東京都立小児総合医療センター主催の【小児在宅医療サポートチーム勉強会】において《学校で働く看護師の役割の充実について》というテーマでお話させていただきました。
主には医療・福祉職を中心とした勉強会ですが、オンラインという事もあり全国から200名以上の方が参加しておられました。
今回の小児在宅医療サポートチーム勉強会では?
この日のオンライン研修では、学校で働く看護師の役割について、医療機関や訪問看護の医療職や、福祉事業所などの福祉職の方々に向けてお話させていただくというものでした。
学校は「教育の場」なので、そこでは、看護師は、その専門性を活かして医療的ケアを進め、教員が、その専門性を活かしてサポートする。教員は、その専門性を活かして授業を進め、看護師が、その専門性を活かしてサポートする。と文科省は説明しています。(公益財団法人日本訪問看護財団作成「学校における医療的ケア実施対応マニュアル看護師用」18ページ)
【小児在宅医療サポートチーム勉強会】では、文科省が示す「教員の専門性」と「看護師の専門性」についてあらためて考えてみました。
「教員の専門性」「看護師の専門性」ってどのような事でしょうか?
教員の専門性については「教室で教員は、教育内容を扱いながら児童・生徒の様子をその変化を観察、対応、判断するという、短い時間での状況認識と意思決定を幾度となく行っている」という表現をしている文献もあります。(日本教育経営学会紀要第58号2016年「教員の専門性」論の特徴と課題)
私は、対象児童・生徒の状態をアセスメントし【教育的ニーズ】を抽出できる事が「教員の専門性」ではないかな、と捉えています。
それに対して、学校で働く「看護師の専門性」は、教員が計画している指導を実践する事ができるよう、児童・生徒の【医学的ニーズ】を抽出できる事が「看護師の専門性」だと考えます。
教員と看護師が互いの専門性を活かすとはどういうイメージでしょう?
文科省の説明にある、教員と看護師が互いに自分の専門性を活かすという事は、文書にするとサラッと流れますが、具体的にはいったいどういう事なのでしょうか?私が考えるイメージを図にしてみました。
Aのイメージは教員の指導を看護師が下から全面的に支えている、というイメージです。Bは、教員の指導計画に対して、看護師はパズルの一部のピースを持っている、というイメージです。私のイメージはBのほうです。
Bでは教員は、教員の専門性を使って子どもへの指導計画を看護師と共有している事で、看護師はどんな形のピースを用意すればいいのか?を看護師の専門性を使って考えます。
これが、私が考える、教員と看護師が互いの専門性を活かしている状態のイメージです。
学校で働く看護師は「子どもの学びを支える看護」を実践している!
学校においては、教員が子どもに体験させたい事や、学びのめあてを看護師と共有する事で、看護師も自分がどこに視点をおいて看護を実践すればいいのか?を明確にする事ができます。
子ども自身が学びのめあてを達成する事ができれば、看護師も自分の看護目標を達成する事ができた、と捉える事もできると思います。
学校において看護師が「子どもの学びを支える看護」を実践するには、まずは、看護師自身が「子どもの学び」について理解を深める事が必要だと思います。
そのためには、教員も看護師に対して、指導計画や学びのめあてを看護師にわかりやすい言葉で説明していただく事で、お互いの専門性が活かされた教育現場になると思っています。
「子どもの学びを支える看護」のまとめ
当たり前の事ですが、医療的ケア児も他の子ども達と同様に、教員からの指導を受けるために学校に登校して来まます。
学校は子ども達が学ぶ場所です。なので、学校において看護師は、子どもの学びを支える看護を実践しているという事になります。これこそ学校で働く看護師のやりがいそのものだと私は思います。
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