1学期が始まってあっと言う間に4月の後半が視界に入ってきました💦
学校ではそろそろ行事の事など通常モードの教育活動とは違う取り組みについても話が出始めていると思います。
私は先日オンラインで実施された徳島県教育委員会の研修会に講師として参加をさせていただきました。
徳島県立の特別支援学校及び県内市町村の小・中学校等で医療的ケアに関係する方々がオンラインで参加をしてくださいました。
県教育委員会からの情報提供は大事です
自治体の研修会に参加をさせていただく時は殆どのパターンで最初に教育委員会事務局担当者から「行政説明」的な事務連絡など情報提供の時間が設定されています。
今回の研修でも徳島県担当者からの行政説明等が私の講義の前に設定されていたので、私も視聴させていただきました。
私自身も自治体在職中は年度初めの会議や研修会等では行政説明の部分を担当した経験があるので、大変興味深く聞かせていただきました。
標準的なパターンとしては国から発信される新しい情報や県内(市内)の概要を整理して説明するとともに、行政として各学校等に特に伝えておきたい事を選んで説明する、という感じだと思います。
じつは以前に他の自治体の学校で働く看護師さんから「研修の時に行政の人(教育委員会の担当者)の説明みたいなのが毎年あるけれど、いつも同じような内容だし、あの説明がなぜ毎年必要なのかわからない💦」という感想を聞く事がありました。
実際は毎年全く同じ内容ではなくて違う部分があるんです💦
新しい情報もありますし、内容によっては自治体としての考察や目指す方向性などを説明している場合もあって、日々学校で子ども達に向き合っている看護師や関係教職員にとって大事な情報が入っています。
「毎年同じ」ように聞こえる…のかも?とも思いますが、決して全く同じではないので、こういった行政説明についても学校で働く看護師さんは是非関心を持って聞いていただきたいと思います。
今回の徳島県の担当者さんの説明も年度始めの時期に校内で共有すべき大事な内容を伝えておられたので、おそらく今後校内で資料等を共有し伝達していかれるだろうな…と思って視聴させていただきました。
市町村の小・中学校担当者も沢山参加をしてくださいました
私が担当した講義の部分は「学校における医療的ケアと学校で働く看護師の役割」というテーマで、主には徳島県立の特別支援学校で働く看護師さんの業務や役割を中心に内容を組み立てました。
今回は市町村の小・中学校担当者も沢山参加してくださっていたので、小・中学校の特別支援学級や通常学級で学ぶ医療的ケア児についての体制整備に関する内容も少し説明させていただきました。
特別支援学校と小・中学校の特別支援学級、そして通常学級ではそれぞれにカリキュラム(教育課程)が異なるので、学校で行う医療的ケアの位置づけもそれぞれのカリキュラム毎に異なる、という事を簡単な図を作って説明しました。
徳島県では「学校における医療的ケアガイドブック」がホームページで公開されています。
学校での医療的ケアの実施体制を構築する際は、このガイドブックにも示されているように「学校は教育の場」である事を中心に考える事が大事だと私は思います。
徳島県のガイドブックには「教員が医療的配慮に基づいた教育活動を推進するにあたって大切なこと」が整理されていて、教員は「自己選択や自己決定の場を大切にしたりすることにより、幼児児童生徒の意思を尊重した、心に寄り添った医療的ケアのサポーターとしての役割を担う」と明記されている事を皆さんと共有させていただきました。
これは特別支援学校だけでなく、幼稚園や小・中学校での医療的ケアの実施についても大事な観点だと私は思います。
まとめ
徳島県のガイドブックは平成28年度に初版が作成されていて現在の改訂版はまさに徳島県の皆さんのためのガイドブックです。
私は自治体の研修を担当させていただく際には、こういったその自治体が作成している「ガイドブック」や「ガイドライン」「教育振興計画」など公開されている資料を事前に読ませていただきます。
また自治体のホームページには市民・県民に向けた様々なパンフレットやリーフレットなどもアップされているので、関連する資料も読ませていただきます。
どの自治体でもその地域の学校教育についてのビジョンが示されています。
「学校における医療的ケア」は医療的ケア児が学校教育を受ける事を目的として体制を構築するわけですから、その地域の学校教育についての理念や展望を医療的ケア児の学校教育に関わる大人達が理解する事が大事だと思います。
徳島県の学校においても今までの背景や経緯を踏まえて、県が示す学校教育のビジョンに向かって教員と看護師がうまく連携していく1年になって欲しいと思います。