今月もつながるかいビデオミーティングを開催しました

10月分のつながるかいビデオミーティングを先日開催しました。

Nurse Fightの つながるかい の会員さんは学校で勤務している方が多いので、10月の土日は運動会が開催されるなど学校での勤務がある方もいますが、都合がつく会員さんはビデオミーティングにライブで参加をしてくれました。

今月のトークテーマは「医療的ケアと自立」です。

学校の教育活動における「自立活動」と「医療的ケア」について資料を皆さんで一緒に読みながら意見交換をしてみました。

目次

「自立活動」という指導の領域

つながるかいでは度々この「自立活動」については話題にしています。

今回「医療的ケアと自立」というテーマで意見交換をするにあたって「自立活動」という指導の領域について皆さんと一緒に確認をする事が大事かなと考え、関連する色々な資料を一緒に読みながらイメージを共有しました。

まずはネットですぐにダウンロードできる文科省の「特別支援学校教育要領・学習指導要領解説 自立活動編」(平成30年3月)です。

これは大変分量が多く一気に読む事は難しいですが、教員がどういった観点で「自立活動」について指導をしているのか教員の考えや意図が捉えやすくなるので、学校で働く看護師としては是非読んでみて欲しい資料として私はいつも紹介しています。

そもそも「自立活動」ってなんだ?という事ですが、今回のビデオミーティングでは島根県教育センター作成の「自立活動ってなんだろう?~理解編~」と大阪府教育庁教育振興室支援教育課作成の「自立活動ハンドブック(小学校版)」の中に記載されている資料の一部も活用させていただきました。

特に大阪府教育庁「自立活動ハンドブック」の中で解説されている「自立」とは、という部分は学校で働く看護師はきちんと理解しておくべき内容だと感じます。

「自立」とは👉子どもがそれぞれの障がいの状態や発達の段階に応じて、主体的に自己の力を可能な限り発揮し、よりよく生きて行こうとすること。(大阪府教育庁「自立活動ハンドブック(小学校版)」13ページ)

「自立」について👉支援教育や福祉領域における自立とは、辞書にあるような「他の助けや支援なしに自分の力だけで物事を行うこと」という意味ではなく、「自己実現すること」「周囲に助けを求めること、依頼すること」です。(大阪府教育庁「自立活動ハンドブック(小学校版)」13ページ)

看護師は医療的ケアの「自立」というと「セルフケアの確立」というイメージが最も近い感覚だと思います。

「他の助けや支援なしに自分の力だけで」自分のケアが実施できるようになる事を目指すイメージの「セルフケアの確立」と、学校教育における「自立活動」のイメージは違う、という事をこういった資料を読みながら整理をしてみました。

文科省「特別支援学校教育要領・学習指導要領解説自立活動編」https://www.mext.go.jp/component/a_menu/education/micro_detail/__icsFiles/afieldfile/2019/02/04/1399950_5.pdf
島根県教育センター「自立活動ってなんだろう~理解編~」https://www.shimane-ec.pref.shimane.lg.jp/2023/03/29/ziritukatudouttenandarou.pdf
大阪府教育庁「自立活動ハンドブック(小学校版)」https://www.pref.osaka.lg.jp/documents/35647/handbook_syo.pdf

教員と看護師の連携ツール?「個別の指導計画」

今月のビデオミーティングで「医療的ケアと自立」というトークテーマにしたいと考えたのは理由があります。

私が今年の7月にゲストスピーカーとして講義を1コマ担当させていただいた岐阜聖徳学園大学のご担当の先生が紹介してくださった日本育療学会の学会誌「育療」73号に「医療的ケアにおける教育の専門性」が特集とされていた事です。

この学会誌に掲載されている寄稿文が10月1日にJ-STAGEというサイト内で公開されたので、これを受けて教員と看護師との連携について掘り下げてくださっている島根大学教育学部の藤川先生が寄稿された「医療的ケア児に対する自立活動と個別の指導計画の活用」の内容について、つながるかいの皆さんと共有し意見交換をしたいと考えました。

「個別の指導計画をツールとした教員と看護師の連携の必要性」について言及されているのですが、この中で藤川先生は「医療的ケア児の指導を充実させるためには教師はもちろんのこと、看護師においても自立活動を理解する必要がある。そして、個別の指導計画を活用しながら、医療的ケア児の自立活動の指導目標と指導内容の共通理解を図ることが重要である」と述べておられます。

つながるかいの皆さんと一緒に藤川先生のこの寄稿文を読み自立活動について理解を深めるとともに、それぞれの職場では医療的ケア児の「個別の指導計画」を教員と看護師が共有する場面はあるかな?という事から意見交換を始めてみました。

まとめ

学校で働く看護師として「医療的ケアと自立」はどのように進めたらいいの?担任や養護教諭とどのように連携すればいいの?という私へのご質問はわりと頻回にいただきます。

これを考える時には看護師側の考えを教員側に説明するのも大事ですが、同時に担任の考えを看護師が理解する事も大事です。

今回、つながるかいで意見交換をした事で、医療的ケア児については看護師側が「自立活動」を理解しているか、理解していないかは教員の指導計画に影響しているだろうと感じました。

また意見交換の中では「個別の指導計画」の共有ができた事で、担任が授業で目指している事や取り組んでいる内容の意図などを知り看護師として学校らしい連携のイメージを持つ事ができた、と言う体験も聞けました。

会員さんのお話しから「個別の指導計画」の共有によって看護師は教員の専門性を理解し、教員の医療的ケア児への関わり方に注目する事で自分の医療的ケア児への関わり方を振り返る機会となっているように感じました。

今回のような看護師が自立活動を理解する機会を つながるかい では繰り返し作っていきたいと思っています。

Nurse Fightブログ「岐阜聖徳学園大学『特別支援教育・看護合同演習』の最終回で講義をさせていただきました」👉https://nurse-fight.com/nurse-gohushukutoku2024/

J-STAGE 育療73巻2023「特集 医療的ケアにおける教育の専門性を組むにあたって」👉https://www.jstage.jst.go.jp/article/ikuryo/73/0/73_12/_article/-char/ja

J-STAGE 育療73巻2023「特別支援教育の専門性としての自立活動の指導」👉https://www.jstage.jst.go.jp/article/ikuryo/73/0/73_15/_article/-char/ja

J-STAGE 育療73巻2023「医療的ケア児に対する自立活動と個別の指導計画の活用」👉https://www.jstage.jst.go.jp/article/ikuryo/73/0/73_21/_article/-char/ja

J-STAGE 育療73巻2023「重度・重複障害者とコミュニケーションを介した教育活動としての医療的ケアー自立活動の観点からの検討ー」👉https://www.jstage.jst.go.jp/article/ikuryo/73/0/73_27/_article/-char/ja

J-STAGE 育療73巻2023「医療的ケアを要する重度・重複障害児への自立活動の指導ー身体の動きを主とした学習の重点と教師の専門性ー」👉https://www.jstage.jst.go.jp/article/ikuryo/73/0/73_33/_article/-char/ja

J-STAGE 育療73巻2023「特別支援学校教員養成・看護師養成における連携の可能性ー特別支援教育・看護合同演習の取り組みについてー」👉https://www.jstage.jst.go.jp/article/ikuryo/73/0/73_38/_article/-char/ja

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