兵庫県西宮市を中心に訪問看護など在宅の分野でご活躍中の方々がプロジェクトメンバーとなっている「地域で暮らす医療的ケアの子どもを支える看護を考える会」のオンラインセミナーにおいて、今回は学校での医療的ケアの事をテーマに取り上げていただけるとの事で、私がお話をさせていただきました。
看護師だけでなく多職種の方が参加されるセミナーです
在宅の分野でご活躍中の方々が中心の会との事で、看護師に限らず多職種の方々の参加が予定されていました。さらにはオンラインセミナーという事もあり、実際には保護者様も含めて全国各地から参加してくださいました。
おそらく学校での医療的ケアについての知識や関心のある部分は、皆さんの中でも少しずつ異なるだろうと想像していたので、できるだけどの地域においても共通するような内容を意識してお話するようにしました。
まずは医療的ケア児が学校に就学するまでの流れの部分から触れた方が良いかと思い「就学相談」という市区町村教育委員会の事業についても紹介させていただきました。
「就学相談」は居住地の自治体によって実施時期や名称などには若干の違いがあります。今回は西宮市がホームページ上で公開している資料を参考にしながら、一人ひとりの教育的ニーズに応じた学びの場を就学先として確定していくまでの流れについてを説明させていただきました。
参加者の皆さんと意見交換もさせていただきました
地域で暮らす医療的ケア児を日々支援しておられる皆さんや保護者様との意見交換はとても内容の濃いものとなりました。
学校での医療的ケアについての疑問や質問も出してくださり、私が説明できる範囲でお話させていただきました。
参加者それぞれに居住地や勤務地が異なる事により、学校といっても医療的ケアの実施体制はそれぞれに異なります。
具体的な事はそれぞれの学校としっかりと相談していただく事が大事になってきますが、学校は「教育の場」であり、子ども達は担任からの指導を受けるために登校してくる、という事を中心に看護師の役割を整理して考えるが大事だという事を説明させていただきました。
業務委託として学校での医療的ケアを担当している訪問看護ステーションの看護師さんは、学校の先生方と情報交換をする時間の確保が非常に困難である、との課題も話してくださいました。
学校に所属する看護師の場合であっても担当する医療的ケア児について担任と話し合う時間の確保が困難だという声は割と頻回に聞きます。
これは担任の先生方が多忙で子ども達の下校後でないと話し合う時間が取れないという学校ならではの事情があると思います。時間設定の都合上、担任と看護師それぞれの都合が合わず、話し合う時間を設定する事が非常に困難になりがちだと思います。
子どもを中心に考えた時に、担任の立場や看護師の立場でどうすべきか、について短時間であってもササッと打ち合わせができるようになれば良いなと感じました。
まとめ
今回参加者の皆さんと意見交換をさせていただいた事で、学校を支援してくださっている訪問看護ステーションの看護師さんも、学校と話し合う時間が足りない、と感じておられる事がわかりました。
時間を生み出す事ももちろん大事ですが、何を話すのか?何のために話すのか?今話す事なのか?など教員と看護師が話す目的や意義を明確にしていく事で、もしかすると「話し合う」という方法以外でも、お互いに意思を確認しあう方法の検討もできるかも、とも思いました。
子どもに関わる大人達が、それぞれにとても忙しく限られた時間の中で、担任と保護者と看護師がキチンと意思疎通を図りながら、効率良くかつ確実に情報を共有する方法について、その体制やツールの選択なども含めて、今後は検討する必要があるのだろうな、と感じました。