2026年最初のつながるかいビデオミーティングを先日開催しました。
これはNurse Fight「つながるかい」の会員さんと私と毎月1回開催しているオンラインミーティングです。
学校での看護師の仕事に関連する事を毎月あれこれと話しています。
今月は「学校で働く看護師の仕事の評価」と「看護師としてのキャリア(経験・経歴)」について意見交換ができました。
自治体職員としての評価
特別支援学校や小・中学校で働く看護師は自治体に直接雇用されている方と外部の事業所に雇用されていて事業所から学校に派遣されている、という方がいます。
自治体に直接雇用の場合でも雇用形態が「正職員」の方と「会計年度任用職員」という非常勤の地方公務員という方がいるので、ひと口に学校で働く看護師といっても雇用形態と雇用主は様々です。
その割合を捉えるには文科省のホームページに掲載されている「令和6年度学校における医療的ケアに関する実態調査」が参考になります。
ここでは都道府県毎に看護師の数が一覧表で公開されていて、(自治体)直接雇用の常勤と非常勤そして外部委託の3つの項目で看護師の人数がそれぞれに示されています。
令和6年度の特別支援学校における看護師の数の合計は直接雇用の常勤が261名、非常勤が2,828名、外部委託が330名、幼稚園、小・中・高等学校における看護師の数の合計は直接雇用の常勤が40名、非常勤が1,708名、外部委託が723名となっています。
つまり学校で働く看護師の多くが非常勤雇用である事がわかります。
自治体直接雇用の看護師については常勤も非常勤も上司にあたる管理職との面談や評価シートの記入など、自治体毎に様々な方法で、自治体職員として学校での仕事についての自己評価・他者評価をするしくみがあります。
こういった評価の方法は自治体毎のルールにそって色々な方法で行われていて、今回のビデオミーティングでも会員さんのお話しから各地では様々な方法で行われている事が伺えました。
自己評価シートがある場合は自治体や学校という組織が看護師に求める能力や役割が項目の文言に入っているのだろうと思います。
今は1月ですから学年末に向かって子ども達は1年間の学びのまとめにとりかかっているように、看護師も評価シートの項目の内容を意識してこの1年間の自分の仕事の総括をするタイミングでもあります。
そして看護師を評価する上司の方々も職種は違っても一人一人の看護師としての仕事ぶりを見て総合的に評価しておられると思います。
上司と面談する場面では、看護師として1年間どのように仕事に向き合ってきたかをわかりやすい言葉で言語化しておく事も学校で働く看護師としては必要だと思いますし、ビデオミーティングの中で会員さんからは日常的に管理職とコミュニケーションを取るように意識しているというお話しもありそれぞれに工夫されている事もわかりました。
看護師としてのキャリア(経験・経歴)
一方で看護師が学校での勤務経験を積んでいく事は、看護師としてのキャリア(経験・経歴)にどのように影響するか…「仕事の評価」と「看護師としてのキャリア」の関係性も大事な視点だと思います。
恐らく一般的には仕事の評価とその職業としてのキャリアは関連するだろうと思います。
看護師であれば今までの職務経験を経歴として列挙する事で、自分の看護師としてのキャリアが豊富である事などを表現する事ができます。
ところが「特別支援学校」や「小・中学校」で勤務している年数は「看護師の業界」では、必ずしも看護師としてのキャリア(経験・経歴)に「カウントされるわけではない」し、おそらく「カウントされない」のが現実だと私は感じています。
文科省の調査が示すように非常勤雇用が中心である「学校での看護」は「看護の業界」では看護の「専門領域」として確立されていないので、同業者の中での「取扱い」がそうなってしまうのは当然と言えば当然です。
今回会員さんと「仕事の評価」について意見交換をする中で、学校で働く看護師としてどれくらいのスパンでどんな目標設定ができるのか…1年間毎に区切られる任用であり看護師としてのキャリアにカウントされないであろう1年間の「仕事の評価」をどのように解釈すればいいのか複雑な思いを持つ看護師がいる事も否めないと感じました。
もちろん看護師それぞれに学校の仕事への向き合い方は違いますが、学校という職場自体が看護師に対して今後のキャリアのロードマップを示すことができないので、看護師の中には「看護師としてこのままでいいのか…」「キャリアにカウントされない時間が続いていいのか…」という不安を感じる方がいるのも現実です。
子ども達の学びを支えるために向上心を持って働いている看護師は全国各地に沢山おられますし、教員と協働し素晴らしい看護を実践している看護師は各地にいるのですが、この実践はいわゆる看護師の業界がイメージする看護師としてのキャリア(経験・経歴)とは切り離されている事も各自がわかっているので、学校で働く看護師のモチベーションを維持していくには、ただ看護師個人の「熱意」に依存するだけでは持続していかないだろうと私は感じています。
まとめ
つながるかいでは異なる地域で、そして特別支援学校や小・中学校や行政など様々な場所で看護師として働く会員さんと意見交換をしています。
会員さんと話すとそれぞれに悩み、そしてモチベーションを維持するための工夫をしておられる事がひしひしと伝わってきます。
文科省の調査結果が示すように非常勤雇用が大半を占めている現状において、3年後、5年後には常勤雇用の割合が増えているのか…そして数年後には「学校看護」が看護の専門領域として確立されているのか…今の時点ではポジティブな未来を示唆するような情報はありません。
私は学校で働く看護師の未来を考えた時に、当事者である学校の看護師自身が「学びを支える看護実践」を教員と共に世の中に発信している時が早く来て欲しい!と強く思っています。
そして今回のビデオミーティングで会員さんと意見交換ができた事は、未来に向かって私自身が今出来る事は何か?を考える貴重な機会となりました。
文部科学省「令和6年度学校における医療的ケアに関する実態調査結果(概要)」👉https://www.mext.go.jp/content/20250715-mxt_tokubetu01-000007449_1.pdf






