オンライン研修「Nurse@school研究会」も7回めの開催となりました。
各学期末毎に開催をしている つながるかい の皆さんのためのオンライン研修です。
毎回、学校の医療的ケアに関連するゲストをお呼びしてご講義いただきます。
今回の「Nurse@school研究会」は「養護教諭」にフォーカスしてみました。
沖縄県内の学校で働く養護教諭さんがゲストに来てくださいました
今回は1学期を総括できるテーマにしたいなと思い「養護教諭と看護師のチームワークはどうすれば上手くいくかな?」というテーマにしてみました。
養護教諭は特別支援学校でも小・中学校でも必ず一人は配属されていますので、校種を問わず看護師にとっては大事な同僚です。
看護師としては養護教諭は校内職員の中でも特に看護師の感覚に近い感覚を持っておられるだろうと思うので、とても近づきたい存在です。
一方で養護教諭の1学期は子ども達の健康診断関係業務で毎日超多忙な上に、日々の保健室に来室してくる子ども達への対応でバタバタしておられるという事も看護師は知っています。
でも、看護師としては医療的ケア児の日々の健康状態を養護教諭ともタイムリーに共有しておきたいし、特に緊急時は校内の多職種との連携が必須なので、養護教諭とのチームプレーをいい感じにしたいなと思っている看護師は多いと思います。
今回の研究会には沖縄県内の特別支援学校の養護教諭の先生と小学校の養護教諭の先生、そして沖縄県教育委員会の先生がゲストとして参加をしてくださいました。
3名の先生方のところに私も加わって、沖縄県から つばがるかい の皆さんとZOOMで繋がってセッションをしました。
まずはこのNurse@school研究会の立ち上げから事務局を担当してくれている藍野大学の岩佐先生から養護教諭免許を取得するまでの道のりや、養護教諭の専門性及び学校全体における役割を解説してくださいました。
そして医療的ケア児が在籍する学校での勤務経験がある沖縄県のお二人の養護教諭の先生方にご自身の経験や養護教諭として大事にしておられる事などをたっぷりと聞かせてくださいました。
看護師を含めた医療的ケアに関わる関係者みんなをつなぐ役割
お二人の養護教諭の先生方のお話は実際に体験した事に基づいたものなので、とても具体的で説得力のあるものでした。
その時に感じた事や工夫をしてこられた事など、その時の校内の様子が目に浮かぶような具体的で、わかりやすいお話でした。
校内体制の中での医療的ケアに関する養護教諭の役割は校種の違いに関係なく、文科省の通知文で示されていますが、実際には特別支援学校と小学校とでは違う部分も沢山ある、との事です。
養護教諭の配置人数も特別支援学校であれば2名配置の場合が多い事に対して、小学校では1名配置が多いという現実の中で、医療的ケア児が学ぶ教室に様子を見に行こう!と思っていても、保健室に来室してくる他の子ども達への対応が続く事で、養護教諭が保健室を離れる事さえできない、という現実がある事も教えてくださいました。
養護教諭として看護師と医療的ケア児の情報をどうすればタイムリーに共有できるのか?コミュニケーションの風通しを良くするにはどうすればいいのか?など、実際の体験の中から生まれた工夫も教えてくださいました。
加えてお二人の先生方が学校という組織全体の中でとても重要な役割を担っておられる事も話してくださり、「学校保健」という観点での養護教諭の役割の重要性についても知る事ができました。
まとめ
私は今回沖縄県の先生方のお話を聞かせていただくまでは「担任と看護師の連携」とか「養護教諭と看護師のチームワーク」という何となく「点と点」を繋ぐというイメージだけで連携を捉えていました。
しかし、今回沖縄県の先生方のお話の中から「誰かと誰か」という点と点だけの捉えではなく、医療的ケア児に関わる人たちみんなをまるっと捉えて、その輪の中が風通しが良い関係性をキープしていくという、連携の輪を広い面で捉えてお仕事をしておられるという事を教えていただきました。
沖縄の言葉「ゆいまーる」は「他人との結びつき」「結いが廻る」という意味だと教えていただき「お互いが分かち合う」という考え方を先生方が大事にしているという事も知る事ができたので、つながるかい の皆さんだけでなく、私自身が学ぶ事が沢山ある研究会になりました。
今回の研究会についても つながるかい の会員様限定のアーカイブ動画も用意しましたので、つながるかい の皆さんには夏休みの時間を活用して視聴していただけると思っています。