つながるかい では主にはグループチャットを使って会員さんそれぞれの都合のいいタイミングで意見交換をしています。
そして月に1回のペースでオンラインで意見交換をする「つながるかいビデオミーティング」も開催しています。
先日、2学期に入って最初の つながるかいビデオミーティングを開催する事ができました。
参加してくださった皆さんには、まだまだ暑い日が続く中で2学期が始まった学校の雰囲気についてお話しいただくところから意見交換をスタートしてみました。
今回のトークテーマは学校での薬(与薬)のこと
今回のトークテーマは「学校での薬(与薬)のこと」としてみました。
学校での薬の話というと、保健室にある救急処置に使う医薬品等のほうをパッとイメージする方もおられるかと思いますが、学校で働く看護師に関連する事としては、児童生徒が個別に使っている薬を学校でも使用する場合のルールの事や必要書類に関する話になります。
これについては特別支援学校と小・中学校では運用ルールには色々な違いがある印象です。
「与薬」というと学校であっても病棟などで看護師が行う「与薬」の業務と同じイメージで捉えてしまう看護師もおられるだろうと思うのですが、学校は病棟ではないので、その学校の「薬」についての運用方法にそって対応する事が基本となります。
学校における「与薬」の事は今までも国が示す通知文等を元に各自治体や学校で作成されているルールが存在するので、学校で働く看護師としては、そういった学校のルールについてその根拠と共にきちんとおさえておく事が大事だと私は考えています。
ビデオミーティングでは医療機関で働く場合と学校で働く場合の違いを整理しながら、ネットで公開されている資料の中から関連する部分などを共有し皆さんと意見交換をしました。
特別支援学校と小・中学校の運用の違いを理解する
私から関連する資料を提供しながら、皆さんそれぞれの職場での運用方法に照らし合わせてみて、現在の方法で気になる事はあるか?あるいはどういった経緯で今の方法になったのか?などを考えながら意見交換をしてみました。
皆さんのお話しを通して、特別支援学校と小・中学校では与薬の運用については異なる部分が色々ある、という事もわかりました。
特別支援学校では与薬の事は養護教諭を窓口として担任との連携において子ども毎に把握し校内全体の情報が養護教諭のところで集約されています。
なので、薬に関して保護者さんより担任に相談があった場合は、担任はまずは養護教諭と情報を共有し校内の運用ルールにそって検討する、という事になります。
その中で医療的ケア児の場合は看護師が行う業務に関連する部分があれば担任や養護教諭と連携し看護師も役割を担当する、という流れになっているのが特別支援学校での対応です。
当然小・中学校においても保護者さんより担任に対して学校での与薬について相談があれば、担任が養護教諭と共有し校内のルールにそって検討していきます。
小・中学校においても医療的ケアの有無に関係なく学校としての運用に照らした上で保護者さんに学校としてのお返事をする、という流れが基本です。
しかし今回のビデオミーティングでの意見交換の中では、小・中学校で働く看護師はその学校での「与薬」についての運用ルールがどのようになっているのか、知る機会がない?というのが現実のような印象を受けました。
もちろん小・中学校においても「与薬」の話が出たら養護教諭と連携している看護師もおられると思いますが「医療的ケア児だから…」という事で、看護師が担当する話?のような感じになってしまう場合もあると想像します。
医療的ケアの実施を担当している看護師も病棟でも患者さんに与薬をしていたから、学校でも病棟と同じかな…と考えてしまう可能性もあるとは思いますが、学校は病棟とは違います。
学校には学校のルールがある、という事を看護師自身も把握しておく事は学校での「与薬」の事を検討する際にはとても大事だと皆さんとの意見交換の中で感じました。
まとめ
学校における「与薬」の話は つながるかい でも繰り返し話題にあがります。
日常的な薬、緊急時の薬など薬の使い方は色々な設定があります。
そして内服薬だけでなく軟膏や目薬など薬の内容も様々です。
教育の場である学校において薬の使用の可否についての判断が必要となった場合は、学校として組織的な判断をする事が重要です。
学校で働く看護師も、学校の一員として勤務する学校や自治体の「与薬」についてのルールを知っておく事と、加えて組織としての判断についてその根拠と共に看護師自身も説明ができるようになっておく事も大事だと思います、という事を最後に私から皆さんに共有させていただいて今月のビデオミーティングを終わりました。