大阪大谷大学教育学部特別支援教育実践研究セミナーは現役の学生さんだけでなく、学校で働いている教職員の方々も参加ができるセミナーという事で、学生と社会人が一緒に学べる貴重なセミナーです。学校現場の先生方は仕事を終えて、夜のセミナーに会場とオンラインの両方で参加をしておられました。
今回私は、兼業先の医療法人はるたか会の職員として会場に伺いました。会場はあべのハルカスの中にある大阪大谷大学ハルカスキャンパスだったので、大阪の夜景が広がる景色も見る事ができました。
将来教員を目指す学生さんに学校の看護師について知って欲しい
大阪大谷大学教育学部特別支援教育専攻で学ぶ学生さんは、将来、特別支援学校や、特別支援学級の先生になる事を目指して勉強をしておられるそうです。そういった学生さんに学校で働く看護師の事を知っていただく機会をいただけたことは本当にありがたいと思いましたので、はりきって資料を準備しました。
当日参加してくださった学生さんは、先生方の事前のご指導もあり、皆さん「医療的ケア」という言葉は聞いた事があるとの事でした。でも実際に医療的ケア児に会った事がない学生さんもいるかな、と考え、言葉の説明などから厚労省の資料や動画などを使ってイメージをしていただきました。
現在特別支援学校でのインターンシップを実施している4回生の学生さんの中には、校内に看護師が働いている事は知っているという方もいました。しかし実際に看護師とは話した事はない、との事で、校内で仕事をしている様子から「あの人が看護師さんだな~」という距離感のようです。
せっかく学生さんが学校に来ているのであれば、その学校の看護師さんから、そこでの看護師の役割などの説明を聞いてみる、というプログラムもあってもいいのにな~とも思いました。(既にそういった取り組みをしている学校もあると思いますが‥)
おそらく看護師さんもかなりお忙しいと思いますので、時間的に厳しいとは思いますが、学生のうちに、学校での多職種連携の実際について学ぶという事も、社会人になった時に、何かの役に立つ事もあるのではないかな、と思います。
社会人と学生が一緒に学べる設定は素晴らしいです
このセミナーは、現役の先生も参加する事ができ、学生と社会人が一緒に学べるという素晴らしい企画です。今回は実際に学校で働いている看護師さんも参加をしてくださっていました。
大学の先生と私との意見交換の様子や、皆さんとの質疑応答などを、学生さんや現役の先生、学校で働く看護師の皆さんが、一緒に聞いてくださる事で、お互いにどういった考えなのか?どんな事に疑問を感じるのか?という事を参加者同士でも感じていただけたのではないかな、と思います。
実際に学生さんのご質問に対して、参加してくださっていた現役の先生からも補足説明をしていただくなど、学生さんにとっても、より具体的な内容を聞く事ができ、学びが深まったのではないかと思います。
更には、日々学校で子ども達の指導をしておられる先生から、具体的にご質問がいただけた事も私にとっては収穫でした。
学校での医療的ケアについては、子ども自身の自立に向けて、段階的に取り組む事は、学習指導要領の「自立活動」に位置付いた教育活動になります。今回参加してくださった方々との意見交換で、ケアの際に「子どもが支援者に対して『ありがとう』という言葉を言うように指導するかどうか?」というような話題も出ました。自立活動という指導は、医療的ケア児本人の事だけでなく、その子の周りの大人や子ども達との関わり方や、周りの人がその子に関わる時の気持ち、についても、考えを広げて教員が指導しているだと思います。そういった指導が、将来、子ども達が世の中で生活していくために必要な力をつける事につながるのだと思います。それは医療職がイメージする「子どもの自立」よりも、学校では更に深い内容で「人間関係」にも注目する指導である事に、あらためて気づかせていただく事ができました。
まとめ
教員になる事を目指して学ぶ学生さん達は、将来、配属された学校で看護師と一緒に仕事をする可能性も十分にあります。今、学校の中には、看護師だけでなく様々な職種の人が入って子ども達の学びを支えています。教員は文字通り「多職種」の方々とともに仕事をする事が当たり前になってきています。
学生さんが教員になり、学校で看護師に会う事があれば、今回の私の話をちょっとだけでも思い出していただけるとありがたいと思います。
大阪大谷大学特別支援教育実践研究センター👉https://www.osaka-ohtani.ac.jp/facilities/educational_research_center/