訪問看護と学校での看護のちがいって何?

訪問看護ステーションの管理者の方と、訪問看護での看護は学校での看護にそのまま使えるのだろうか?という事について意見交換をさせていただく機会がありました。

その管理者さんの訪看ステーションは、医療的ケア児の家庭への訪問をしているという事で、保護者さんを通して学校での子ども達の過ごし方や、保護者さんの思いを聞く機会が多いそうです。学校の看護師の人材不足という課題について訪看ステーションとして協力できるの事もあるのでは?と考え、方法を模索する中で、色々見えてくる課題をどうすれば解決できるだろうか?という事について今回共有させていただく事ができました。

目次

学校の中は一体どうなっているのだろう?

訪問看護として自宅での看護を担当していると、学齢期の子どもの場合は、保護者さんから学校の話が頻回に出てくるそうです。「特別支援学校の様子、小学校の様子、など行く学校が異なると体制もそれぞれ異なっているんですね。」入学後、保護者の校内待機を学校から依頼される期間も、学校によって色々なパターンがある事や、学校でのケアの実施内容について時間的制約など学校でのルールが示される事があるという話を保護者さんから聞くそうです。訪問看護師の立場からすると「学校の中は一体どうなっているのだろう??」と思う、というお話を聞かせてくださいました。

個々の保護者さんのお話を聞くだけでは、学校ではどうしてそうなるの?という印象しかなくて、保護者さんの困り感を何とか支援できないだろうか?と思うとの事でした。

訪問看護ステーションとして出来る事はあるだろうか?

保護者さんや近隣の訪看ステーションの情報を色々と聞く中で、医療保険制度による訪問看護事業も行いながら、平行して学校への支援も行う、という事が現実的に出来るのだろうか?という思いがあるとの事でした。

例えば現在、訪問看護で関わっている子どもに対して、学校を休む日は医療保険制度の訪問看護として自宅を訪問し、学校に行く日は同じ訪問看護師が学校に同行すれば、学校の看護師不足や保護者の校内待機問題を解消できるのではないか?と考えるそうです。

ただ、「訪問看護の看護師として自宅で実施している事」と「学校が看護師に求める事」が全く同じなのか?学校が保護者に校内待機を依頼している理由が医療的ケアに関する事だけなのか?そこも考える必要があると私は思います。

また、学校には訪問看護を利用していない医療的ケア児もいると思うので、訪問看護で担当している子どもだけに対応するという方法が可能なのか?あるいは、もし、訪問看護を利用していない他の医療的ケア児に対する学校でのケア実施も、学校での仕事として含まれる場合は、継続的に看護師の人員確保が可能だろうか?などなど、その訪問看護師さんも既に様々な事を考えておられました。

管理者として色々考えるのは当然だと思います。特に特別支援学校においては医療的ケア児が複数在籍している場合もあるため、自宅での訪問看護利用の有無によって、学校での対応に違いが生じてしまう可能性も出てきます。かといって、訪問看護師が、別の医療的ケア児への対応も引き受けたとしたら、仮に訪問看護でも担当している医療的ケア児が学校を欠席した日は、自宅での訪問看護と学校での仕事と両方に対応できる人員の確保を、訪看ステーションとして継続的に見込めるかどうか?という部分もしっかり検討する必要があると思います。

訪看ステーションとしては経営の事も考えないといけないし…

訪看ステーションの中には少ない人員で経営している小規模事業所もあります。管理者としては当然経営の事も考えます。学校支援の仕事を引き受けるとしたら、行政からの報酬はどれくらい入るのだろうか?という事も大事な観点です。

つまり、訪問看護師さんの学校での看護は医療保険制度の対象では無いので、医療保険制度での訪問看護の報酬金額と同等の金額が、学校を支援した場合に行政から報酬として入るのだろうか?という事です。

そういった事も含めて総合的に考え、訪看ステーションが学校を支援する仕事を、継続的に受託できるのかどうか、保護者さんの思いに寄りそって考えると同時に、訪看ステーションの事業の継続性なども含めて丁寧に整理をする必要があると私も思います。

まとめ

訪問看護と学校での看護は看護の目的が異なる、という事を私は以前から繰り返し述べて来ました。今回意見交換をさせていただいた訪問看護師さんは、「訪問看護と学校の看護は同じではないだろうと思う」という認識でしたが、でも具体的にどこが違うのか?は「やった事がないからわからない」のは当然です。

「子ども達は何をするために学校に来ているのか?」これを考えた時に、仮に訪問看護師さんが学校でのケアを担当する事で、保護者さんの校内待機が解消できたとしても、担任の子どもへの指導が始まらなければ、子ども達は学校に来る目的を達成できているとは言えないと思います。

訪問看護と学校での看護の違いは、訪問看護は自宅でリラックスしている時間ですが、学校は教育活動をしている時間という、その子の過ごし方が違う、という表現もできると思います。学校での看護は、担任による子どもへの指導を支える看護で、子どもの学びを支える看護です。

子ども達は看護師さんからのケアを受けるために学校に来ている訳ではありません。担任からの指導を受けるという子ども達の目的を達成するには、学校において誰がどんな役割を果たせばいいのか?今回訪問看護師さんと意見交換ができた事で、私自身もあらためて、学校での看護の特徴を看護師同士でもしっかりと共有していく必要があるなと感じました。

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