特別支援学校でも小中学校でもそろそろ雨パターンも想定しながらの水泳指導や校外学習・宿泊学習への対応が入っている頃かと思います。
こういった学校行事などでは看護師としては校内の多職種との連携は必須になるので、今月のつながるかい ビデオミーティングでは特に養護教諭との連携について、皆さんどうしているかな?という内容で意見交換をしてみました。
今回は養護教諭としての勤務経験があるゲストさんに来ていただきました
今回はゲストとして、看護師としても養護教諭としても勤務経験がある神戸市立看護大学大学院博士前期課程の三好由紀子さんがオブザーバー参加をしてくださいました。
ご自身の養護教諭としてのご経験から是非つながるかい の皆さんにご助言いただき、それぞれの職場で養護教諭と看護師が風通し良く連携するためのヒントをいただきたいと思い参加をお願いしました。
学校で看護師が多職種と連携して取り組む業務は沢山ありますが、その中にひとつに「緊急時対応マニュアル」の整備があります。
看護師は医療的ケア児の「緊急時」についてその対応の流れなどをあらかじめマニュアルやフローチャートなどで準備しておきたいと考えます。
養護教諭は医療的ケア児だけに限らず、他にも健康上配慮が必要な子供たちについても「緊急時」となった場合の対応の流れなどを学級担任や管理職と調整し、校内で周知していきます。
医療的ケア児の「緊急時」の対応をあらかじめ想定しておく事について、看護師と養護教諭との役割の調整などは皆さんどのようにしているかな?という事を今月のトークテーマにして、養護教諭の立場で三好さんにも意見交換に参加をしていただきました。
それぞれに経験が異なる養護教諭と看護師がお互いを補い合う
学校での医療的ケア実施体制における養護教諭の役割についてはご存知のように平成31年3月の文科省通知文にその役割が記載されています。
文書としては確かに養護教諭としての役割は明記されてはいますが、実際には養護教諭と看護師はどのように連携すればいいのか?
特に通常モードとは異なる緊急性を要する対応についてはお互いにどういった捉えなのか?をどう確認すればいいのか?
つながるかい の皆さんそれぞれが勤務する学校によって、緊急時の準備や校内の決裁や周知の流れ、あるいは看護師と養護教諭との役割の整理にはかなり違いがある、という事が意見交換の中で浮き彫りになりました。
当然、大規模校の特別支援学校と、小中学校では養護教諭の配置人数も校内の組織体制も違いますので、関わってくる人数や整理の仕方も異なります。
オブザーバーの三好さんからは、養護教諭も今までの勤務校の校種や学校規模の違いによって経験している事にはかなり違いがある、という事、校内組織の中で上手に関係職員を巻き込んで調整していくスキルなども養護教諭としての経験によって考え方に違いがある、という事などを教えていただきました。
子ども達の学校での生活環境をどのように作っていくか?という共通のミッションについて、看護師と養護教諭はお互いに知っている事や得意な事には違いがあるのだから、それを理解した上で、お互いがお互いを補えるような連携体制ができるといいのでは?というアドバイスもくださいました。
まとめ
看護師は特に「緊急時」については早いうちに確実にイメージをしておきたいと考えがちです。
しかし、1学期の保健室は児童生徒全員の健康診断業務が集中していて超多忙な養護教諭の様子もわかるだけに、声をかけるタイミングにも悩むという話も意見交換の中で出ました。
今回のビデオミーティングでは看護師と養護教諭の関係性というテーマでスタートしましたが、意見交換を進めていく中で、じつは「看護師」と「養護教諭」だけの事ではなくて「校内組織」の中で学校全体として「緊急時対応」も含めた校内体制を検討し、判断してから運用の流れにのせていく事がポイントだなと感じました。
今回のようにオブザーバーの方からのご意見はとてもありがたいので、今後も様々なお立場の方にビデオミーティングを通して つながるかい の皆さんと交流をしていただきたいと思います。