大阪府看護協会ナースセンターには「復職応援セミナー」という、ブランクのある看護職の方の復職を支援するセミナーがあります。今年度より「学校看護師コース」が開設されていて、先日、そのセミナーで学校の看護師の役割について私から説明をさせていただきました。
大阪府看護協会ナースセンター 復職応援セミナー ホームページ👉 http://nc.osaka-kangokyokai.or.jp/CMS/00003.html
少人数のセミナーで質問しやすい雰囲気でした
このセミナーは今年度は5回開催される予定で、先日はその第1回目でした。学校の仕事に興味を持っておられる方は8名参加しておられました。
私からは、学校の看護師の役割について文科省の通知文などを参考に説明させていただき、病院や訪問看護とは異なる役割が看護師には求められている事もお話しました。
就職先が特別支援学校と小学校・中学校では、同じ学校で働く看護師の人数も、業務内容もそれぞれに異なるという事など、一口に「学校」といっても色々な状況がある事も説明しました。
学校の仕事に関心を持った理由を聞かせていただきました
今回の参加者の場合は、ほとんどの方は、子育てを理由に前職を退職され、子育てが一段落した事をきっかけに再就職を検討しておられるようでした。ご自身の子育ての経験から、子どもの成長や、学校教育に関心を持っている事、あるいは知人が学校の看護師をしている事、など、子どもの成長や学びを支援する仕事に関心がある方が、このコースを選んでおられました。
中には、以前にNICUなどで勤務していたが、その後の子ども達の様子を知りたいと思い、興味を持ったという方もいました。今回このような方がいてくださった事は私にとっては「待ってました!」という感じです。看護師は医療機関の勤務だけでは、退院後のその後の子ども達とは、外来を受診する短時間でしか関わる事ができません。
しかし、学校で働く事で、教員の指導によって子ども達が成長している姿を見る事ができるという部分は、多くの学校で働く看護師が「やりがい」と感じる部分であり、医療機関での勤務だけではわからない事だと思います。
一方で心配な部分もあります
心配な事や不安な事も伺いました。学校の看護師については「非常勤」としての募集ばかりで、1年毎に更新するパターンしかないのが不安定で心配というお話もありました。おっしゃる通りです。来年も継続して雇ってくれるのかが、不確定な状態なので、万が一、更新できなかった時のために、毎年、他の仕事も平行して探しているという、学校で働いている知り合いの方のお話を既に聞いておられる方もいました。「非常勤というのが、ちょっと…」ズバリ課題をご指摘くださっているお話でした…
現状では、多くの自治体の学校の看護師募集は、1年毎に更新する条件が多いと思います。ここが学校の看護師が定着しない理由のひとつになってしまっています。せっかく学校の仕事に関心を持ってくださっても、長く働けるかどうかがハッキリしない、というのは当然マイナスポイントです。本当におっしゃる通りです。
まずは関心を持ってくださる看護師が増えて欲しいです
まだまだ同業者が少ない職域ですが、確実に学校で働く看護師の存在を知っている看護師は増えてきている印象です。私は随分以前にこのセミナーに参加させていただいた事がありますが、その時の参加人数はわずかに3名でした。その時と比べると今回の8名はスゴイ!と思っています。
今回参加された方々も最終的には学校の看護師としての就職に至らない可能性も当然ありますが、少なくとも私の説明は聞いてくださいましたので、この仕事について少し知っていただけただけでも「よかった~」と私は思っています。今回の私の話が頭の片隅に残っていていれば、何かのタイミングで思い出していただけるかもです!
まとめ
今回は大阪府看護協会ナースセンターの取り組みですが、こういった取り組みは、全国の都道府県の看護協会ナースセンターで実施していただきたいと思っています。
各自治体教育委員会や学校では、看護師の確保に大変苦労をしておられます。大阪府看護協会だけでなく、全国各地の都道府県の看護協会と自治体がタイアップしている状況になればいいと思います。看護師の学校への就職斡旋だけでなく、就職後の看護師研修支援など、自治体を色々な面でバックアップしてくださるようになれば、めちゃくちゃ素晴らしいと思います。
大阪府看護協会では夏休み期間中に、大阪府下の小中学校で働く看護師研修も実施してくださっていますので、こういった取り組みが全国に広がって欲しいと思います。
そして、今回のセミナーに参加された方がもし学校に入職された時には、Nurse Fightの「つながるかい」で、入職当初の不安な時期をサポートさせていただけるのではないかな、と思っています。