昨年度に続いて今年度も関西女子短期大学養護保健学科で学ぶ学生さんに「学校における医療的ケア」について1コマ授業を担当させていただきました。
2年生が学ぶ小児保健Ⅱという科目の15回分の授業の中で、私が担当したのは1回分ではありますが、学生さんが将来養護教諭として働く時に今回私が話した事が少しでも実践の役に立って欲しい🍀と思い色々資料を準備し授業に臨みました。
学校で働く看護師にとって養護教諭は大事な存在
今回私が授業をさせていただいた2年生の学生さんは、これから小学校での教育実習を行うとの事でした。
実習は未だですが、学生さんそれぞれが小学生・中学生・高校生として学校生活を体験してきているので、学校の教室の雰囲気や音やにおい、同じ教室で学んだ友だちの様子などは、まだまだそれぞれの記憶に残っていると思います。
学生さんの今までの経験で「病気や障害がある子と一緒のクラスになった事はありますか?」と授業の冒頭で私から質問をさせていただきましたが、学生さん21名のうち4分の3程度の学生さんが「あります」と教えてくれました。
また、特別支援学校(養護学校)で学ぶ子ども達がいるという事や「医療的ケア」という言葉についても知っていますか?という私からの質問には、学生さん全員が「知っている」と教えてくれました。
という事は、少しはイメージを持って話を聞いてくれる…と思いながら授業を始めました。
授業の中では、文科省の医療的ケアに関する調査結果を示しながら、学校で行われている医療的ケアの内容(経管栄養や喀痰吸引など)やそれぞれのケアの様子を説明しましたが、動画で見ていただく方がイメージがつきやすいので、いくつかYouTube動画として公開されている動画も活用しました。
文科省の公式YouTubeチャンネルで公開されている医療的ケアの動画についても紹介しました。
更に、看護師が学校で医療的ケアを行う際には、養護教諭との連携が大変重要だという事もお話ししました。
学校医や主治医等と学校との連携体制を構築するには、まずは養護教諭と看護師の連携が大事です。
教育活動中の緊急時の対応、あるいは災害時の対応を想定したマニュアルの作成や、医療的ケアに関する物品の管理などは看護師だけで行うのではなく、学校においては養護教諭と一緒に取り組むべき内容なのです…と説明をしました。


看護師資格をいかして養護教諭を目指す
関西女子短期大学のホームページも読ませていただきました。
大学のロビーにもそれぞれの学科で学ぶ事で取得できる「資格」の事や、資格をいかした就職先の情報が沢山掲示されていました。
ホームページを読んでいると、看護師資格をいかして養護教諭を目指す、という情報もあります。
看護師から養護教諭へのキャリアチェンジ!という事で、社会人経験者として短大に入学し2年間勉強して養護教諭2種免許の取得を目指すのです。
もちろん採用試験を受けなければならないので、必ず学校で養護教諭として勤務できるという訳ではありません…
でも、確かに看護師のキャリアチェンジとしては養護教諭もありだな…と感じます。
一旦社会人として働いた人が、大学に入り直し学生として勉強するというのは勇気もパワーも、そしてお金も必要ですが、子ども達の安心安全な学校生活においては重要な存在になるだろうと感じます。


まとめ
学生さんが養護教諭としてどこかの学校に着任した時に、勤務校に「医療的ケアを必要とする子ども」が在籍している可能性は当然あります。
小学校や中学校であれば養護教諭は校内で一人だけの配置という事も多いので、新規採用の養護教諭であっても学校に着任すれば一人で仕事をする可能性もあります。
もちろん管理職の先生もサポートしてくれますし、他校の先輩養護教諭に相談ができる体制もあるとは思います。
将来着任した学校に、もしかすると看護師さんが勤務している可能性もあります。
その時は是非、今回の授業を思い出していただき、看護師さんとの連携のヒントにして欲しいと思います。
簡単ではないと思いますが、まずは資格の取得を目指して頑張って欲しいです!
関西女子短期大学ホームページ👉https://www.kwc.ac.jp/
文部科学省公式YouTubeチャンネル「学校における医療的ケアの手技に関する研修動画シリーズ コンテンツ概要」👉https://www.youtube.com/watch?v=yI9ANS-yppE&t=208s
文部科学省「令和5年度学校における医療的ケアに関する実態調査結果(概要)」👉https://www.mext.go.jp/content/20241217-mxt_tokubetu01-000007449_3.pdf