学校での医療的ケアに関する職員研修について今年度に私が担当させていただいた自治体の研修担当者さんとお話しをする機会が、先週から今週にかけて続けてありました。
今年度の後半で予定されている研修の打ち合わせもありましたが、自治体によっては今年度の振り返りから来年度の研修のイメージについても話題となりました。
多くの自治体はもう来年度の予算準備が始まっているので、自治体担当者はまだ今年度が終わらないうちから来年度の事を考えます。
今年度実施した研修を丁寧に振り返りながら、来年度のイメージについて担当者さんの考えを聞かせていただく中で、研修すべきテーマが絞こめてきたり、実施方法について工夫できる事を考えるなど、研修内容がその自治体の状況にフィットした内容にドンドン進化していっているような感じで非常に内容の濃い話ができました。
今年度の研修の中身を振り返ると…
今年度私が職員研修を担当させていただいた自治体からは、受講者の感想などを共有させていただき、私自身も自分が担当した内容について振り返ります。
職員研修の企画担当者さんも当然受講者の反応や研修に対する要望を確認しています。
参加人数は想定通りだったか、想定以上の参加人数だったか、あるいは想定人数よりも少なかったのか、その理由も含めて考えます。
受講者の反応は企画者のねらい通りだったか、あるいは新しい意見や参考になる感想や気づきがあったか。
実施方法についても、会場での集合型研修に加えて、会場参加とオンライン参加とのハイブリット実施や、あるいは研修内容を動画コンテンツにしてオンデマンド視聴にしたりなど、方法も多岐に渡っているので、それぞれ実施方法は効果的だったかなど、担当者としての手ごたえを私にも共有してくださいます。
私自身が自治体に在職していた頃と比較すると、特に職員研修が進化したな~と感じるのは、研修実施後の受講者のアンケート回答方法です。
今年度私が研修を担当させていただい自治体はどこでもアンケートはオンラインでの回答でした。
もう以前のような紙に手書きでのアンケートはありません。
研修の最後にQRコードを表示し、参加者が読み取って入力する方法が当たり前になっています🌟
これは受講者も終了後すぐにサッと入力できるし担当者は結果の全貌を捉えやすくなっている事に加え、講師側にも速やかにフィードバックをして下さるので、ものすごくいい👍です。
来年度はこんな事もしてみたいんですよね…
自治体の担当者さんは、研修の企画者としてご自身の考えやその研修のねらい、あるいは世の中の動きを捉えた上で、今年度後半の研修や来年度の研修の内容を計画したいと色々考えています。
今年度の受講者の反応を見て、ここをもっと掘り下げたい、グループワークの時間が短かったから次は長めに取ろう、という考えにつながります。
更には職員個人の知識に留まるのではなく各自の職場に持ち帰ってフィードバックできる内容にする事で、研修に参加していない同僚にも職場内で伝達して欲しい、などなど色々イメージが広がる話が研修の担当者さんとできました。
自治体の担当者さんご自身も今まで沢山の職員研修を受講してきたし、講師として講義をした経験がある方もいます。
ご自身が今まで受けてきた、あるいは実施してきた様々な研修の内容や実施方法などを考えながら、学校現場の景色も頭に浮かべつつ、学校での医療的ケアについて教員にとっても看護師にとっても意義のある職員研修するために、今後の方向性について出来そうな事や、やってみたい事を色々な観点で意見交換をさせていただきました。
まとめ
学校での医療的ケアに関する職員研修はNurse Fightにブログで何度も取り上げている平成31年3月の文科省による「学校における医療的ケアの今後の対応について」において「研修機会の提供」という項目の中で書かれています。
この通知文で「看護師に対する研修」だけでなく「全ての教職員に対する研修」の必要性が書かれている事により各地の自治体教育委員会や学校では職員研修を企画し、実施しています。
また文科省は自治体教育委員会において医療的ケアの研修企画を担当する職員向けのマニュアル「学校における医療的ケアに関する研修参考マニュアル」もホームパージで公開していますので、おそらく各自治体教育委員会では医療的ケアについての計画的な職員研修の実施はもう定着した事業になっているのだろうと想像します。
自治体毎に何年か研修を実施してきた実績を踏まえて、その自治体における職員研修についての「ねらい」や職員につけて欲しい「知識」や向上して欲しい「能力」をより具体的に絞りこめるところまで進化してきたように感じます。
私が研修会を担当させていただけるなら「この人の話は前回と全く同じだったわ~💦」といった評価にならないよう私自身が進化していかないといけない!と自治体の研修担当者さんの方々とお話しながら感じました。
自分の頭の中の引き出しに入っている中身を進化させて次の研修に望みたいと思います。
文科省:平成31年3月「学校における医療的ケアの今後の対応について」👉https://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/tokubetu/material/__icsFiles/afieldfile/2019/03/22/1414596_001_1.pdf
文科省:学校における医療的ケアに関する研修参考マニュアル👉https://www.mext.go.jp/content/20230426-mxt_tokubetu01-000027654_1.pdf