山形県看護協会主催の小児在宅医療研修で多職種連携の研修を担当させていただきました

3月に入って少し春が近づいてきている感覚ですが、先日研修で伺った山形県は雪景色でした。

雪が降る土曜日の午後にも関わらず山形県看護協会の研修室で開催された小児在宅医療研修には沢山の方が参加をしてくださいました。

「医療的ケア児を支える多職種連携に向け教育現場で働く看護職の役割と課題を理解しよう」というテーマが設定された研修会です。

「教育現場で働く看護師の役割を医療的ケアに関わる方々に知っていただき連携を推進する」というねらいを山形県看護協会の方が私にくださいましたので、半日の研修を担当させていただきました。

目次

看護師が働く場所が多様化している中での看護師同士の連携は?

事前打ち合わせの際に山形県看護協会の研修担当の方がこのテーマを設定した理由を説明してくださいました。

看護師が働く場所が多様化していて、医療現場や福祉現場だけでなく小児においては教育現場で働く看護師が増えてきているにも関わらず、教育現場で働く看護師との連携はどうすれば上手くいくのだろう?という思いがあったそうです。

多職種との連携の前にそもそも同業種である看護師同士の連携が難しい、という感覚は、まさに学校で働く看護師側も感じている事です。

今回ここに看護協会が着目し研修を企画してくださったので、是非私からは教育現場で働く看護師の様子を様々な場所で働く看護職の方々に伝えさせていただきたいと思いました。

看護協会の方が山形県の学校での医療的ケア実施体制に関する情報収集にも協力してくださり、教育現場で働く看護師の様子をどのように説明すれば同業種同士の連携が推進できるか?を考えながら内容を検討しました。

事前打ち合わせでは、医療や福祉現場で働く看護師には教育現場で働く看護師の事が見えないから連携が進まない、という事を教えてくださいましたが、これは山形県に限らず、他の地域でも同様の声を聞きます。

まずは、教育現場で働く看護師がどういった役割を担っていて、学校と病院や訪問看護では実践する看護の目的が違うという事を、医療や福祉現場で働く看護師にも知っていただけるような内容にする事で、まずは連携の入口に立っていただきたいと思い資料を準備させていただきました。

雪が降っていましたが看護協会の広い会場には沢山集まってくださいました
ナースセンターのさくらんぼ🍒がかわいいです

学校の中での多職種の連携は?

今回のテーマである「多職種連携に向けて」の部分は、まずは学校の中の「多職種連携」がどんな感じなのか?を参加された皆さんに知っていただきたいと思いました。

「学校の中の看護師」と「学校の外の看護師」との連携が推進される事はもちろん大事ですが、その前提として「学校の中の看護師」は当然授業を行う教員と連携する事で「学校の外の看護師」と連携する意義や目的を捉える事できると私は考えます。

今回の研修では看護職以外の職種の方の参加もあったので、多職種の連携ツールとして「個別の教育支援計画」の活用について山形県の資料を引用させていただきました。

学校の看護師も個別の教育支援計画を共有し学校の中の多職種が連携する事で、関係機関との連携につなげられる事を提案させていただきました。

そしてその上で、研修の後半では山形県の皆さん同士で交流していただく事を目的として、グループワークを準備しました。

職種混合のグループを作っていただき、学校の中で教員と看護師がうまく連携するにはどうすればいいか?について架空の児童の事例を使って話し合っていただきました。

わりと具体的な事例を紹介したので、おそらく医療や福祉現場の方々には学校の中の雰囲気を感じていただけたのではないかな~と、熱心に話している皆さんの様子から感じる事ができました。

グループワークでは皆さんの意見を可視化してみました
圏域が近い方々同士を同じグループにして交流していただきました

まとめ

私はこういった研修を看護協会が企画してくださる事自体が素晴らしいと思っています。

学校の医療的ケア実施体制の充実には「多職種連携の推進」はもちろん大事です。

校内での教員と看護師との連携だけでなく、学校の教員や看護師が、関係機関の福祉職や医療職とスムーズに連携できる体制がますます求められていると感じます。

看護師が多職種と連携する事を推進していくには、その土台として「看護師同士の連携」が重要になってくるように感じます。

医療現場で働く看護師、福祉現場で働く看護師、そして教育現場で働く看護師同士がお互いの看護の目的の違いをきちんと理解した上で所属を越えた看護師同士の連携がスムーズにできるようになれば、多職種連携も推進されるのではないかなと思います。

前回ブログで報告した滋賀県看護協会や今回の山形県看護協会のように、様々な場所で働く看護師同士の横断的な連携の取り組みが、各地の看護協会にも広がっていく事に期待したいです。

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