じています。
それには子どもの学びの評価を教員と共有しなければ学校で実践した看護の評価はできないはずです。
「学校での看護の未来」は教員による子ども達の学びの評価にかかっているって事だな~と色々考えながら私は朱鷺メッセを後にしました。
公益社団法人 日本看護科学学会👉https://www.jans.or.jp/
なごや保育・学校看護師エンパワメントセンター👉https://www.nagoya-schoolnursing.jp/






